家族葬とは?費用や流れ、注意点など家族葬について解説
家族が亡くなった際に、家族葬を執り行いたいと考えている人がいるでしょう。
ですが、家族葬を選択する場合、どのような点に注意すればよいのかよく分からずに悩んでしまうかもしれません。
この記事では、家族葬を選択する上で知っておきたい、家族葬とは何か、流れ、費用、メリット・デメリット、葬儀社を決めるポイントなどを解説します。
【本文ポイント】
・家族葬とは故人と近しい関係のある人だけで、小規模に行う葬儀のこと
・家族葬に必要な費用の目安は60万円〜100万円程度で、一般葬よりも安価で執り行えることが多い
・家族葬に呼ばない方に対しては、葬儀終了後に家族葬を行ったことを報告する
家族葬とは
まずは、家族葬がどのような葬儀形態なのかを理解しておきましょう。
家族葬とは何か
家族葬とは、家族、親族、友人・知人など、故人と近しい関係のある人たちだけで、小規模に行う葬儀のことです。「家族だけで行う葬儀」というわけではなく、どこまでの範囲の人を呼ぶのかなどの人数の制限についての明確な定義があるわけではありません。
葬儀の内容は、一般葬と同じように僧侶に読経してもらい、30名以下の参列者で執り行うのが一般的です。
一般葬では、遺族が参列者への挨拶や対応に追われて、故人をゆっくり見送れないといったことも起こりがちなため、「心を込めて見送りたい」「遺族の負担をできるだけ減らしたい」という考えから、家族葬が選ばれることが多くなっています。
家族葬の流れ
家族葬を執り行う際には、あらかじめ全体の流れを把握しておくと安心です。家族葬の流れについて、葬儀社への依頼から始まり、火葬に至るまでの経過を解説します。
葬儀社への依頼
家族が亡くなった際には、葬儀社に依頼をしなければなりません。
葬儀社を生前に選定している場合には、その葬儀社に亡くなったことを伝えましょう。葬儀社が決まっていない場合には、地域の実情に精通している葬儀社を選んで、安置と葬儀を依頼します。
どうしても葬儀社を決められない場合には、病院で紹介された葬儀社に搬送と安置のみを依頼することも可能です。
こちらの記事でも葬儀社の選び方について解説していますので合わせてご覧ください。
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搬送・安置
葬儀社が手配する寝台車が病院に来て、遺体を安置場所へ搬送します。安置場所は、自宅、葬儀場の安置室、葬儀社の安置室、遺体保管所などです。
近年は、介護施設でも居室や霊安室で安置できるところが増えています。葬儀を行うまでの間、安置場所に一時的に遺体を安置しておきます。
葬儀社との家族葬の打ち合わせ
遺体安置後に、葬儀社と家族葬の内容の打ち合わせを行います。決めなければならない主なことは、以下の通りです。
- 喪主
- 葬儀の日程
- 火葬の日程
- 葬儀会場
- 宗教・宗旨宗派
- 葬儀のプラン
- 葬儀費用
- 料理の内容
- 返礼品・香典返しの内容
- 遺影用写真
菩提寺がない場合には、葬儀社に相談すれば、宗旨宗派に沿った僧侶を紹介してくれます。
地方によっては、葬儀に独特の風習やしきたりがある場合もあります。地域の葬儀社ならしきたりや風習についても熟知しているので、分からないことがあれば遠慮なく葬儀社に聞いてみましょう。
葬儀日程の連絡
家族葬の詳細が決まったら、参列を希望する方に日時や会場を連絡します。どの程度の範囲まで参列してもらうかは、ケースバイケースです。
多くは、故人の配偶者と子供、両親、きょうだいとその家族までとなりますが、故人と親しかった友人・知人に参列してもらうこともあります。
また近親者だからといっても、関係性によっては参列を遠慮してもらいたい相手もいるでしょう。ただし、特別な事情がない限り、連絡して招待したほうが後々のトラブルを避けられます。
故人が会社員だった場合、勤めていた会社にも訃報を伝えなければなりません。その際には「葬儀は家族葬で行いますので、参列はご遠慮願います」とはっきり伝え、葬儀日程や会場は知らせないでおきましょう。
参列を希望しない方に対しても、この時点で訃報だけは伝えておいたほうが賢明です。中には後で訃報を知って、「なぜ早く知らせてくれなかった」と怒る方も少なくないからです。
故人の友人・知人に伝えきれなかった場合は、後日、「○月○日に逝去いたしました。葬儀は家族葬で執り行いました」といった挨拶状を作って、郵送で連絡するのが一般的です。
近年では、参列に当たっての香典や供物を遠慮してもらうことも多くなっています。香典などを辞退する場合は、葬儀日程の連絡の際に合わせて伝えるようにしましょう。
納棺
納棺の儀式は、安置場所で執り行われることが一般的です。葬儀社のスタッフや納棺師が行うことになりますが、家族が行うケースもあります。故人を副葬品と共に棺に納めます。ただし、金属製品、ガラス製品、水分の多い食品などは、燃えにくいために禁止されており注意が必要です。
通夜
通夜は、17時ごろから受付を開始し、18時ごろに開式することが一般的です。僧侶による読経、焼香、喪主の挨拶という流れで進行します。閉式後には、通夜振舞いと呼ばれる会食の席を設けます。
なお、家族葬ではごく少人数しか参列しないため、喪主の挨拶を省略することも多くなっています。
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葬儀・告別式
通夜の翌日に、葬儀・告別式を執り行います。家族葬の場合、規模は小さいものの、一般葬と流れは同様です。僧侶による読経、弔辞・弔電の紹介、焼香、喪主の挨拶という流れで進行します。閉式後には、棺の中に花を入れて最期の対面をする「お別れの儀」が行われます。
出棺
喪主が位牌、家族が遺影を持ち、棺を霊柩車に乗せた後に、喪主が挨拶をして出棺します。霊柩車は火葬場へ向かい、親族は自家用車やバスに分乗して行きます。
火葬
火葬前にも僧侶による読経、焼香を行います。その後、火葬を行い、親族は控室で待機します。火葬が終わると、遺骨を箸で拾って骨壷に納める「収骨」をして終了です。
家族葬の費用
地域や葬儀の規模によっても異なりますが、家族葬に掛かる費用の目安は、60万円〜100万円程度となっており、この中には葬儀費用、飲食費用、寺院費用などが含まれています。
一般葬に掛かる費用の目安が90万円〜130万円程度と言われています。地域によっても変わってきますが、家族葬は一般葬よりも費用が掛からないと言えるでしょう。
参列者の人数が少ない家族葬は、小さな式場で葬儀を執り行えます。葬儀の返礼品や精進落としなどの会食に掛かる金額も抑えられるので、葬儀全体の費用だけで見れば安価に思えます。
ですが、参列者が少なければ香典も少なくなるため、葬儀への負担額(持ち出し)は最終的に一般葬と変わらないといったこともあり得ます。
こちらの記事で家族葬の費用について解説していますので合わせてご覧ください。
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家族葬のメリット
家族葬には、一般葬にはないさまざまなメリットがあります。そのメリットを最大限に活用できるように内容を理解しておきましょう。
葬儀費用を抑えられる
家族葬は一般葬に比べて参列者が少ないため、葬儀に掛かる諸費用が少なくなるのがメリットです。会場の規模は、想定される参列者数に合わせて決まるため、参列者が少なくなる家族葬は小さくて済みます。その分、会場利用料が安くなります。
また参列者が少なければ、飲食費や返礼品費も抑えられるでしょう。
自由度の高い葬儀を執り行える
家族葬には、自由度の高い葬儀を執り行えるという特徴があります。一般葬の場合には参列者を広く受け入れるため、世間体などに配慮すると一般的な形態の葬儀になりがちです。
一方、家族葬には身内の人しか参列しないため、気兼ねなく自由度の高い葬儀にできます。例えば、受付や司会を身内で行ったり、食事の内容にこだわるなど、演出に工夫がしやすくなります。
お別れの時間を落ち着いて過ごせる
多くの参列者が集まる一般葬では、喪主や遺族は、挨拶、会食や返礼品の準備などの対応をしなければなりません。
故人の交友関係の全てを喪主や遺族が把握しているとは限らないため、精神的な負担も大きく、故人とのお別れの時間をゆっくりと静かに過ごすことが難しくなってしまいます。
一方、親しい人のみで執り行う家族葬の場合には、参列者の対応に追われることなく、お別れの時間を落ち着いて過ごせます。
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家族葬のデメリット
家族葬には、メリットだけではなくデメリットもあります。デメリットも理解して検討しましょう。
呼ばれなかった人が悲嘆を抱える
参列者を制限することのない一般葬とは違い、家族葬では、遺族が選んだ人だけに訃報を告知します。誰に声を掛けるかは自由ですが、後日訃報を知った人が、「最期に会いたかった」と悲嘆を抱え込んでしまうことがよくあります。
近年は、「葬儀は内々で済ませた」というケースが多くなっているため、知らされなかったからといって不満をあらわにする人は少なくなっていますが、故人を弔いたいという気持ちは汲み取りたいものです。
以下の記事でも家族葬で声をかける範囲について取り上げていますのでぜひご覧ください。
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葬儀後の弔問客が増えることがある
家族葬であったために、葬儀に参列したくてもできなかった人がいる可能性があります。参列できなかった人が、後日、喪主の自宅に弔問に訪れるかもしれません。
その場合は、弔問客の来訪に対応しなければなりませんし、香典返しの準備も必要になります。
弔問という形でなくても、電話やメール、LINEなどで「お悔やみの言葉」をもらうケースもあります。
葬儀後は、役所の手続きや遺品整理、相続関係の作業などに追われるため、弔問に対する対応に追われることがストレスになってしまうこともあります。
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香典の金額が少なくなる
家族葬では、一般葬に比べると参列者が少ないため、香典の金額は少なくなります。葬儀費用に当てられる香典が少ない分、遺族の負担が多くなることに注意が必要です。
香典の金額が少ないことを踏まえて、葬儀内容を考えましょう。
また、葬儀後に訃報を知った方から、香典(現金)ではなくお花や供物が送られてくることもあります。その場合でも香典返しが必要になってくるため、かえって金銭的負担が増えてしまうこともあります。
家族葬における注意点
家族葬を執り行う前に、遺族の注意点を確認しておけば、慌てることなく葬儀に臨めるでしょう。
ちなみに以前は、年配の方には家族葬がなじみがなく、「なぜ盛大な葬儀ではなく小規模なものにするのか」と、親族の理解を得られない場合がありましたが、コロナ禍で家族葬の認知が広がったため今ではこのような声も少なくなっています。
家族葬の参列者の範囲
家族葬の参列者の範囲に明確な決まりはないものの、ある程度はっきりさせておくと、トラブルにつながりにくいでしょう。
一般的には、故人の配偶者、両親、祖父母、きょうだいとその家族、子供とその家族などです。また、故人と特に親しかった友人・知人に参列をお願いすることもあります。
家族葬の訃報連絡
一般葬の場合は、訃報連絡する相手全員に、葬儀の案内を伝えます。一方、家族葬の訃報連絡は、参列してもらいたい人にだけに行うのが一般的です。ただし、葬儀に呼ばない近親者に対しては、家族葬として身内のみで葬儀を執り行う旨を伝えます。また、葬儀終了後に、家族葬を行ったことを伝えるという方法もあります。
故人が会社員であった場合には、会社に対しても訃報連絡をしなければなりません。その際には、家族葬であることを述べます。香典、弔電を辞退する場合には、併せて伝えましょう。
家族葬に呼ばない人への連絡
家族葬に呼ばない人に対しては、葬儀終了後に、家族葬を行ったことを報告します。葬儀前に訃報を伝える場合には、参列は控えてほしいこと、故人や遺族の意志で家族葬を行うことをはっきりと伝えましょう。
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まとめ
今回は、家族葬の費用やメリット・デメリットなどについて全般的に解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
家族葬は一般会葬者がいないために、気を遣う範囲も狭く、挨拶をする場面も少ないので、その分故人との最期の時間を有意義に過ごせるという点が大きな特徴であり、メリットです。
家族葬というスタイルは、今後ますます増えていくものと考えられます。それに伴って、葬儀社による家族葬に関連する商品やサービスの幅も広がりを見せていくでしょう。
いざというときになって、複数の葬儀社を訪ねてどのような家族葬ができるかや、見積もり比較をするのは時間的に困難です。余裕のあるうちに家族葬について式場見学や見積もり依頼をしておくとよいでしょう。
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