納棺師とはどんな仕事?納棺師への依頼の仕方や相場も紹介
亡くなった人を棺に納める一連の処置は、「納棺の儀」として儀式化されています。古くは遺族や親族の手によって行われていましたが、今日では納棺師や納棺の経験を持つ葬儀社のスタッフが携わるのが一般的です。
本記事では、納棺師の仕事内容や、納棺師への依頼方法、依頼費用の相場などについて紹介します。
納棺師とは
納棺師とは、「遺体を棺に納める人」ですが、ただ棺の中に納めるのではなく、故人がきちんと身じまいした上で旅立てるよう準備する「納棺の儀」を担当します。納棺師の他には、湯灌師や復元納棺師と呼ばれることもあります。
ひと昔前までは、その存在すらあまり知られていなかった職業でしたが、納棺師となった主人公の成長を描いた映画『おくりびと』の大ヒットにより広く認知されるようになりました。
納棺師がどのように故人の身繕いをし、どの程度まで身なりを整えるかについては、厳密に決められているわけではなく、専門資格も存在しません。
また、通常の葬儀では納棺師の肩書を持つ人が納棺の儀を担当することは少なく、葬儀社のスタッフが納棺の儀の対応を行うことが多いです。
しかし、実際に遺体のケアを行うことになると専門性が求められる場面も多く、葬儀社で行う一連の業務のうち、納棺の仕事を切り出す形で納棺師に任せることが多くなってきました。湯灌の専門スタッフが、納棺師として湯灌や身支度からの流れで納棺まで担うことも増えています。
納棺師になるには、数は少ないですが対応している専門学校で学ぶ、納棺を請け負う専門業者に就職する、葬儀社に入社して納棺業務に携わりながら学ぶなどの方法があります。
納棺師の仕事とは
納棺師の仕事はどういった内容でしょうか。
納棺師の仕事は「遺体の身支度を整えること」
納棺師という名称ではあるものの、その仕事内容は、遺体を棺に納めることよりも、その前の段階である「遺体をきれいに整えること」が大半を占めます。
棺に横たわる故人の表情が安らかで、まるで眠っているかのようであれば、遺族は愛する家族を穏やかな気持ちで見送ることができるでしょう。
生前の闘病のつらさを思わせる苦しげな表情を和らげたり、事故死などで損傷のある遺体を整えるなど、遺族がショックを受けないよう、その心情に寄り添いながら故人の身支度を整えるのが納棺師の役割と言えます。
なお、納棺の儀全体としての所要時間は30分~90分程度が平均的です。
納棺師の仕事の種類
湯灌(ゆかん)
遺体をお湯で洗い清める湯灌は、古くより行われてきました。衛生面の目的だけでなく、無事成仏できるよう、生前の悩み、苦しみ、穢れを流し去るという仏教的な意味合いも持つ儀式です。
専用の浴槽を使い、洗髪まで含め全身を洗い清めるケースもあれば、アルコールを含ませた脱脂綿などで拭き清めるケースもあります。
清潔を保つ目的だけであれば、病院側で行うエンゼルケア(清拭、排泄物の除去、口腔ケアなど)で充分な場合がほとんどのため、湯灌は行わず清拭のみで終えることもあります。
身繕い
故人を死装束や希望する服装に着替えさせ、男性であればひげを剃る、女性であれば化粧を施すなどして身繕いを行います。死後硬直が始まっていれば、マッサージでほぐしながら進めます。
病院や介護施設側でエンゼルケアの一環としてこうした身繕いを行ってもらえる場合も多いですが、看護師や介護士による処置はあくまで死後措置の位置付けであり、納棺師による処置は、棺の中で眠る故人が最期のお別れの時まで綺麗な姿でいられるよう、細やかでより丁寧であるのが通常です。
傷跡をカバーしたり、口の中に綿を詰めることで頬をふっくらとさせ、表情を和らげるなどのさまざまな工夫により、遺族の記憶の中の故人の姿に近づけます。
遺体の腐敗を防ぐ
息を引き取った直後から、時間の経過とともに遺体は腐敗が進んでいきます。一般的にはドライアイスで遺体の温度を下げて、遺体が傷むのを遅らせます。これも納棺師の重要な仕事です。場合によっては、防腐液を使用して遺体の腐敗を防ぐ「エンバーミング」を施すこともあります。
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遺体を納棺する
身支度を終えた故人を、傷付けないよう細心の注意を払いながら納棺します。昔は遺族や親族の手で納棺しましたが、今日では遺族は手を添えるだけというケースがほとんどのようです。
納棺の際には遺族の意向を確認されるはずですので、「手伝いたい」などの希望があれば伝えましょう。
納棺師に向いている人
故人の最後の身支度を整え、遺体と向き合う納棺師。特殊な業務内容である納棺師は、どのような性格の人物に向いているのでしょうか。
納棺師とはその職業の特性上、嫌でも死と向き合うことが必要になる職業です。毎日のように遺体と向き合う納棺師には、強い精神力が必要になります。また、ある程度自分の中で死というものを受け止め、故人や遺族に感情移入し過ぎないことも納棺師に必要な能力です。場合によっては粛々と儀式を進めていくことも優しさになります。
一方で納棺師が向き合う遺体は、遺族の大切な家族です。深い悲しみに包まれた遺族の心に寄り添い、思いやりを持って仕事ができる人物が納棺師の仕事に向いていると言えるでしょう。
納棺師への依頼方法とは
納棺師に依頼するには、どのような方法があるでしょうか。
葬儀社からの紹介
多くの納棺師が葬儀社と提携しています。葬儀社の担当者に希望を伝え、提携納棺師を紹介してもらう流れがもっとも一般的です。なお、納棺師が社員として在籍している葬儀社もあります。
納棺師が経営する葬儀社を利用
納棺師が葬儀社のいわば下請けとして業務を行うのではなく、自ら葬儀社を運営しているケースも見られます。そうした葬儀社を利用すれば、当然、本職の納棺師による納棺の儀が前提となっていますので、特段の依頼や手配は必要ありません。
こういった会社は葬儀一式を請け負っているため、納棺の儀を中心とした葬儀一式を依頼することができます。
葬儀社の社員に任せる
葬儀社のスタッフの手により納棺の儀が行われる場合もあります。あくまで葬儀準備の一環となり、納棺の儀に特化した専門職ではありませんが、担当する以上は研修を受けて一定以上の知識や技術を習得しているはずです。
ただし、手厚く本格的な納棺の儀を遺族として望んでいるなら、専門の納棺師を手配できないかを確認してみましょう。
納棺師への依頼費用の相場とは
納棺師に依頼する際の費用の相場はどの程度でしょうか。
葬儀社に依頼する場合
葬儀社に依頼する場合、葬儀プラン費用に含まれていることも多いですが、その多くの場合は葬儀社のスタッフによる納棺であり、想定されている内容がごく簡易なものである可能性もあります。
清拭だけなのか湯船を使っての湯灌なのかで費用は変わってきます。また、着替えとメイク(死化粧)だけであればさらに費用が安くなるため、細かい部分まで事前に確認しておきましょう。
プランに標準で付帯しているサービス内容以上を希望するのであれば、担当者との相談が必要となってきます。故人の状態を踏まえてよく検討し、疑問があれば質問して内容に納得した上で依頼するようにしましょう。
葬儀社にもよりますが、湯船の中でシャワーを使って洗い清める大がかりな湯灌はオプション扱いとなり、8万円~10万円前後の追加費用が発生する場合が多いようです。
希望する納棺内容が葬儀プランに含まれているか、そうでない場合は料金がいくら掛かるかをしっかりと確認したうえでオプションを追加するようにしましょう。
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納棺師の運営する葬儀社に依頼する場合
この場合、納棺の儀だけを単独でお願いするのではなく、納棺師の運営する葬儀社への葬儀一式での依頼になります。
参列者のごく少ない家族葬の形式であれば40万円~100万円程度が相場と言われていて、一般的な葬儀社に葬儀を依頼するよりも、納棺の儀を手厚く行いお別れの時間に重点をおいた葬儀が行えます。
納棺の儀を重視するなら、その道のプロにお願いできるという安心感がある選択肢でしょう。
最後に
納棺の儀は、衛生面からの必要性や、故人にできる限りのことをしてあげたい遺族の気持ちがその土台にあります。
しかし、納棺の儀が果たす役割のうちで今日もっとも重視されるのは、大切な家族を失った遺族の心情に寄り添ったサポートでしょう。
お別れの顔を少しでも生前の故人に近づけるように処置を施すことや、最後の身の回りの世話を一緒に過ごすことは、遺族の深い悲しみを和らげてくれるグリーフケアであるとも言えます。
納棺の儀を納得のいく形で行うことで、悔いの残らないお別れに近づくのではないでしょうか。
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