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終活の一環であるエンディングノートの書き方は?書く内容の例も紹介します

終活の一環であるエンディングノートの書き方は?書く内容の例も紹介します

「エンディングノート」という言葉が知られ始めたのは、今から10年ほど前のことと言われています。現在では、終活の一環として一般的に理解されるようになってきました。

しかし、実際にどんなものなのか、どういう内容を記せばよいのかなど、具体的な内容を把握している方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、エンディングノートに興味を持っている方や、遺したいと考えている方のために、エンディングノートの意義やメリット、書くべき内容や書き方などについてまとめました。

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終活の一環であるエンディングノートとは

「エンディングノート」とは、自分の人生の終末について記したノートのことで、自分の死が近くなった、あるいは亡くなった後のときのために備えて書くノートのことです。

自分自身の人生の記録と財産、交友関係や家族へのメッセージ、終末期医療や葬儀についての希望などをまとめておくことで、遺される家族に対して本人しか知らない情報を伝えることができます。

エンディングノートを書くのは普通のノートでも手紙形式でもいいですし、最近ではワードやエクセルを使ったり、サイトからダウンロードしたり、アプリを使ったりすることもできます。遺言書のような法的効力がないため気軽に書くことができ、何度でも書き直せるのもエンディングノートの特徴です。

また、エンディングノートを作ることで、自分自身の余生の送り方や最期の迎え方などについて、考え見直すきっかけにもなります。

エンディングノートが広く知られるようになったのは、2011年に同名のドキュメンタリー映画が公開された影響が強いと言われています。

映画の主人公は、末期がんで余命宣告を受け、残された人生を自分らしく生きるため、また遺される家族が困らないように、「自らの死の段取り」をノートに記したのです。

遺書や遺言書との違い

エンディングノートと混同されやすいのが、遺書や遺言書です。

遺書は自分の思いを記すという点では、エンディングノートに近い部分があります。

しかし、あくまで死を前提として書かれるもので、死期が迫っていなくても書くことのできるエンディングノートとは異なります。

エンディングノートは、財産について書くことは自由ですが、書かれていても法的な拘束力はありません。

一方遺言書は、遺産や相続について、生前に決めた内容を民法の規定に沿って書面化したものです。要件を満たして正しく作成されていないと無効になる恐れもありますが、遺言書の内容は法的効力を持ち、法律で定められた相続の規定よりも優先されます。

これに比べてエンディングノートは厳しい決まりはないので、法的な効力はありませんが、自由に気軽に書くことができます。

エンディングノートを残すメリット

エンディングノートを記す意義やメリットについて考えてみましょう。

自分の思いを伝えることができる

自分の思いを記して家族に伝えられるのがエンディングノートの大きなメリットです。

例えば、死期を迎えた場合に延命治療はどうすればよいのか、あるいはどんな葬儀を営めばよいのか、家族は頭を悩ますでしょう。

普段は話しにくい内容について、本人が元気なうちに具体的に記しておけば、家族の負担を軽減することが可能です。

さらに、家族や親しい人への感謝の気持ちなど、生前はなかなか言えない言葉を記すことができます。

生前整理ができる

エンディングノートを記す際には、資産の状況、生命保険をはじめとした「契約」を確認するとともに、これまでの人生も振り返ります。

市販のエンディングノートを入手して、項目に沿って記入するだけで、自分に関するさまざまなことを、一冊のノートにまとめることが可能です。

一冊にまとめていくことで、今現在の自分の経済状況を把握することができ、元気なうちに身辺をある程度片付けておく「生前整理」の一環にもなります

また、古い友人の連絡先など、忘れてしまいがちなことも記しておけば、備忘録としても活用できます。

特に、自分しか知らないような情報を整理して記入しておくことをお勧めします。死後に契約の解除などに対応する家族の負担を減らすことができます。

近年は故人が生前に契約・利用していたインターネット上の「デジタル遺品」への対応が複雑化しており、本人が亡くなって解約したくてもログインIDやパスワードが分からない、あるいは契約の存在そのものを遺族が把握していないというケースも見受けられます。

それらについてエンディングノートにまとめて記しておくことで、遺族の手間を大きく減らすことができるでしょう。

また、自分で判断できない状況になったときの介護や延命措置希望などを記載することもできます。

人生を振り返り、生前整理を意識することで、以降の人生を考える機会にもなるでしょう。

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エンディングノートを選ぶポイント

エンディングノートを入手する方法はいくつかあります。

書店などで購入するのが一般的ですが、インターネットからテンプレートをダウンロードして使用したり、専用のWebサービスやアプリを使って記録するという方法もあります。特に決まった書式があるわけではないので、一般的なノートに自由に書き込んでも問題ありません。

どんなことを書きたいのかによって選ぶとよいでしょう。

例えば、人生を振り返りたい場合には、自分史や履歴が書けるようになっているものを選び、葬儀や相続について希望するのもがある場合は、そういった項目が充実したものを選ぶのがお勧めです。

今後の人生の備忘録として使いたい場合は、銀行口座や保険を記入できるスペースがあるノートを選びます。

死後に遺族が手続きを行う際に必要な情報が書いてあれば遺された遺族への負担も軽減できます。

どのようにエンディングノートを活用してよいか分からない場合は、コラムや解説が載っているノートも使いやすく便利です。

ここではそれぞれの方法について説明します。

書店などで購入する

文字を手書きすることに抵抗がない方は、書店などでノートを購入するとよいでしょう。

市販のエンディングノートには、必要な項目がほとんど網羅されているので、何を書くか悩む心配はありません。

さまざまなサイズ、デザインのものがあるので、使いやすいサイズ、気に入ったデザインのものを選んでください。

記入後は、必要な時に家族が見つけやすいよう、エンディングノートの存在と保管場所を伝えておくことが必要です。

代表的なノート

  • コクヨ エンディングノート『もしもの時に役立つノート』

大手通販サイトで、売り上げ第1位になってこともある定番ノート。

必要な情報が詳細に書き込めるように項目が整理されています。CDなどの記録メディアを1枚収納できるケースがあるので、画像や動画を残すこともできます。

  • 終活ノート『マイ・ウェイ』

一般社団法人終活カウンセラー協会が制作したノートです。

厳選した内容で、高齢者や白内障の方でも見やすいように、色使いや文字の大きさ、レイアウトなどが工夫されています。

インターネットからダウンロードする

書式(テンプレート)をダウンロードして使用することで、エンディングノートをデジタルデータとして残すことができます。

気軽に書きこむことができるのがメリットですが、何らかの機材トラブルなどでデータを紛失するリスクもあるので、プリントアウトしたものも残しておくとより安心です。

また、デジタルデータの場合は、存在自体が家族に知られにくいので、ノートの存在と保管場所、必要ならパスワードも共有しておきましょう。

代表的なテンプレート

  • エンディングノート Office スタイル カタログ

https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13933

マイクロソフトによる公式テンプレートサイトなので、Officeを使用している人なら手軽に使用できます。

30ページの構成で、レイアウトが美しく、機能性に富んでいるのが魅力です。

  • エンディングノート無料ダウンロード版 日刊葬儀新聞社

http://recordasia.co.jp/funeral/free_endingnote.php

130ページというボリュームのあるノートです。

項目数が非常に多く、それぞれの項目を記入すれば詳細なエンディングノートを作成できます。

Webサービスやアプリを使う

スマートフォンの普及により、エンディングノート用のWebサービスやアプリも登場していて、無料のものもあります。

いつでもどこでも書くことができ、簡単に編集できること、動画なども取り込めるものも存在します。

ただし、機材トラブルや通信障害により不具合が生じたり、サービスの終了で使用できなくなる恐れもあります。個人情報を取り扱うため、悪用されるリスクを避けることも重要です。

このため、Webサービスやアプリは慎重に選び、普段からバックアップを作成してトラブルに備えてください。

万一のとき、家族がエンディングノートの存在を知らない、パスワードが分からなくてアプリにアクセスできないといったこともあるので、家族と情報共有しておくことも必要です。

また、無料版では機能が充分でなかったり、閲覧する際に手数料が掛かるなど完全無料ではなかったりするアプリもあります。利用規約をしっかりと確認した上で利用するようにしましょう。

エンディングノートの書き方と内容について

エンディングノートの内容や書き方は、決まった形式があるわけではありません。

ただし、終末期医療への対応や葬儀の希望、友人や知人の連絡先、貯蓄、保険、年金、貴重品についての情報は、整理して記入しておくと遺された家族の助けになります。

ここでは、一般的な記入内容について種類ごとに見ていくことにします。

自分について

生年月日をはじめ、本籍地、マイナンバーなどの個人情報に関することはまとめて記しておくと、役所などでの手続きがスムーズになります。

また、家系図やこれまでの人生についてなど、若い世代があまり知らないことも記入しておくとよいでしょう。

記入項目の例

生年月日、本籍地、家系図、マイナンバー、経歴、思い出話、人生観、趣味・特技、友人関係や好きな食べ物を記すのもお勧めです。

いろいろな項目を記載していくことで、自分の知らなかった一面に気付くきっかけにもなります。

危篤状態や亡くなったときに親族以外で連絡してほしい人がいれば、リストにして記しておくと家族の助けになります。

身の回りのこと

ひとり暮らしでペットと生活している場合は、ペットを誰に引き取ってもらうのか決めておく必要があります。ペットの性格や世話をする上での注意点なども書き添えておきましょう。

一方、デジタル関係の手続きを遺された家族が行うこともあります。

携帯電話やパソコン、インターネットのプロバイダの契約、SNSなどについても、アドレスやパスワード、退会手続きなどの操作方法をノートに記しておきましょう。

遺産について

エンディングノートには法的な拘束力はなく、遺産については遺言書が優先されます。

しかし、年金証書、保険証書、介護保険証や健康保険証、通帳と印鑑など、貴重品の保管場所を記しておくと、探す手間を省くことで家族の負担を軽減することができます。

また、遺言書の有無、保管場所と種類(自筆証書、公正証書、秘密証書) 、作成時に依頼した専門家の連絡先についても、明記しておきましょう。

記入項目の例

預貯金、金庫などに保管している現金、不動産、有価証券、貴金属、骨董品などのあるコレクションなど

医療・介護について

病気の末期症状や認知症によって自己判断が難しくなる前に、医療・介護についての希望を明記しておきます。

記入項目の例

希望する医療機関及・介護施設、希望する治療方法、延命治療の有無、臓器移植・角膜移植の提供など

葬儀・お墓について

亡くなった後にどういう葬儀を行ってもらいたいか、どのような形で埋葬してほしいかなど、希望がある場合はその内容を記載しておきましょう。

葬儀を知らせてほしい人がいれば、併せて記しておくとよいでしょう。

家族が検討する際の一助になりますので、元気なうちにまとめておくことをお勧めします。

記入項目の例

宗教・宗派、檀那寺、葬儀の形式(一般葬、家族葬など)、喪主、参列者、納骨の方法(墓地への納骨、散骨など)など

家族や親しい人へのメッセージ

一緒に暮らしていてもなかなか言い出せないこと、離れて暮らしている人や長く会っていない人への思いも、ノートに記しておきましょう。

親しい人へのメッセージは、動画にして残すのも一つの方法です。

連絡先

家族が交友関係の全てを把握していることは、ほとんどありません。万が一のとき、友人、知人の連絡先を一覧にしておけば、家族の負担は大きく軽減されます。

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まとめ

エンディングノートは、自分らしく残りの人生を過ごして終焉を迎える、遺される家族に余計な負担をかけないようにするために記します。

ノートは専用の市販品を購入するだけでなく、インターネットのサービスやスマホアプリを活用することも可能です。

自分自身のプロフィール、財産、交友関係などを見直して記入することで、人生を振り返り、これからの人生を考える機会となります。

また、終末期医療や介護、葬儀や埋葬についての希望、交友関係の連絡先などをまとめておけば、万が一の時に家族の負担を軽減できます。

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  • 日本テレビ「news every.」 / 特集:知りたい!/「終活」の話(2022年12月27日放送)
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