宗派がわからない場合はどうすればいい?調べ方を解説
日本国内で行われる葬式の多くが仏式葬儀(仏教の葬儀)だと言われていますが、仏式といっても宗派によって葬儀の作法は異なります。
もし、自分の家の宗派を把握していないのであれば、きちんと宗派を知らなければなりません。葬儀を行う際だけでなく、先祖供養全般においても大切な事柄です。
本記事では、自分の家の宗派が分からない場合の宗派の調べ方について解説します。
宗派を調べる方法
自分の家の宗派を調べるにはどういった方法があるでしょうか。代表的な調べ方を以下に挙げていきます。
なお、ここでいう「自分の家の宗派」とは「その家の先祖代々の供養をしてくれているお寺の宗派」を指します。
親戚に尋ねる
昔は寺院との関係性が現在よりも密接だったため、年代が上の親戚は宗派を知っている可能性があります。
父方のきょうだいなど、親戚に尋ねてみましょう。
結婚により父親が母方の姓に変更しているケース(昔でいうところの婿入り)では、母方の親戚に尋ねます。
菩提寺(先祖代々の墓のある寺院)があるのならば、「それはどこの寺院なのか」「お墓や仏壇がどこにあるのか」「親の葬儀はどの寺院に依頼したか」といった情報を得られれば菩提寺が分かることで宗派を特定できます。同じ名称のお寺がある場合もめずらしくないので、所在地を確認するなどして間違いがないようにしましょう。
仏壇を確認する
仏壇にも宗派ごとの違いがあり、祀られている本尊やその両脇に配置される脇侍(わきじ・きょうじ)が何かを確認することで、宗派を特定することができます。
実家や祖父母宅、仏壇を継いでいる親戚の家などを訪問し、仏壇を見せてもらいましょう。各宗派の仏壇の特徴は次の通りです。
天台宗
本尊として阿弥陀如来(座像)が祀られていることが多く、脇侍がいる場合は向かって右側に天台大師智顗(ちぎ)の御影像(絵像)、左側に伝教大師最澄(さいちょう)の御影像が配置されます。
真言宗
本尊として大日如来、脇侍がいる場合は向かって右側に弘法大師の御影像、左側に不動明王の御影像が配置されます。仏壇が小さい場合には、空海か大日如来を本尊として、その両脇に位牌を配置する場合もあります。他の宗派と違い、向かって左に遠い先祖、右に近い先祖の位牌を安置します。
また、基本的に仏壇は南向きになるよう配置されます。
浄土宗
本尊として阿弥陀如来(光背が舟形をした立像タイプ)、「阿弥陀三尊」といって右に観音菩薩、左に勢至菩薩を祀ることもあります。脇侍がいる場合は向かって右側に善導大師の御影像、左側に法然上人の御影像が配置されます。また、南無阿弥陀仏の掛け軸を飾る場合もあります。
浄土真宗本願寺派
本尊として阿弥陀如来(48本の後光の線のうち本尊上側の端の線上にかかる後光の数が8本。仏像ではなく掛け軸が主流)、脇侍がいる場合には向かって右側に親鸞聖人の御影像、左側に蓮如上人の御影像が配置されます。
なお、浄土真宗の場合は、仏壇に位牌や遺影を配置しません。
真宗大谷派
本尊として阿弥陀如来(48本の後光の線のうち本尊の上側の端の線上にかかる後光の数が6本)、脇侍がいる場合は向かって右側に親鸞聖人の御影像または十字名号(帰命尽十方無碍光如来)、左側に蓮如上人の御影像または九字名号(南無不可思議光如来)が配置されます。大谷派では、亀の上に鶴が乗った鶴亀燭台を用いる場合もあります。
その他の浄土真宗の本願寺派・真宗大谷派の見分け方として、仏壇が伝統的な塗仏壇・唐木仏壇の場合、柱が金箔なら本願寺派(お西)、柱が黒塗りなら真宗大谷派(お東)という特徴があります。
なお、浄土真宗の場合は、仏壇に位牌や遺影を配置しません。
臨済宗
臨済宗の場合、本尊は明確に定まっていませんが、釈迦如来(座像)を本尊とする場合が多く見受けられます。その他、阿弥陀仏や大日如来が本尊として祀られる場合もあります。脇侍には、向かって右側に達磨大師の御影像、左側に観世音菩薩の御影像が配置されます。
曹洞宗
曹洞宗の場合、本尊には釈迦如来(座像)を祀り、脇侍には、向かって右側に承陽大師道元の御影像、左側に常済大師瑩山の御影像が配置されます。
日蓮宗
本尊として大曼荼羅(中心の題目「南無妙法蓮華経」の周囲に諸仏、諸神、仏弟子、学僧などの名を漢字や梵字で記したもの)、脇侍がいる場合は鬼子母神の御影像と大黒天の御影像が配置されます。(関西では向かって右側に鬼子母神、左側に大黒天。関東ではその逆)
仏壇の位牌を確認する
近年の位牌には、伝統的なものから近代的なデザインのものまでさまざまな種類がありますが、宗派による選び方の決まりはありません。
代わりに、位牌に記された戒名や、位牌の代わりに過去帳や法名軸が安置されている状況などから、宗派が分かることもあります。
戒名は本来2文字ですが、現在の戒名は法号(本来の戒名)の上に道号(仏道に励んだ称号、または宗派を表す)、法号の下に位号(位階や性別を表す)を付けた形で構成されています。道号の上にさらに院号(最上級の尊称)がつくこともあります。
例:〇〇院 □□(道号)△△(法号)信士(位号)
ここでは、位牌の書き方や戒名に特徴がある宗派を紹介します。
真言宗
戒名の上に大日如来を表す「ア」の梵字、子供の場合は地蔵菩薩を表す「カ」の梵字を入れることが多いです。
浄土宗
道号の上に誉号と呼ばれる「誉」の文字を付けます。戒名の上(院号がある場合はその直下)に「誉」の文字が確認できたら、浄土宗である可能性が高いでしょう。
日蓮宗
法号に「日」の文字が入り、道号に男性は「法」女性は「妙」の文字が入ることが多いです。先祖の戒名全てに「日」の文字が確認できたら、日蓮宗である可能性が高いでしょう。
浄土真宗(本願寺派・大谷派)
浄土真宗では位牌に故人の魂が宿るという考え方がありません。もし位牌の代わりに過去帳や法名軸が祀られている場合、浄土真宗であると判断できます。
また、浄土真宗では教義に基づき、戒名ではなく法名が授けられます(亡くなればすぐに成仏するとされるため、仏弟子としての名前である戒名は不要との考え方によります)。
法名の頭には、男性は「釈(釋)」、女性は「釈(釋)尼」を付けますが、近年は性差なく「釈(釋)」に統一されることも増えています。
お墓を確認する
お墓のデザイン(材質、形、色)に宗派ごとの違いはありませんが、彫刻されている内容から宗派を見分けられる場合があります。
ただし、今日では好きな言葉を刻むなど、自由度が増してきているため、必ずしも宗派を特定できるというわけではない点に注意しましょう。
天台宗
竿石(お墓の一番上に位置し、彫刻が施される部分の石)の正面の一番上、「先祖代々之墓」などと彫刻されているものの上に大日如来を表す「ア」や阿弥陀如来を表す「キリーク」という梵字を入れることが多い傾向です。
真言宗
竿石正面の一番上に大日如来を表す梵字(ア)が彫刻されていることが多い傾向です。また、真言宗の特徴的なお経である「南無大師遍照金剛」と彫刻されることもあります。
浄土宗
竿石正面の一番上に阿弥陀如来(キリーク)を表す梵字が彫刻されていることが多い傾向です。「南無阿弥陀仏」が彫刻されていることもあります。
浄土真宗(本願寺派・大谷派)
竿石の正面に「南無阿弥陀仏」あるいは「倶会一処(くえいっしょ)」と彫刻されていることが多い傾向です。
また、竿石の背面や墓誌(墓の脇に建てられる通常板状の石碑)に戒名ではなく、頭に「釈」「釈(尼)」が付けられた法名が彫刻されている場合、浄土真宗であると判断できます。
臨済宗・曹洞宗
竿石正面の一番上に円相と呼ばれる「〇」が、あるいは漢字の「空」と彫刻されていることが多い傾向です。「南無釈迦牟尼仏」と彫刻されていることもあります。
日蓮宗
竿石正面の一番上に「妙法」の2字が彫刻されていることが多い傾向です。「南無妙法蓮華経」と彫刻されていることもあります。
どの方法でも分からない場合
手を尽くして調べてみても、どうしても宗派が判明しないという場合もあるでしょう。
そうした場合には、親戚、とりわけ本家に当たる親戚の宗派に合わせるのも一つの選択肢です。
実際、家制度の影響が薄くなった今日でも、父方(母方の名字を継いでいる場合は母方)の家の宗派を受け継ぐことは一般的で、本家に当たる親戚の宗派と合わせることはむしろ自然と言えます。
あるいは、あらゆる意味で信仰の自由が保障されている現在では、自分たちで宗派を自由に選ぶとしても何ら問題はありません。
納骨先の縛りやこだわりが特になければ、近所の寺院の宗派にするというのでもよいですし、教義に感じるところや、共感できるところのある宗派があるのであればなおよいでしょう。
最後に
かつては、埋葬先は先祖代々の墓でしたし、お墓のお世話や節目の法要は各代の主人が行うものとされ、自分の家の宗派が不明という事態は起こりようもありませんでした。
しかし、跡継ぎという概念が消滅しつつある中、いざ親や家族の葬儀行う際に「うちは何宗?」という疑問に直面するという例もあります。
現代において、親と子は個別に独立しており、親のしてきたことを子が引き継ぐ義務はありません。
しかし家の宗派を知ることは、自分という存在が先祖から続いてきた一連の大きな流れの中にあるという感覚を与えてくれるよい機会ともなるでしょう。
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