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直葬とは?行う前に知っておきたい費用、流れ、トラブル事例を解説

直葬とは?行う前に知っておきたい費用、流れ、トラブル事例を解説

本記事の結論

  • 直葬とは通夜や告別式を省略し、ごく近しい親族のみで故人を見送る最も簡略的な葬儀形式
  • 経済的な理由や現代の社会背景から、年々増加傾向にある
  • 一般的な葬儀と比較して、費用を大幅に抑えられるだけでなく、遺族の心身の負担も軽減できる
  • その一方で、葬儀後に多くの方からの弔問があったり、親族や菩提寺とのトラブルに発展する可能性がある

近年、経済的な理由や高齢化社会などの社会的背景から、通夜や告別式を行わない火葬のみの葬儀が増えています。

従来の葬儀より簡略的な直葬には、さまざまなメリットがありますが、後々に経済面や人間関係などのトラブルにつながるデメリットも少なくありません。事前にリスクを把握して備えられるようにしたいところです。

この記事では、直葬の流れやメリット・デメリット、掛かる費用やトラブル事例を解説します。故人を後悔せず送り出せるようにぜひ参考にしてみてください。

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直葬とは

直葬とは通夜や告別式といった宗教的儀式を省略し、ごく近しい親族のみで故人を見送る最もシンプルな葬儀形式を指します。

一般葬と直葬の流れを比較した図。一般葬は通夜・告別式・火葬の順で行われるのに対し、直葬は安置後に儀式を省略して火葬のみを行う違いを分かりやすく解説しています。

ただ、法律により逝去から24時間は火葬することができないと定められていて、最低24時間はご遺体を自宅や安置施設で安置する必要があります。

直葬はかつては身寄りのない方を弔う際など、特別な事情がある場合に行われることが中心でした。しかし近年では社会的な背景や価値観の多様化に伴い、ひとつの選択肢として選ばれるようになっています。

葬儀社によっては火葬するだけでなく、棺にお花を手向ける時間を設けた「お別れ式」や、故人のお体を清め衣装を整える「納棺の儀」など、直葬プランにオプションを付けて、丁寧に送るプランを提案するところもあります。

直葬が選ばれる割合は増加している

直葬は実際どれくらい行われている葬儀形式なのでしょうか。

直葬を選んだ割合の推移(2019年〜2023年)のグラフ。2019年の2.0%から2023年には8.5%へと、約4倍に増加していることを示しています


2019年に行った安心葬儀の調査では、全体の葬儀のうち、直葬を選んだ割合はわずか2%でした。

しかしその後、2023年に行った同様の調査では8.5%まで増加していることがわかりました。この結果からもわかるように、直葬を選ぶ遺族は年々増えてきています。

直葬が選ばれる背景には、現代の社会の変化が大きく影響しています。

1つは、経済的な理由です。葬儀に高額の費用をかけられない、あるいはかける必要性を感じないという現実的な判断から、簡易的な形式が選ばれることがあります。

また、超高齢社会も大きな要因です。故人が高齢で参列してくれる友人や知人が少なくなっているケースや、喪主自身も高齢なことから大規模な葬儀を行う体力的な負担を懸念するケースが増えています。

さらに、核家族化や人間関係の変化も関係しています。親族が遠方に住んでいたり、近所付き合いが少なかったりすることで、多くの参列者が見込めない状況も少なくありません。

最後に価値観の多様化が進んだことが挙げられます。従来の形式にこだわらず、静かに故人を見送りたいという考え方が広がる現代で、直葬がその思いを叶えるひとつの形として受け入れられるようになっています。

直葬のメリット・デメリット

直葬を検討する際には、その利点と注意すべき点の両方を事前にしっかりと理解しておくことが大切です。

メリット

直葬のメリットは以下の2つです。

他の葬儀と比べて費用を抑えやすい

直葬の大きなメリットは、費用を大幅に抑えられる傾向にあることです。

安心葬儀調べによると一般葬の総額平均費用が131万8,283円であるのに対し、直葬は36万3,807円と、約95万円もの費用を抑えられることになります。

これは、祭壇や式場の使用料、会食、返礼品などの費用が基本的に不要になるためです。経済的な負担を大きく軽減できる点は、直葬が選ばれる理由の1つといえるでしょう。

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遺族の身体的・精神的負担が少ない

故人を亡くした悲しみのなか、葬儀の準備や対応に追われることは、遺族にとって大きな負担となります。直葬は、その負担を軽減しやすい形式です。

一般葬では、通夜や葬儀・告別式に向けた打ち合わせ、参列者への連絡、料理や返礼品の手配、当日の進行確認など、準備段階から慌ただしい時間が続きます。当日も受付対応やあいさつ、参列者への配慮などに追われ、遺族の身体的・精神的負担は小さくありません。

これに対し直葬は、式典を行わないため、通夜や告別式の準備が不要。火葬場でのお別れを中心とした流れとなるため、当日の段取りは比較的簡潔であり、遺族の身体的負担は軽減されます。形式を簡素にすることで、精神的な緊張や対外的な対応も抑えられるという側面があります。

デメリット

直葬のデメリットは以下の3つです。

直葬に限らずですが、どの葬儀形式にもメリットがある一方、デメリットがあります。双方を考慮して慎重に検討しましょう。

葬儀後の弔問が負担になる場合もある

葬儀以降は故人を偲ぶ機会がないため、直葬に参列できなかった方が個別に自宅へ弔問に訪れることが想定されます。

弔問客が途切れず、その都度の対応に追われることで、結果的に遺族の負担が長引いてしまうこともあるでしょう。また、電話やメールでのお悔やみ連絡が頻繁に来ることもあり、併せて考慮しておく必要があります。

親族や参列希望者から理解を得づらい場合がある

親族の中には「通夜や葬儀・告別式をしないのは故人に対して失礼」「きちんと供養できないのではないか」と考える方もおられるでしょう。

また、故人を盛大に見送りたいという純粋な気持ちから、直葬という簡易的な形式に抵抗感がある方も少なくありません。故人と親しかった友人や知人から、なぜ知らせてくれなかったのか不満の声が上がる可能性もあるでしょう。

これらの反対や不満が、その後の親族関係や友人関係に影響を及ぼすこともあるため、慎重な配慮が求められます。

菩提寺に納骨を断られる可能性がある

菩提寺がある場合はとくに注意が必要です。

直葬を選択したからといって、それだけを理由に納骨を断られるものではありません。しかし、寺院には読経や法要を執り行う立場と権限があり、宗教的な手続きを何も行わないまま納骨のみを求めた場合、対応を断られる可能性があります。

何の相談もなく直葬を進めてしまうと、菩提寺との関係が損なわれることになりかねません。本来、葬儀や中陰法要は菩提寺の僧侶が関わる宗教儀礼であり、戒名(法名)を授かることもその一環です。

直葬であっても、後日あらためて読経や法要を営み、戒名を授かることは可能。形式を簡素にすることと、宗教的儀礼をすべて省略することは同義ではないので注意しましょう。

菩提寺との関係を円滑に保つためには、直葬を検討する段階で事情を説明し、今後の法要や納骨について相談しておくことが現実的です。

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直葬の費用相場は約36万円

当社の調査によると、直葬の全国平均費用は36万3,807円でした。ただし地域や依頼する葬儀社、プランの内容によっても費用は変動します。

直葬の基本プランには、主に以下のような項目が含まれていることが一般的です。

  • ご遺体の搬送料
  • 安置施設利用料
  • ご遺体を保全するためのドライアイス
  • 棺、骨壷
  • 役所への火葬手続きの代行
  • 運営スタッフの人件費

一方で、契約前によく確認しておきたいのが、プランに含まれていない追加費用についてです。とくに注意すべきは火葬料金で、火葬場の利用料がプラン料金とは別に必要となる場合があります。

その他にも、火葬場の空き状況によって安置日数が延びた場合の追加料金など、状況や遺族の希望によって追加費用が発生することも念頭に置いておきましょう。

なぜ直葬は費用を抑えられるのか

直葬が他の葬儀形式に比べて費用を抑えられる理由は、基本的に通夜や告別式といった儀式に関連する費用がかからないためです。具体的には、以下のような費用が不要になります。

一般葬と直葬の費用目安を比較した表。一般葬の平均費用が約132万円であるのに対し、通夜・告別式を行わない直葬は約36万円と、約95万円の費用差があることを項目別に示しています。


 

式場費用通夜や告別式を行うための斎場のレンタル料
祭壇費用白木祭壇や生花祭壇、その他装飾にかかる費用
飲食費通夜ぶるまいや精進落としといった会食にかかる費用
返礼品費会葬御礼や香典返しといった御礼品にかかる費用


これらの項目が不要になることで、葬儀全体のコストを大きく削減できるのです。

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直葬の流れ

ここでは、逝去から直葬が終わるまでの一般的な流れを順に解説します。

直葬の具体的な工程(ご逝去から安置、火葬、解散まで)を5段階で説明したフローチャート。通夜・告別式を行わず、法律で定められた安置時間を経て火葬を行う流れを示しています。

逝去・安置

病院で亡くなった場合は、医師から死亡診断書を受け取ります。もしご自宅で療養中に亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡して死亡確認をしてもらうか、突然の場合は警察による検視と警察医による検案が行われることもあります。

その後は葬儀社に連絡し、寝台車でご遺体のお迎えを依頼します。葬儀を依頼する葬儀社が決まっていない場合は、インターネットや病院に設置されているパンフレットなどから探します。

搬送後にご遺体を安置する場所は、主に自宅か葬儀社の安置室、遺体専用安置施設となります。自宅にスペースがなければ、安置施設を利用するのが一般的です。

ご遺体を安置した後、葬儀社の担当者と日程や参列者などの詳細について、打ち合わせを行います。

火葬場へ搬送(葬儀当日)

火葬前にご遺体を棺に納めますが「納棺の儀」として近親者が集まって儀式を行うこともあります。

この際に故人に仏衣を着せたり、生前に愛用していた品物などを副葬品として一緒に入れたりします。ただし、燃えないものや危険物は入れることができないため、事前に葬儀社に確認しましょう。

納棺の儀は、安置中または親戚が一同に集いやすい火葬当日になります。故人の身体の状態や安置方法によって、納棺だけ先にすませることもあります。

火葬

火葬場に到着後、火葬炉の前で最後のお別れをします。短い時間ですが、対面ができる貴重な機会です。

この際に、葬儀社に依頼して僧侶に短い読経をあげてもらうことも可能です。

ご遺体が火葬炉に納められた後、火葬が始まります。火葬にかかる時間は1時間から1時間半程度が一般的で、その間遺族や近親者は控室で待機します。

骨上げ

火葬が終わると遺族や近親者は二人一組になって「骨上げ」を行います。係員の案内に従い、1つの骨を箸で挟んで骨壷に移します。

血縁の濃い順に、足の骨から上半身へと拾い始め、最後に喉仏の骨を納めるのが一般的な作法とされています。

解散

すべての遺骨を骨壷に納め終えたら、納骨の際に必要となる埋葬許可証を火葬場から受け取ります。

骨壷と埋葬許可証を受け取った時点で、直葬の儀式は終了となり、現地で解散という流れが一般的です。

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直葬に参列する際のマナー

直葬に参列する際に備えて基本的なマナーを知っておくと安心です。服装や香典について説明します。

服装

儀式を省略した葬儀ではありますが、故人を弔うための厳粛な場であることに変わりはありません。そのため服装は準喪服を着用するのが丁寧です。

男性はブラックスーツに白シャツ、黒ネクタイを着用し、女性はワンピースやアンサンブルなどのブラックフォーマルを着用します。

遺族から平服を指定された場合は、普段着という意味ではなく略喪服を指すことが多いです。その場合は男性はダークスーツ、女性は黒や紺などの地味な色のワンピースやスーツを選ぶのが適切です。光沢のある素材や華美なアクセサリーは避けましょう。

香典

直葬では遺族が香典を辞退するケースも珍しくありません。その場合は遺族の意向を尊重することが何よりも大切です。

事前に遺族から「香典はご辞退申し上げます」という連絡があった場合は、持参しないのがマナーです。もし無理に渡そうとすると、かえって相手に気を遣わせてしまうことになるでしょう。

また、とくに連絡がない場合は念のため用意しておきます。直葬では受付が設けられていないことがほとんどなので、お悔やみの言葉とともに、タイミングを見計らって遺族に直接手渡します。

直葬でよくあるトラブル事例

ここでは、直葬を行う際に起こりがちなトラブルの事例と対策を解説します。

費用が思ったよりも高額だった

直葬の費用面のトラブルの事例では、広告で見た安価なプランを頼んだのに関わらず最終的な請求額が高額になってしまうことがあります。

広告に表示されている最低料金には、火葬料金や最低限の日数の安置料しか含まれていないことがあります。ご遺体の搬送料、火葬場の状況による安置日数の延長料金、ドライアイスの追加費用、遺族が希望したお花代などが別途加算され、想定外の金額になるケースです。

また、直葬は式典を行わない形式ですが、その一方で、ご遺体のケアについては丁寧に行いたいと希望する遺族も少なくありません。参列者を招かない分、限られた家族だけでゆっくりと対面したいという思いから、ラストメイクや湯灌、エンバーミング(ご遺体保全処置)などを追加で依頼するケースもあります。

ただし、これらのケアは基本プランに含まれていない場合が多く、追加費用が発生します。
契約前には必ず詳細な見積書を取りましょう。プラン料金に何が含まれていて、何が含まれていないのかをひとつずつ確認することも重要です。

追加料金が発生する可能性のある項目について、事前にしっかりと説明を求めるようにします。形式を簡素にしても、希望を加えれば費用は変動するという点を理解しておきましょう。

葬儀の形式について親族ともめた

故人の親族から「通夜も告別式もやらないなんて、故人が浮かばれない」と強く反対され、関係が悪化する事例も考えられます。

葬儀に対する価値観の違いから生じる意見の対立です。とくに事前の相談や説明が不足していると不信感につながり、トラブルに発展しやすくなります。

直葬を検討し始めた段階で、故人と関係の深い親族には必ず相談するようにしましょう。なぜ直葬を選びたいのかその理由を明確に説明し、理解を求める姿勢が大切です。故人の生前の遺志であった場合には、その旨を伝えることで理解されやすくなります。

故人の知人・友人から「会いたかった」と非難された

直葬で近親者のみの見送りとした場合、葬儀が終わった後に、故人の友人や知人から「一目会いたかった」「お別れがしたかった」と言われ、遺族が心苦しい思いをすることがあります。

形式を簡素にしたこと自体が問題なのではなく、知らせる機会がなかったことに寂しさを感じる人がいるという点に留意しましょう。

訃報が事後報告となると、気持ちの整理がつかないまま時間が過ぎてしまう方もいます。そのため、故人と親しかった友人・知人には、直葬で近親者のみで行う予定であることを、可能であれば事前に伝えておくと丁寧でしょう。

案内状や連絡文には「誠に勝手ながら近親者のみで執り行います」といった一文を添え、弔問や香典を辞退する旨も明記しておくと、相手への配慮になります。

故人の交友関係が広い場合は、後日「お別れの会」などを開催することも1つの方法でしょう。

菩提寺とトラブルになった

寺院との関係は、長期にわたる付き合いが続きます。事前に何の相談もなく進めてしまうと、檀家としての意思疎通が十分でなかったと受け止められる可能性があるため、注意が必要です。葬儀をしなかったからといって、法要が省略できるわけではなく、戒名(法名)を付けなくて良いというわけではありません。

直葬を検討する段階で、早めに菩提寺へ連絡し、事情を説明して相談する姿勢が大切です。報告として一方的に伝えるのではなく、今後の法要や納骨の方法について話し合う姿勢が円滑な関係につながります。

たとえば、火葬前後に読経を依頼する、後日あらためて法要を営むなど、何らかの形で葬儀に関わってもらう方法もあります。形式を簡素にしても、寺院との関係を大切にする姿勢を示すことが重要です。

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まとめ

直葬は、通夜や告別式を行わない火葬のみの葬儀です。最小限の遺体対応のみであるため、費用も一般的なお葬式より大幅に安くなります。遺族の精神的・身体的な負担も軽減できます。

しかし直葬では、参列できなかった故人と親しかった人への配慮(弔問・会葬対応)も必要ですし、葬儀費用の内訳についても、「多分安いであろう」という即断ではなく、事前に確認しておかないと後々のトラブルに発展することもあるので注意してください。

直葬(火葬式)を選ぶ際に注意すべき3つのポイント(親族への相談、菩提寺への連絡、見積書の詳細確認)をまとめたガイド。トラブルを防ぎ、納得のいくお別れをするためのアドバイスを掲載しています。

葬儀費用を抑えたい、シンプルな葬儀にしたいという人には、直葬が向いていますが、後悔しないためにも、メリットとデメリットをよく知っておきましょう。

監修者コメント

直葬であっても、丁寧に見送るためには安置期間をどのように過ごすかがポイント。自宅以外で安置する場合は、できるだけ面会がしやすい施設を選ぶことをおすすめします。近親者でゆっくり納棺の時間を持つことも、心の整理につながります。


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