市民葬、区民葬とは?申し込み方法やメリット・デメリットも解説
葬儀費用の一部分をなるべく安く抑える方法の一つとして、市民葬・区民葬の利用が考えられます。主に既定の祭壇、霊柩車の利用、火葬料金の他、遺体に関わる保全費用などの割引が設定されています。
市民葬や区民葬は、積極的に告知されていないこともあって、よく知らない方が多いのではないでしょうか。
市民葬、区民葬を検討する際には利用方法の他、メリットやデメリットについても知っておくことが大事です。
今回は市民葬、区民葬について詳しく紹介します。
市民葬、区民葬とは
まずは、市民葬や区民葬の意味など基本的な部分から確認していきしょう。
市民葬、区民葬とは
市民葬、区民葬とは、地域住民が葬儀の一部分を安く営めるように、自治体によって設けられたサービス制度です。
自治体(シルバー人材センターなど関連団体含む)が直接葬祭サービスを提供するところもありますが、自治体と提携している葬儀社が自治体と取り決めをした料金に基づいて葬祭サービスを提供する形式となっているところが多数です。
例えば、川崎市の市民葬儀制度では規格A(基本料金:49万5000円税込み)と規格B(基本料金:20万9000円税込み)があります。基本料金には、最小限必要な備品や人件費なども含まれていますが、肝心の「火葬料金」や「霊柩車搬送」などは別になっていますし、当然ながら宗教儀礼の経費(お布施等)は入っていません。
また区民葬(東京都23区の事例)では、全東京葬祭業連合会に加盟する区民葬儀取扱指定店に依頼することを前提となります。
葬祭料金は、4ランク(A1・A2・B・C)あり、それぞれ32万5380円~10万100円(税込み)になっています。これに加えて、一般料金よりは些少割安の霊柩車利用券、火葬券(通常ランク)、収骨容器券などがあります。
ただし、これだけで葬儀が完遂できるわけではありません。デメリットのところで詳細を解説しています。
いずれにしても、地域や地元の葬儀社と提携する形で市民葬、区民葬の制度を設けている自治体は、提携業者の中から依頼することになります。
市区町村によっては、葬儀後の申請は認められない場合があるので、事前に確認しておきましょう。
なお、全国の市区町村全てに市民葬や区民葬の制度があるわけではなく、自治体によって制度があるところとないところが混在しています。
市民葬、区民葬を行える条件
自治体によって違いがありますが、市民葬、区民葬の利用条件は下記のどちらかが一般的です。
①該当の自治体に故人が生前に住民登録していた
②喪主を務める人が住民登録している
①と②の他、自治体によっては、外国人登録をされている方も対象となることがあります。
また、自治体の地域内で葬儀を行うことや、公営の火葬場や斎場を使用することが市民葬、区民葬の利用条件となっている場合もあります。
市民葬、区民葬のメリットとデメリット
市民葬、区民葬にはメリットだけでなくデメリットもあります。利用を検討する際には両面を認識しておくことが大切です。
市民葬、区民葬のメリット
葬儀費用の一部分を抑えることができる
葬儀一式費用の全国平均は、一般的なもので約121万円と言われていますが、自治体によって料金設定は異なるものの、最近のお葬式傾向から、直葬など火葬のみだけに対応するため、棺や火葬料金だけを市民価格で設定しているところもあります。
費用を抑えることができるのは、自治体が提携している葬儀社と霊柩車や火葬料金など、一部の費用の割引を協定料金として定めているからです。
ただし、葬儀社のパッケージと異なり、自治体によってプランに含まれる内容の格差もありますので確認しておきましょう。
中には必要不可欠なドライアイスや保管設備が含まれていないこともあります。
自治体の提携している葬儀社ということで安心感がある
自治体によって提携する葬儀社の基準はさまざまですが、公的機関の提携業者であることで、とりあえず安心感はあります。
市民葬、区民葬のデメリット
想像以上に簡素な葬儀、飾り付けが必要となる可能性が高い
市民葬・区民葬は、葬儀を簡素に安く抑えるために、必要最低限の葬祭サービスを提供することを目的とした制度です。制度である以上、いろいろな規定があり、必ずしも現在の葬儀トレンドとはそぐわないことも多くあります。白木祭壇の段数の指定などは、祭壇そのものを必要としない傾向には適しませんし、お花で飾ることを要望すにも柔軟な対応ができにくいのも、制度という枠組みがあるからです。
そのため、現代的で質素な葬儀をイメージしても、必ずしも要望に沿うこととはならない場合もあります。
市民葬、区民葬を利用する際には、提供される祭壇や棺などの葬祭用品が規定によりあまりにも簡素な物になり、提供されるサービスも最低限の内容であると認識しておいた方がよいでしょう。
追加料金が発生する可能性が高い
市民葬、区民葬で問題になるのは、基本的な規定以外に必要になる備品についてです。例えば、ドライアイス・遺影写真・会葬礼状・返礼品・飲食接待費・供花・供物・受付などの設定や外回りのテント、その他にも、火葬場へ同行するハイヤーやマイクロバスなども含まれていないことがあります。自宅で葬儀をしない場合の斎場使用料なども含まれません。そういう点での追加料金の発生は、メリットを上回るデメリットになる場合もありますので注意が必要です。
細かい部分までこだわってオプションを追加していくと、逆に追加料金が掛かりすぎてしまうので、一般葬の格安プランよりも高くなってしまう場合があります。
自治体が提携している葬儀会社から選択
市民葬や区民葬は、自治体が提携している葬儀社から選択しなければいけません。
祭壇や棺なども決められたプランにされていることもあるため、葬儀の自由度はかなり低くなります。
例えば、市民葬、区民葬に限りませんが、身長や体格によって規定サイズ外の棺(長尺棺)を頼まざるを得ない場合などにも、追加費用が発生します。
部分利用も可能だが、その対応を敬遠されることも
これまでの市民葬・区民葬は、生活困窮者に対する福祉的な意味合いがありましたが、現状ではそのような感覚は希薄になりました。一部分葬儀社の利幅が少なくなることや、「市民葬・区民葬」のレッテルから、あえてサービスの欠如した向きもありましたが、そういったことはありません。むしろ部分的に利用できるような割引があれば、(霊柩車搬送や火葬料金など)、その部分だけをお願いできることもあります。ただ、こういった対応を敬遠する葬儀社があるのも事実です。
市区町村によって区民葬制度がない
市民葬や区民葬は、まだ全国的には定着しているとは言えない状況です。
市区町村によっては制度がない場合があるので、事前に自分の住んでいる地域で対応しているのかを確認しておくと安心です。
地域特有の支援制度(広島市被爆者への葬祭支援など)もあるので、役所の福祉関係窓口で聞いておくとよいでしょう。
市民葬、区民葬を申し込む方法とは
実際に市民葬や区民葬を利用したい場合にはどうしたらよいのでしょうか。
まずは居住地域の市区町村に、市民葬や区民葬の制度があるのかを確認する必要があります。
市民葬や区民葬の制度の有無については、各自治体の公式サイトなどで調べることが可能です。
市民葬、区民葬の制度があることを確認したら、利用の申し込みを進めます。申し込み方法は自治体によって異なり、下記に示す二つの方法が一般的です。
自治体の窓口で申し込む
- 市役所など自治体の窓口で市民葬または区民葬の申し込みを行います
- 窓口で市民葬の利用券が発行されます
- 市民葬または区民葬の取り扱い葬儀社に連絡し「市民葬(区民葬)で行う」と申し出ます
- 依頼した葬儀社に利用券を提出します
市民葬や区民葬の自治体への申請は、死亡届を提出する際にその旨を職員に伝えるか、専用の申込用紙を記入して死亡届と一緒に提出するとよいでしょう。
ただし、自治体によって申し込み方法が違うので確認してください。
なお、自治体によっては、市民葬や区民葬の利用に当たり、通夜または葬儀(社葬を除く)を指定した葬儀会場で行った場合に、会場使用料の一部が助成される制度を設けているところもあります。市民葬、区民葬の有無を確認するときに合わせて確認するとよいでしょう。
故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った人が申請することによって、市区町村から給付される給付金制度となる「葬祭補助金」があります。ただし、「葬祭補助金」は、火葬式、直葬では葬祭費が受け取れない場合もありますので、確認しましょう。
また、喪主が生活保護を受けている場合などに可能な「葬祭費扶助制度」があります。
故人と喪主が近隣の住居で自治体が異なる場合は、費用を比較検討してもよいでしょう。
葬儀社に直接申し込む
- 自治体が提携している業者のリストから利用する葬儀社を選択し自ら連絡します
- 選択した葬儀社に「市民葬(区民葬)で行いたい」と伝えます
葬儀社に直接申し込む場合は、葬儀社が自治体の窓口で市民葬や区民葬の利用手続きを代行する形をとっていることがほとんどで、市民葬や区民葬を利用したいと伝えれば価格が適用されるようになっています。
市民葬、区民葬以外に費用を抑えた葬儀形式
市民葬や区民葬は、一部分の費用を抑えられると解説しましたが、それほど広報が行き届いていないこともあり、利用者も少ないようです。
ただ現状の葬儀傾向である、「直葬」や「家族葬」などは、市民葬・区民葬の制度以上に、安価で施行できるパッケージを設定している葬儀社も多くあります。いくつか紹介をしていきましょう。
家族葬
家族葬は、親族や親しい友人などの少人数で行う葬儀形式です。
訃報連絡の限定により、一般葬に比べて参列者や会葬者数を少なくすることで対外的な配慮をなくして、葬儀に専念できます。また挨拶や会葬御礼の返礼品、あるいは接待的な飲食経費を抑えることができるので、一般的には「小規模なお葬式」の代名詞として施行されることが多くみられます。
直葬
直葬は、基本的に宗教対応がなく、通夜や告別式は行いません、通常は逝去場所から直接火葬場へ赴き、保管の後、火葬のみを行う「直接火葬」の略語として一般化しました。
病院などから自宅を安置場所とすれば、葬祭ホールなどの式場使用料もなく、自宅出棺で火葬常へ行きます。大まかな費用としては最小限、棺代、火葬料、霊柩車搬送費のみで、金銭的負担が一番少ない葬儀形式です。
ただし、菩提寺があり、檀家菩提の関係のある(境内墓地に納骨する予定にしている)方は、必ず菩提寺に連絡して、その進め方に了解を得ておくことが重要です。
一日葬
一日葬は、通夜を行わずに、葬儀・(告別式)・火葬を一日で行う葬儀形式です。
通夜を行わないため、式場使用料の前日使用がないので、式場費が抑えられることもあります。
最近では、夜に葬儀・告別式を執り行い(通夜兼用)、翌日は近親者のみで出棺、火葬することの方が合理的な傾向として施行されています。いずれにしても同じようなことを重複して二日間行うことから見れば、経費や労力の点で合理的と言えるかもしれません。ただしお布施など、司祭者に対するお礼が、半額になるというわけではありません。
最後に
今回は市民葬、区民葬を紹介しました。
市民葬・区民葬は、行政の福祉政策の一環として必要最低限の葬祭サービスが受けられる制度です。
市民葬や区民葬は、低価格で葬儀を行えるというメリットがありましたが、現状の小規模葬儀傾向の中では大きなメリットだとは思えません。簡素な中にも故人の遺志や遺族の思いが反映される葬儀が望まれます。
他の葬儀社との相見積を取る他、メリット・デメリットを充分確認した上で市民葬、区民葬の検討をするとよいでしょう。
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