自宅葬の費用相場とは?必要な準備とメリットやデメリットも紹介します
お葬式を営む場所にはいろいろな選択肢があり、自宅でお葬式を行うこともその一つです。
「自分の家で最期を迎えたい」「できることなら自宅から見送ってあげたい」といった声はしばしば耳にしますが、自宅葬はその希望を叶えることができます。
しかし、最近は葬祭ホールでの葬儀が主流であるため、自宅で葬儀を行えるということを知らない方も多いようです。そこで今回は、自宅葬の費用や流れなど総合的に解説していきます。
自宅葬の意味と条件とは
まずは自宅葬の意味と、自宅葬が可能な条件について知っておきましょう。
自宅葬とは
自宅葬とは、葬儀場や寺院などではなく「自分の家で行う葬儀」のことです。
自宅葬で行うのであれば、自宅の一室に祭壇を設けたり、必要に応じてテントを設営したりと、葬儀規模に応じた準備を行います。
詳細は後述しますが、葬儀社に依頼せずに遺族自身の手で自宅葬を行うことで、葬儀費用を安価に抑えることもできます。
自宅葬の場合は、24時間付き添えたり、好きな料理を出したりと自由度の高いお葬式が可能です。
また葬儀会場のような会場の制約がなく、お別れに充分な時間を持つことができます。
一方、葬祭ホールでの葬儀とは異なり、自宅葬は自分たちの手で行わなければならない準備が多く、遺族にはさまざまな負担がかかります。
葬儀社に依頼すると、この負担が大きく軽減されることにつながっています。
自宅葬が可能な条件
自宅葬は、どのような家でもできるわけではありません。また葬儀の規模や形態によっても自宅葬でできるかどうかが変わってきます。自宅葬が可能となるための主な条件は、一般的に次の通りです。
・祭壇を飾り、棺を安置し、最低限の家族が参列できる広さの部屋があること(葬儀の形態によりますが最低でも6畳~8畳は必要です)
自宅の中で、祭壇を飾ることができるスペースや棺を安置できるスペースを確保する必要があります。
僧侶がお経をあげる場所と遺族が参列できる広さの部屋があるかどうかも確認しましょう。家族以外の人に参列してもらう場合は、式の前後に待機する部屋も必要です。
・棺の出入りができる間取りであること
玄関から棺を安置する部屋まで、通路に棺が通り抜けるだけの余裕があるかどうかを確認します。
・最低限、霊柩車や司祭者の車など3台程度は駐車ができるスペースがあること
霊柩車を自宅の前に停める必要があります。
・一般参列者の人数に応じて、受付や食事の場所が確保できること
参列予定人数が多い場合、受付の場所としてテントを張ることもあります。
・自宅がマンションなどの集合住宅で2階以上にある場合、エレベーターに棺が乗ることエレベーターによっては奥側下部に小さな扉があり、棺やストレッチャー分を拡張できる仕様になっているものがあります。
このようにないくつかの条件をクリアすることができればマンションやアパートでも葬儀を行うことが可能です。
自宅葬の流れとは
葬祭ホールで行う場合と自宅葬では流れに違いがあるのでしょうか。次に自宅葬の流れを見ていきます。
自宅葬の流れ
ここでは、病院で亡くなり、葬儀形態としてはよく見られる仏式で行う自宅葬の流れを紹介します。なお、無宗教葬含め宗教宗派や葬儀規模などによって不要となる手順もあります。
臨終~死亡届、火葬場の利用手続き
- 臨終:医師の死亡確認、死亡診断書(死体検案書)の受取
- 病院から自宅への搬送
- 自宅での安置(ドライアイスの処置)、枕飾り設置:宗派によっては一膳飯や団子を用意してお供えします。
- 葬儀社との打ち合わせ:葬儀社との打ち合わせでは日程・葬儀の形式・喪主・祭壇・料理・返礼品・供物などについて話し合います。分からないことがあれば聞いておくようにしましょう。
- 寺院への連絡
- 死亡届、火葬場の利用手続き(一般的に葬儀社が代行)
通夜当日
- 納棺
- 葬儀社が祭壇など仏式の葬具設営および受付、会食場設営
- 通夜式
- 通夜振舞い
葬儀告別式
- 葬儀告別式
- お別れの儀
- 出棺(出棺後、葬儀社は祭壇などの撤去、清掃)
- 火葬、お骨上げ
- 忌中払い:地域によっては精進落としと呼ばれます。自宅に戻って行う場合もあれば、寺院や料理屋で行う場合もあります。
- 後飾り段への遺骨安置:「後飾り段」は火葬が終わった遺骨を、埋葬する日や忌明けまで安置しておく小さな祭壇のことです。
流れ自体は、葬祭ホールで行う葬儀と大きく変わりませんが、自宅葬では自宅に祭壇や受付などを設営し葬儀後は撤去する時間が必要となります。
自宅葬の費用相場とは
自宅葬を検討する際、費用面は多くの人が気になる点です。ここでは自宅葬の費用面について説明します。
自分で手配する葬儀は10万円前後から
葬儀社に依頼せず自分たちで自宅葬を行う場合の費用相場は10万円前後からと言われています。
ただし、この費用は宗教儀礼を伴わずに自宅でお別れをして火葬だけを行う場合の最低価格です。火葬費用も含まれません。
この場合、費用面はかなり抑えることができますが、業者に依頼すればやってもらえることの全てを自分たちで行う必要があるため、実際に実現するのはかなり難易度が高くなります。
内訳としては、棺が3万円前後、骨壺が3000円~5000円、ドライアイスは1日当たり5000円程度、自宅から火葬場までの霊柩車が2万円前後(走行距離10km以内)などです。
この他に、利用する火葬場によって、火葬費用として無料~8万円前後が必要となります。
なお、棺や骨壺の購入方法ですが、自宅近隣の葬儀社に単品での販売を依頼するか、インターネットを利用する方法があります。
一般的に葬儀社は棺や骨壺の単品販売は行っていないため、全ての葬儀社で単品販売に応じてもらえるとは限りません。現在はオンライン販売など個人で購入できる場合もありますが、あらかじめ準備できるかどうかを葬儀社に確認しておく必要があります。
また、インターネットでの購入については、棺や骨壺を安価にて購入することが可能ですが、葬儀社から購入するよりも自宅に配送されるまでの時間がかかるという難点があります。
事前に準備した場合、取り寄せたものを保管しておくスペースも必要です。
業者に依頼した場合の費用は40万円前後から
宗教儀礼を伴う葬儀でも家族葬など小規模であれば、費用相場としては40万円弱から行うことができると言われています。なお、寺院など宗教者へのお布施など御礼は別途必要です。
一般参列者に参加してもらう場合には、人数によって返礼品や飲食接待費など変動する費用があります。返礼品は会葬御礼品が1000円前後、飲食接待費は2000円~5000円が参列者一人当たりの目安と言われています。
また、祭壇や棺、葬祭備品など葬儀費用の基本的な部分は、葬儀社によって「葬儀基本料金」「〇〇セット」「〇〇プラン」「〇〇祭壇一式」などの表現で提供されています。
表現だけでなく含まれている内容も異なる場合が多いので、何が含まれているのかをしっかり確認しておきましょう。
例えば、ドライアイス1日分を含んでいる葬儀社もあれば、別料金になっている葬儀社もあります。
特に火葬費用は利用する火葬場によって金額が異なることから別途料金となっていることも多いため、注意しましょう。
自分で自宅葬を手配する際に必要な作業とは
葬儀社に依頼せず自分たちで自宅葬を営む場合、どのようなことをしなければならないのかを知っておく必要があります。
特に、たくさんの人が集まる自宅葬では複数の人手が必要なこともあります。
業者を通さない場合に必要な作業
葬儀社に依頼しない場合、自分たちで行う主な作業は次の項目です。故人を納めた棺を運ぶときなど、複数の人手が必要な項目もあります。
- 棺が自宅から搬入出できるかの確認
- 遺体の搬送:病院で亡くなった場合には、病院から自宅へ搬送する必要があります。遺族が自家用車で搬送を行うことは法律上問題ありません(ただし、死亡を証明する死亡診断書の携帯が必須です)。
- 安置用のドライアイスと防水シーツの準備
- 遺体へのドライアイス処置:体型や死因などによって適した方法で行う必要があります
- 死亡届の提出
- 火葬場の予約と利用手続き
- 棺の準備
- 骨壺の準備
- 納棺
- 火葬場まで棺を運ぶ車両の手配(その他必要に応じて)
- 遺影写真の準備
- 宗教者を手配する場合は枕飾りなどの設置
- 祭壇など葬具の準備、設営
- 受付の設置
- 料理などの手配
- 礼状や返礼品の手配
- お手伝いをしてくれる人への依頼
- 当日の宗教者への対応、参列者の案内など
- 葬儀終了後の祭壇撤去など後片付け
自宅葬のメリットとデメリットとは
自宅葬を行う場合には、メリットとデメリット両方を把握しておくことも大切です。
自宅葬のメリットとは
時間的制約がほとんどない
火葬の時間に合わせた出棺などの一部を除けば自宅葬では制約がありません。
式場の管理者や葬儀社スタッフに気兼ねすることもなく、葬儀の前後や夜間も故人の傍でゆっくりとお別れの時間を過ごすことができます。
住み慣れた家でのお別れが可能
「自分の家で最期を迎えたい」「家族の思い出がつまった自宅から見送ってあげたい」という希望を叶えることができます。
自分たちの住み慣れた環境で葬儀を行えることから、遺族もリラックスした状態で葬儀に臨むことができます。
式場利用費が掛からない
自分の家ですので、式場使用料が掛かりません。
そのため葬儀費用を大きく抑えることができますし、あるいはその分の予算を使って祭壇を豪華にしたり、花の量を増やしたり、他の部分にお金を掛けることがでます。
形式にこだわらずに故人を見送れる
宗教者を呼ばずに行う場合、自由度の高い自宅葬では、スケジュールや食事などを一般的な葬儀に比べて自由に決めることができます。
そのため形式にこだわらず故人を見送ることが可能です。
自宅葬のデメリットとは
スペースの確保が必要
葬儀形態によりますが、棺を安置して家族の参列スペースが最低限必要です。また参列者数に応じて受付や食事の場所、駐車場の確保も必要となります。
マンションやアパートによっては、条件を満たさなければ自宅葬を営めない場合があります。トラブルを防ぐために規約が決められている場合があるので規約や管理会社に事前に確認が必要です。
またマンションであれば共通の集会場などコミュニティスペースを使える場合もあります。
誰にも知られずに葬儀を済ませたいというニーズには合わない
自宅葬を行えば、自然と家族が亡くなったことが周囲の方々の知るところとなってしまいます。
近隣への気遣いが必要
音や匂い、人の流れ、車両など近隣の方々にとっての日常生活が一変しますので充分な気遣いが必要です。
家の中の準備の負担がかかる
普段は生活スペースとなっている場所で葬儀を行うため、家具の移動など大掛かりな準備も基本的に遺族が自分たちで行わなければなりません。そのための手間と時間が大きな負担になります。
後片付けも負担
スペース確保のため移動した家具を元に戻したり、食器類を片付けたりなど葬儀後の負担もあります。
家庭のプライベートが見えてしまう
自宅に参列者を招くため、普段生活しているプライベートな空間が参列者に見えてしまいます。
人に見られることに抵抗がある場合は自宅葬は難しいでしょう。
霊柩車の駐車スペースの確保が必要
霊柩車は一般的な車よりも大きいため、霊柩車を止められる広いスペースが必要です。
スペースが確保できるのか確認しておきましょう。
自宅の留守番が必要なため、火葬に立ち会えない親族が出る
自宅葬を終えて火葬場に出棺してから遺骨が戻るまでの間に、祭壇の撤去や室内の後片付けをし、位牌、遺骨、遺影写真を祀る場所を設けておく必要があります。
葬儀社などが撤収作業のため出入りする場合もあり、遺族や親族などの中から火葬場に同行せずに留守を預かる人が必要になります。
最後に
今回は、自宅葬について費用や流れなど総合的に解説しましたが、いかがでしたか。自宅葬の費用、流れ、メリット・デメリットなどが分かったのではないかと思います。
家族葬を希望される方が増えている昨今、家族葬こそ自宅で行うのに適した葬儀スタイルであるという声も聞かれます。
自宅で葬儀を行うには大変な面もありますが、多くの葬儀社は自宅葬にも対応しており、専門的なサポートを依頼することもできます。どこで葬儀を行うか検討するときには、自宅葬も選択肢の一つとして考えてよいのではないでしょうか。
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