老衰で亡くなるとは?後悔しない最期のための準備や備えを解説
人は病気やけががなくとも年齢を重ねるにつれて心身が徐々に衰弱し、いずれ生命の維持が困難になり自然に亡くなります。
加齢による衰弱は少しずつ進行しますが、最期の日が近づくと日常生活にも変化や兆候が現れます。
この兆候に気づくことができれば、準備をすることで安心して最期を迎えることも可能です。
そこでこの記事では、老衰によって亡くなるまでの経過や必要となる準備などについて解説します。
最期を迎えるその時まで安心して過ごすための参考にしてください。
老衰とは
老衰死とは、加齢にともない全身の機能が少しずつ低下していき、生命の維持ができなくなった結果迎える死のことを指す言葉です。
厚生労働省の死亡診断書記入マニュアルでは「高齢者で他に記載すべき死亡原因のない、いわゆる自然死」を老衰死の定義としています。
老衰死を迎えようとしている方本人は、徐々に全身の機能が低下していくので死の直前になってもあまり苦しまないとされており、最終的には長い眠りについてそのまま穏やかな死を迎えるケースが多いようです。
厚生労働省の統計では、老衰死は昭和22年をピークに減少傾向が続いていましたが、平成 13年以降は死亡数・死亡率ともに増加しています(参考:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況 」)。
医療の進歩とともに超高齢と言われる90歳以上まで長生きして亡くなる人が増えたことが、老衰死が増加している要因とされているようです。
何歳から老衰死となるか
実際のところ、老衰死に当てはまる年齢については明確な定義はありません。
判断基準は医師によって異なり、死亡時の年齢が90歳以上であることを老衰死の基準とする医師が多いようですが、平均寿命を超えた方で他に死亡原因がないケースを老衰死と判断している医師もいるようです。
老衰死の兆候とは
老衰死が近づくと身体のさまざまな機能が低下するため、生活の中に兆候が現れます。
しかし身体の機能の一部が急に大きく崩れるということはなく、ゆっくりと生命を維持できないレベルに下がっていくので、本人が苦痛を感じることは少なく、家族も穏やかに最期の日まで見守ることができます。
筋肉や臓器の機能低下
老衰死の兆候として最初に現れるのは、筋肉や臓器の機能低下による変化です。
筋力の低下による握力や歩行速度の低下、転びやすくなるなどの変化が見られるようになります。
内蔵機能も低下して栄養をうまく吸収できなくなるため、見た目に分かるほど著しく体重が減少するケースが多いようです。
食事量の減少
老衰が進行すると、今までと同じ量の食事を摂取するのが困難になります。
そのため体重の減少が進み、加えて体力の低下に伴って食事量は徐々に減り続けてしまうことが多いようです。
さらに老衰が進むと飲み込む力も低下するため、食事を作る際には材料を細かく刻むなどの工夫が必要になります。
状況によっては、飲み込むのが簡単で栄養価の高い介護食に変更する必要も出てくるでしょう。
眠っている時間の増加
老衰の進行によって身体機能が低下すると、疲れやすくなって行動範囲も徐々に狭くなります。同時に脳の機能も低下するため、周囲の変化に無関心になり反応も鈍くなっていくようです。
ぼんやりとした状態で過ごすことが増え、最終的には、1日のほとんどを眠って過ごすようになります。
血流の低下
身体機能の低下は、血行不良を招きます。そのため、指先など体の末端から徐々に血の気が引いた状態になります。
手足が冷たいようなら、毛布などで体を温めるのが効果的で安全です。
電気毛布などは、やけどの危険性があるため使わない方がよいでしょう。
老衰死との向き合い方とは
老衰は少しずつ進んでいきますので、意識がはっきりしているうちに本人が希望を家族へしっかり伝えておくことが可能です。
逆に、家族が本人に確認しておくことも大切です。最期を迎えるその日まで穏やかに過ごすために、家族にできることもたくさんあります。
家族ができること
延命治療を行うことなく最期を迎える選択をした場合、本人がリラックスして過ごせる環境作り(生活の質の向上)が大切です。
生活の質の向上を目的とした医療的ケアのことを、ターミナルケア(終末期医療)といいますが、家族もその一端を担うことができます。
1日のほとんどを眠って過ごすようになっても、聴覚は最後まで残っていると言われていますので、好きな音楽をかけるのがよいかもしれません。
眠っているように見えても家族が話しかければ、理解していることもあるようです。
手を握るなどやさしく触れながら、思い出話をしたり感謝の言葉をかけたりするとよいでしょう。
また、本人が眠っている間も、手や足をマッサージすれば、手足のだるさも和らぎます。
食事を摂ることはできなくなっても、唇を湿らす程度なら水分を摂取することも可能です。
担当の医師に相談しながら、本人のために家族として何ができるのか考えてみてください。
最期のときの備え
老衰死が近づくと徐々に眠っている時間が増え、意識も混濁してきますので意思の疎通も困難になります。
延命治療の要否や葬儀について本人の希望があれば、早めの確認が必要です。
家族が本人の希望を聞いて確認したら、あとでトラブルにならないよう文書に記載しておいた方が確実でしょう。
利用したい葬儀社が決まっている場合は、資料を取り寄せるなどしておけば、いざというときに慌てることもありません。
また、意識がはっきりしているうちに写真を撮っておけば、思い出になるだけでなく自然な表情の遺影を用意することもできます。
もし、親戚や知人・友人など、会いたい方がいれば、早めに連絡を取って会わせてあげたほうがよいでしょう。
身体が弱れば弱るほど、生きる意欲や周りへの関心は薄れていってしまいます。
身内といえども死に関する話を切り出すのは難しいことですが、できれば本人が元気なうちに話し合っておいた方がよいでしょう。
老衰死に備えて事前にやるべきこと
心身ともに弱ってからでは、自分ができることも限られてしまいますので、いざというときのために元気なうちから終活を始めておけば安心です。
早めに家族と話し合っておくのもよいですし、何らかの形で書き残しておけばより確実でしょう。
エンディングノートを活用
自身の終末期についての希望や、亡くなった後のことについて書き記すノートがエンディングノートです。
エンディングノートの書き方に決まりはありませんので、思い浮かんだことをメモしておくこともできますし、ターミナルケアや葬儀に関する希望があれば、書き残しておくことで家族の負担を減らすこともできます。
市販のエンディングノートを利用すれば、必要な項目があらかじめ記載されていますので書き方に困ることもありません。
自身の死を意識してエンディングノートを書くことで、よりよく生きるためのヒントになることもあります。
人生を考えるための備忘録として、エンディングノートを書いてみてはいかがでしょうか。
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財産についての調査や確認
自分が亡くなった後で相続トラブルなどが起きないように、保有する財産について確認しておいたほうが賢明です。
株式などの金融資産の証券や不動産の登記簿などの保管場所をエンディングノートなどに記載しておけば、相続手続きの助けになります。
また、確認した資産を一覧にした財産目録を作成しておけば、相続税や財産分配の基礎資料としての利用も可能です。
相続人
一般的な両親と子供の世帯で父親が亡くなったなど、配偶者や子供が存命のケースでは、民法上の法定相続人は限られていますので、民法の相続規定にのっとって相続が行われれば問題は起きにくいでしょう。
しかし、老衰で亡くなるほど長命であった場合は、すでに子供が亡くなっているような事態も想定されます。
こういったケースでは、状況によって法定相続人の範囲が広がりますので、相続トラブルが起きやすくなります。
自分で相続人の確認が困難な場合は、行政書士などの専門家に調査を依頼した方が無難かもしれません。
遺言書の準備
保有する財産と相続人の確認を済ませたら、遺言書の作成が可能になります。
遺言書の作成は義務ではありませんが、財産が多い場合は相続トラブルを防ぐためにも作成しておいた方がよいでしょう。
遺言書は、一部を除いて自筆で作成する必要があるため、パソコンなどだけで作ることはできません。
遺言書を自分で作成することに不安がある場合や遺言の内容を確実に執行されるようにしたい場合は、法律の専門家である公証人による公正証書遺言の作成を検討しましょう。
公証人は病院や自宅を訪問することもできますので、判断力さえあれば口述による遺言書を作成することもできます。
また公正証書遺言は公証役場に保管されますので、紛失や隠匿、改ざんされる心配もありません。
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葬儀社を事前に決めておく
利用を希望する葬儀社が決まっている場合は、自分である程度葬儀の準備を行うことも可能です。
自分で葬儀社を決めたり準備を行ったりすることが困難な場合でも、意思表示ができるうちに家族に希望を伝えておけば葬儀社を選ぶ際の参考になります。
身内を亡くしてショックを受けている家族にとって、葬儀社の選定は大きな負担になりますので、できれば元気なうちに話し合っておいたほうがよいでしょう。
まとめ
老衰死は昔から大往生などと呼ばれ、天命を全うした立派な亡くなり方とされてきました。
苦痛を感じることなく安らかに最期を迎える老衰死であれば、家族の悲しみも少しは軽減されるかもしれません。
老衰はゆっくりと時間をかけて進行しますので、最期のときを迎えるまで家族にできることがたくさんあります。
家族が身体に触れて声を掛ければ、本人も安心して日々を過ごすことができるでしょう。
老衰死はその安らかな亡くなり方から「理想的な死」であるとも言われています。
亡くなる身内を見守ることは、家族にとってつらいことではありますが、できる限り最期まで寄り添ってください。
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