ホスピスとは?特徴とケア内容・費用を解説
ホスピスとは、人生の終末期を穏やかに過ごすための施設です。
人生の最期を迎える場所としてホスピスを選択肢の一つとして考えている方もいるでしょう。
今回の記事では、ホスピスとは何か、利用方法や費用、ホスピスの施設・在宅ケアなどについて紹介します。
ホスピスの利用を希望していて、情報を集めている方は参考にしてください。
ホスピスとは?
まずホスピスについて解説していきます。
ホスピスとは?
ホスピスとは、死期が迫った入居者の身体的・精神的苦痛を和らげ、人生の最期のときを穏やかに過ごすための看護を目的とした施設です。
かつて、日本では「ホスピス=病気の苦痛を和らげる治療」を指す言葉でしたが、現在では治療と施設、どちらも指す言葉として使われるようになりました。
今では、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でもホスピスと同程度のケアを受けることができます。
ホスピスが必要な人とは?
ホスピスが必要な人は、がんなどの病気を患い治癒する見込みがなく、病気の苦痛を和らげて最期のときを穏やかに過ごしたい方です。
入居を希望する方の年齢や病気の種類などによって受け入れを断られるということはありません。
しかし、認知症が進行している方や施設の状況によっては相談が必要となることもあります。
また、本人が自分の死期が近いということを理解し、治癒ではなく苦痛を和らげるための治療を受けることを希望していることが条件です。
置かれた状況を隠したまま入居することになると、スムーズな意思疎通が取れずに不信感を抱くことにもつながります。
ホスピスの意味から遠い、最期のときを過ごすことにもなりかねません。
なお、ホスピスが受けられる条件に当てはまっている方も、本人が希望しないのなら、施設に入居しなくても構いません。
ホスピスと緩和ケア・病院との違い
ここでは、ホスピスと緩和ケア・病院との違いについて解説していきます。
意味が似ているので混同して覚えることのないように気を付けましょう。
緩和ケアとの違いは?
ホスピスと緩和ケア、どちらも患者の苦痛を和らげるケアを目的としていますが、患者の病状に違いがあります。
ホスピスは死期が近い患者さん、緩和ケアはがんなどの根治治癒が難しい進行性の疾患を持つ患者(病期によらない)に対して提供されるものです。
しかし日本では、両者の区別を曖昧にすることも多いので、混同してしまうことがあります。
どちらも苦しみを和らげるケアが行われますが、緩和ケアは治る見込みがある方へ治療と並行してアプローチすることがあることに対して、ホスピスは余命宣告を受けた方が最期のときを穏やかに過ごすために看護が行われることを意味します。
病院との違いは?
ホスピスと病院は延命治療を目的としているか・していないかの違いがあります。
ホスピスは終末期を穏やかに過ごすことを目的としていますが、病院は病気を治すことや延命を目的とした治療を行います。
余命宣告を受けた人に無理やり延命治療を行うことが、ストレスや苦痛につながってしまうことも珍しくありません。
ホスピスは延命治療を目的とせず、痛みを和らげる治療のみを行い、穏やかな生活を送るためのサポートが行われます。
ホスピスの特徴
ホスピスの意味については分かりましたが、どのような特徴があるのでしょうか。
順番に解説していきます。
病気の治療が目的ではない
ホスピスは病気を完治させることを目指しているわけではなく、終末期を穏やかに過ごすことを目的としています。
病気によって引き起こされるさまざまな苦痛を軽減するためのケアは行いますが、延命のための治療は行いません。
患者に合わせたケアを重視する
ホスピスでは、患者一人ひとりに合わせたケアを行うので、ありのままで自分らしく終末期を過ごせます。
入居している全ての方に同じ対応を取るわけではありません。
体調が悪いときはゆっくり休む時間を取ることもできます。
患者さんの満足度も高く、心穏やかに最期のときを過ごせるでしょう。
家族がケアに参加可能
ホスピスでは、施設のスタッフだけでなく、家族もケアに参加することが可能です。
入居者とその家族の心理的負担を軽減しながら、終末期を穏やかに過ごすための対策が取られています。
中には、家族が泊まり込みで入居者の傍に滞在することを考慮した施設もあるようです。
新型コロナウイルスの影響から、感染症対策のため宿泊を一時停止している施設もあるので、気になる方は問い合わせて確認するとよいでしょう。
さまざまな種目のスタッフが連携
ホスピスでは、多職種のスタッフが連携を図り、充実したサポート体制が取られています。
医師、看護師、薬剤師、介護福祉士、心理士、ボランティアスタッフなど、幅広い職種の方が関わっています。
イベントがあり患者が楽しめる
ホスピスでは、毎日さまざまなイベントやレクリエーションが開催されているので退屈しません。
日常生活を送るようなアットホームな雰囲気もホスピスの特徴です。
ホスピスでの治療・ケアについて
ホスピスでの治療・ケアは、基本的にどのような対応が行われるのでしょうか。
以下、解説していきます。
患者の身体的な痛みを和らげる
ホスピスは入居者の身体的な痛みを和らげる治療・ケアが行われます。
延命治療はしませんが、痛みを軽減するためのサポートは行われます。
また、延命治療とその他の治療の違いについては曖昧な部分がありますが、医師と相談しながら決めていく形です。
状況によっては、医師の判断で鎮静薬を投与することもあります。
身体的なケアも、毎日24時間の対応が取られているので安心できます。
患者の精神的なサポート
ホスピスでは、終末期を安心して迎えるために入居者の精神的なサポートも担います。
死に対する不安を和らげることも残りの人生を健やかに過ごすためには大切なことです。
人によっては孤独感を覚えることがありますが、スタッフや家族が寄り添って献身的なケアを行います。
たわいもないお喋りをするだけで気持ちは軽くなるものです。
場合によっては、心理療法士によるカウンセリングを受けることもあるでしょう。
精神的なケアを行うことで、入居者は前向きな気持ちを抱き、新しい局面にも順応できるようになります。
患者家族のサポート
ホスピスでは、入居者本人だけではなく家族へのサポートも行われます。
終末期を迎えることは、本人だけでなく、家族も受け入れがたい事実と感じることもあります。
ホスピスになじみがない方は、どのようなケアが行われるのか不安になることもあるでしょう。
それらの状況にも対応するため、医師や看護スタッフだけでなくカウンセラーなどの専門職とも連携したケア体制がとられています
また、経済的負担を緩和するためのサポートが行われることもあります。
ホスピスの医療費についての相談、葬儀についての意向を確認、家族機能の代行など、家族の悩みに寄り添った支援が行われます。
希望すると社会的な申請を代行してくれるのも特徴です。
他にも、不安な点があれば相談でき、解決に向かうためのサポートをしてくれます。
ホスピスには、入居者家族に対しても負担をかけないような体制が取られているので安心です。
ホスピスを行う施設と特徴を解説
ホスピスを行う施設ごとに違いが見られます。
自分や家族に合った施設であるか知りたい方は、参考にしてみてください。
緩和ケア病棟
緩和ケア病棟は、病院内でホスピスを行う施設です。
病院で治療を受けていた方が、延命治療を希望しないとき、緩和ケア病棟へ移って終末期のケアを受けます。
メリットとしては、病気や治療法の連携が取れていて、移動するのも比較的簡単なことです。
新しく施設を探す必要もないので、本人や家族の負担も少ない傾向があります。
在宅緩和ケア
在宅緩和ケアは、在宅でホスピスを受けることです。
施設に入居することなく、利用者が日常生活を家族と過ごせるので、不安感や経済的負担も少なくできます。
定期的に医師と看護師が自宅を訪問し、ホスピスのケアを受ける形になります。
何かあった場合、いつでも駆け付けてくれるので安心です。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、本来なら介護サービスなどを提供する施設ですが、年々ホスピスに対応しているところも増えています。
ですが、生活を送る上で必要な介助を受けることから介護保険を利用することになり、入居するには介護認定を持つことが必須です。
介護保険を利用できないと、高額な支払いを求められることがあるので気を付けましょう。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、生活相談サービスが用意された高齢者のための住まいとなります。自立を前提とした「一般型」、介護サービスが受けられる「介護型」があり、ホスピスを受けることができる施設もあります。
プライベート空間が保たれているので、まるで自宅にいるような生活を送れるのが特徴的です。
ホスピスの費用を解説
ここでは、ホスピスに掛かる費用について紹介します。
緩和ケア病棟の費用
緩和ケア病棟では、健康保険が使えることから費用負担を抑えることができます。
具体的な費用については、利用する施設によって変動があるので一概には言えません。
なお、入院する場合は、入院料、食費、差額ベッド料が掛かります。
また、差額ベッド料(好条件となる個室や少人数部屋などを使用した場合に請求される大部屋との差額費用)は保険対象外となります。
在宅緩和ケアの費用
在宅緩和ケアは健康保険が使えるので、費用負担を抑えることができます。
主に、医師や看護師の定期的な訪問(訪問診療)に掛かる費用や必要に応じて必要になる薬への費用を支払う必要があります。
金額の目安としては、月6万円前後と言われています。
在宅でホスピスを受けることから入院費などは掛からないので、緩和ケア病棟を利用するより費用を抑えることができます。
ただし、費用を抑える分、家族に負担が掛かることについてもしっかり押さえておきましょう。
有料老人ホームの費用
有料老人ホームでホスピスを受ける場合、居住費、管理費、食費、医療・介護サービス費などの費用が掛かります。
地域や入居する部屋などの条件によっても異なりますが、費用は月30万円前後と見ることができます。
なお、医療・介護サービスを利用するほど費用も大きくなります。
サービス付き高齢者向け住宅の費用
サービス付き高齢者向け住宅では、居住費、管理費、食費、医療・介護サービス費などの費用が掛かります。
地域や入居する部屋などの条件によっても異なりますが、費用は30万円前後と見ることができます。
高額療養制度が使える
ホスピスでは「高額療養制度」が使えるので、費用負担を抑えられます。
高額療養費制度は1カ月で掛かった医療費の自己負担が高額になった場合において、一定の自己負担限度額を超えた分があとで払い戻しされる制度です。
場合によっては、払い戻しされるまでに3カ月以上の期間がかかることがありますが、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けておくことで、窓口ごとの支払い金額が自己負担限度額までになります。
ただし、差額ベッド代や先進医療など、健康保険が適用されないものに関しては高額療養費制度の対象外となります。
ホスピスは在宅・施設どちらがよいの?
ホスピスは在宅・施設で受けることができますが、それぞれメリット・デメリットがあります。
それぞれを解説しますので、ホスピスを利用したい方は参考にしてください。
在宅サービスのメリット
住宅サービスのメリットは、利用者が住み慣れた自宅でホスピスを受けられるので、その人らしい日常生活を送ることができる、ということです。
終末期に、家族と思い出を育む時間に使うことができます。
また、面会するために病院に通う必要がないので、家族の負担も減ります。
在宅サービスのデメリット
在宅サービスのデメリットは、何かあったとき、すぐに必要なケアを受けられない可能性があることです。
本人や家族が連絡をしてから医師が駆け付けるまでの時間を要します。
また、ケアをする負担が家族にのみかかりやすいこともデメリットの一つです。訪問型の介護などをうまく組み合わせる必要があります。
施設に入るメリット
施設に入ることのメリットは、医師、心理士、ボランティアスタッフなどさまざまな職種の方が連携を図りケアを行ってくれることです。
家族の負担を減らせるメリットもあります。
施設に入るデメリット
施設に入ることのデメリットは、経済的負担が大きくなりやすいことです。
施設に入居することになるので、在宅サービスと比べると費用が高くなります。
ホスピスに入居する方法
ここでは、ホスピスに入居する方法について紹介します。
ケアマネジャーに相談する
介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する方法があります。
自治体や他の介護サービス事業者との連絡を行ってくれるので、ホスピスの利用を希望している方にとっては心強い存在になります。
病院の主治医に相談する
かかりつけ医に相談する方法もあります。
わざわざ新たな場所に出向く必要がないので心理的な負担も軽いです。
かかりつけ医は、患者の病状を知っていることから、的確なアドバイスをくれることが期待できるでしょう。
病院のがん相談支援センターに相談する
病院のがん相談支援センターでも、ホスピスの相談を行うことができます。
厚生労働省が指定した施設ということで信頼性も高いです。
利用者さんが終末期を穏やかに過ごす上で、最善の選択となる方法を一緒に考えてくれます。
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターに相談することでも、ホスピスの支援を受けられる場合があります。
市町村が設置主体となっていて、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員を配置しているので、心強い存在となります。
在宅医療介護支援相談室に聞く
在宅医療介護支援相談室でもホスピスのことを相談できます。
医療・看護・介護の連携を図ります。
ホスピスの入居を行う施設を探している方が利用するのにお勧めです。
まとめ
ホスピスとは延命治療を行わず、終末期を穏やかに過ごすためのさまざまなケアが受けられる施設です。
ホスピスを利用するには「ケアマネジャー」「病院の主治医」「病院のがん相談支援センター」「地域包括支援センター」「在宅医療介護支援相談室」のいずれかに相談するようにしてください。
ホスピスは施設・在宅のどちらでもケアが行えますが、それぞれメリットデメリットがあります。
施設に入居するメリットは、医師やさまざまな専門職が連携しながら患者本人の近くにいてくれることですが、費用が大きくなりやすいのがデメリットです。
在宅ケアを利用するメリットは、終末期を家族と過ごせることに尽きますが、見方を変えると家族の負担が大きくなりやすいのがデメリットです。
費用については、利用する施設や条件などによっても異なりますが、高額療養制度が使えるのでそこまで金銭的負担にはなりません。
ホスピスの利用を希望している方は、情報を集めた上で最終的に自分に合った方法を選んでいきましょう。
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