直葬とはどんなお葬式? メリット・デメリットや費用の相場を紹介
近年、通夜や告別式を行わない「直葬」での葬儀が増えています。
非常に質素な葬儀形式の直葬には、さまざまなメリットがありますが、後々のトラブルにつながるデメリットも少なくありません。この記事で、直葬の流れやメリット・デメリット、掛かる費用や注意点を知っておきましょう。
本文ポイント
・直葬は、通夜や告別式を行わない遺体対応だけのシンプルな葬儀形式
・直葬でも死亡確定後24時間以上経過しないと火葬できない
・直葬は遺族の負担を軽減できるが、周囲から理解を得られないこともある
・直葬に掛かる費用は約10万円~30万円と言われていて、一般葬に比べると出費を大幅に抑えられる
・直葬は葬儀社によってサービス内容が違うこともあるので、事前確認が必要
直葬とはどんなお葬式?
直葬は、「直接火葬(Direct cremation)」の和訳で、逝去後に遺体を直接火葬場へ移送し、時間を見て荼毘に付す葬儀手法です。原則的に、対外的な会葬や宗教的な対応をしない火葬のみの処置ということで、「火葬式」と言われることもあります。
一般的な葬儀は、通夜を執り行い、その翌日に葬儀・告別式を営み、その後、出棺、火葬という流れになります。直葬では通夜や告別式といった世間的な式典は行いません。
近年では、新型コロナウイルス感染症の影響から、大規模な葬儀や告別式ができなかったり、その結果として形式に囚われずに近親者のみで、ゆっくりお別れをしたいといった理由で、「直葬でもよいのではないか」と施行されることも多くなりました。
ただし、直葬とはいっても、故人と親しかった友人や知人に参列してもらうこともありますし、菩提寺があれば読経をすることもあります。参列の人数として、10人前後で営まれている葬儀を、葬祭業界では直葬の「部類」としてみているようです。
直葬の流れ
直葬を選択したからといって、安置・保管の制限はありません。火葬場に保管施設があれば逝去先から直接火葬場へ搬送することも多くありますが、火葬そのものは、法律上、死後24時間以内はできません(参考:「墓地、埋火葬に関する法律」第3条)。
直葬の場合の安置や保管先には、自宅や葬儀社ホールの保管施設などがあり、いったんそこへ移送して、その後の対応を決めることも多くあります。その間に、死亡届の提出や火葬許可証の交付を受け、火葬場の予約をしなければなりません。
遺体の搬送や火葬場への霊柩の移送は、葬儀社に委託します。ただし、死亡届などの提出や火葬許可証などの手続きは、なるべく遺族が行うことをお勧めします。死亡届や死亡診断書には多大な「個人・故人情報」が満載されていますので、第三者である葬儀社に代行委託しない方が安心かもしれません。代行では印鑑も預けることになりますし、届け出は煩雑なものではなく、受理に関しては24時間役所の窓口は開いています。届け人は本人でなくとも信頼のおける人であれば遺族の誰でも可能です。
直葬では、火葬当日に納棺し、その後、出棺・火葬になることが多くあります。中には火葬直前、炉の前で短くお経をあげてもらう「炉前勤行」の場合もあります。
ただ、炉前での読経などに対応していない火葬場もあるので、事前に確認が必要です。また、宗教的な儀式は必要ないという場合は、そのまま火葬を行っても特に問題はありません。
一般葬では、火葬当日に初七日の法要まで済ませてしまうこともありますが、直葬では初七日も省略することがほとんどです。火葬の後はそのまま解散となるか、参列者をねぎらうための会食を行います。
直葬のメリット・デメリット
直葬にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも少なくありません。直葬を行う場合は、後々のトラブルにつながらないよう、メリットとデメリットをよく把握しておきましょう。
直葬のメリット
直葬のメリットは、一般葬と比べると金銭的な負担が大幅に少なくなることです。火葬のみなので、祭壇や式場、会葬者の接待に関わる費用も必要ありません。
また、直葬は遺族の身体的負担を最小限にできます。特に長く看護や介護を続けてきたケースでは、遺族の疲れもたまっています。
一般葬のように通夜や告別式の準備、参列者への対応に追われることがないので、時間にも気持ちにも余裕ができます。故人とのお別れの時間を長く取ることもできるでしょう。
宗教色を排除した最小限の葬儀でよいと考える人もいます。ただし、納骨する墓所の性格なども充分に考慮して望むとよいでしょう。檀家・菩提寺・境内墓地に納骨というような場合は、無宗教的対応は難しい場合が多いです。
ケースによっては、いったん近親者による直葬を執り行い、後日、故人の遺志や遺族の希望で「お別れ会・偲ぶ会」などを開催することもあり、遺体に関しては直葬にしておくという選択もできます。
直葬のデメリット
直葬は、遺族やごく身近な人だけで行うことがほとんどです。そのため葬儀が終わってからしばらくの間は、後日に訃報を聞きつけた故人の友人・知人、近隣の方、会社関係者などが弔問のために自宅を訪れることになります。
自宅への弔問はいつまで続くのか予想がつかないため、それが遺族の負担になってしまうこともあります。場合によっては、後日改めて「お別れ会」のような「会」を設ける必要があるでしょう。
直葬は、経済的・福祉的な最小限の手段という見方もあり、世間的にそれを避けたいという人や、「故人に対して申し訳ない」ということで気に病む人もいます。またそのような非難を人を口にする人もいますので、注意や準備が必要です。
また直葬では、通夜や告別式などでの会葬を行わないため、香典を授受する場面はありませんが、近親者の一部は当然ながら持参しますので、その対応も考えておかなければなりません。単に「固辞」するだけでは、かえってこれまでの関係性をないがしろにしかねません。同時に香典収入をあてにした費用補填はできません。
直葬に掛かる費用はどのくらい?
直葬は、一般葬に比べると費用を大幅に抑えられます。地域にもよりますが、掛かる費用は葬儀だけで10万円~30万円程度と言われています。一般葬(会葬者30〜100人くらいとして)に掛かる葬儀費用は130万円~150万円と言われてているので、かなりの節約です。
また、これらにお布施などを勘案すれば葬儀総額の見当もつけられます。
ただ、直葬でも節約できない費用があります。たとえば以下のようなものです。
- 遺体の搬送料(病院から安置施設への「遺体搬送」、安置施設から火葬場への「霊柩搬送」)
- 安置・保管施設の使用料(日数分)
- 遺体の保冷用ドライアイス(日数分)
- 棺、収骨容器代
- 火葬場費用(火葬料・休憩室使用料など)
- お別れ用の生花代など少々
直葬の料金を調べる場合の注意点
直葬に掛かる費用を、さまざまな葬儀社が公式サイトに掲載しています。ただ、料金の中にどんな項目が含まれているかは、葬儀社によって異なります。
葬儀社を「安いから」という理由で選ぶと、後から「公表している料金には火葬料金が含まれていなかった」「設備人件費などが別料金だった」などで、トラブルになるケースもあります。
葬儀社に依頼する場合は、必要なサービスが料金に含まれているのか、事前に確認しましょう。
また、遺族の希望によって追加費用がかさんでしまうこともあります。「遺影写真の制作」や「火葬後の『後飾り段』の設置」などの要望があれば、費用は大きく変わってきます。
この他、火葬場に僧侶などの宗教者を呼ぶ場合は、その謝礼も必要になります。宗教者への謝礼は、読経やお祈りの「時間の長短」で推し量るものではありません。事前に聞いておくことも必要です。
直葬で注意すべきポイント
直葬には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
一つ目が葬儀社選びです。
直葬は近年になって増えてきたスタイルのため、ノウハウが少ないというだけでなく、そもそも「直葬」というプランを最小限の料金パターンにしていない葬儀社もあります。心配なら、葬儀社に依頼する前にこれまでの施行例を確認するのもよいでしょう。
二つ目は、事前に遺体との面会がどのくらいできるのかを確認することです。故人とゆっくりお別れできるのが直葬のメリットの一つですが、葬儀社や火葬場の安置施設によっては遺体との面会が制限されるケースもあります。
また火葬場によってはスペースがないといった理由で、炉前でのお別れや読経ができないことがあります。直葬で炉前でのお別れをしたいと考えるなら、葬儀社に伝えて火葬場に確認してもらいましょう。
炉前でのお別れができる火葬場でも、長くて15分程度の短時間になることがほとんどです。ゆっくりとお別れをしたいなら、火葬場に移送する前に時間を取るようにしましょう。
三つ目は、菩提寺などがある場合、直葬でも納骨できるか事前に確認しておくことです。直葬では僧侶や牧師を呼ばず、宗教色のない葬儀にすることも少なくありません。その場合、後日、菩提寺や教会の墓地への納骨を断られてしまうケースがあります。
断れてしまったら、宗教不問の霊園や納骨堂など、いろいろな受け皿があります。
直葬に参列する場合の注意点
直葬では通夜や告別式は行いませんが、葬儀であることに変わりはありません。参列するなら、喪服やブラックスーツを着用するのがマナーとされています。
香典は、遺族から辞退する旨を伝えられることがほとんどです。「香典は辞退します」と言われなかった場合でも、持参しなかったからといってマナー違反にはなりません。
ただ、どうしても香典を渡したいと思う人もいるでしょう。直葬では受付や記帳などは行わないため、香典は喪主や遺族に直接渡すことになりますので、火葬を行っている間の待ち時間に渡すとスムーズです。
まとめ
直葬は、通夜や告別式を行わない火葬のみの葬儀です。最小限の遺体対応のみであるため、費用も一般的なお葬式より大幅に安くなります。遺族の精神的・身体的な負担も軽減できます。
しかし直葬では、参列できなかった故人と親しかった人への配慮(弔問・会葬対応)も必要ですし、葬儀費用の内訳についても、「多分安いであろう」という即断ではなく、事前に確認しておかないと後々のトラブルに発展することもあるので注意してください。
葬儀費用を抑えたい、シンプルな葬儀にしたいという人には、直葬が向いていますが、後悔しないためにも、メリットとデメリットをよく知っておきましょう。
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葬儀は「葬送」と「儀礼」の複合的なものです。直葬は「葬送」の一部で決して簡易、合理的な手法ではなく、遺体への大切な「葬法」である火葬を、的確に行う重要な意義があります。その意識で営むとよいでしょう。