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般若心経の意味とは?分かりやすく内容を紹介します

般若心経の意味とは?分かりやすく内容を紹介します

仏教にはいくつものお経がありますが、そのうち日本人にもっとも知られているのは、おそらく「般若心経」です。

宗派にもよりますが、葬儀や法要でも般若心経はよく読まれますので、名前は知らずとも、多くの方がどこかで耳にしたことがあるお経だと思います。

しかし有名なお経ではあるものの、般若心経の意味までご存知の方は少ないでしょう。 そこで今回は、般若心経の意味や内容について紹介してまいります。

般若心経(般若波羅蜜多心経)とは

お経とは「お釈迦様の教えをまとめた経典」のことを意味しており、般若心経もそのひとつです。 最初に般若心経とはどういうお経なのか、その概略を見ていきましょう。

般若心経とは

般若心経(はんにゃしんぎょう)は略された呼称で、正式な名称は「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう」です。

般若心経自体が略された呼称なのですが、さらに略されて「心経(しんぎょう」と呼ばれることもあります。

般若心経は本文260文字程度から成り、お経としてはとても短いながらも、お釈迦様の教えにおける重要かつ、本質的な要素が詰まっていると言われています。

260文字程度の般若心経ですが、大きく分けて4つのパートから成り立っています。

  • 第1のパート:観音菩薩が悟ったことについて述べたところ
  • 第2のパート:観音菩薩がシャーリプトラへ「空」の思想を語り始める場面
  •  
  • 第3のパート:さらに深く「空」の思想を伝える場面
  • 第4のパート:悟りを開くための「真言(マントラ)」という特別な言葉が唱えられる

般若心経が読まれる宗派は

般若心経は色々な宗派で読まれており、般若心経を読むことのある主な宗派は下記のとおりです。

  • 真言宗
  • 天台宗
  • 曹洞宗
  • 日蓮宗
  • 浄土宗

反対に般若心経を読むことのない宗派は主に浄土真宗と日蓮宗です。 浄土真宗で般若心経が読まれない理由は、般若心経が「自力本願の教え」であるからだといわれています。

浄土真宗の教えとは、阿弥陀様の導きによって悟りの世界に行くことが出来るとされるもので、つまりは「他力本願の教え」です。

したがいまして、自力本願の教えである般若心経は、浄土真宗の教えに反しているということになります。

また、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」という題目に表されるように、「妙法蓮華経」にのみ心身を委ね悟りを開くという教えであるため、般若心経を読むことはありません。

般若心経の意味とは

般若心経の正式名称は「般若波羅蜜多心経」ですが、分解しますとそれぞれ次のような意味があります。

  • 般若(はんにゃ):智慧(ちえ)、真実や本質を見抜く力
  • 波羅蜜多(はらみた):彼岸(悟りの境地)にいたる
  • 心経(しんぎょう):大切な教え

つまり般若心経は「真実や本質を見抜く力によって悟りの境地にいたるための大切な教え」という意味を持っています。

この大切な教えとして「空」の思想に基づいて、現世の苦しみから解放されて安らかに生きていくためにはどうしたら良いかを般若心経のなかで伝えています。

般若心経の由来と歴史とは

仏教は、開祖であるお釈迦様が誕生した古代インドが発祥の地ですので、般若心経も同地をルーツとしています。

もともと、古代インドの言葉(サンスクリット語)を用いて伝えられていた般若心経は、他のお経と同様に他の地域や他の国へと伝承されていくなかで、様々な言語に訳されていきます。

日本に伝わっている般若心経は、中国において唐の時代(西暦600年~)に活躍した玄奘(げんじょう)という僧侶が、中国語に訳してインド地方から持ち帰ってきたものが由来といわれています。

お経の多くが中国語に訳され、そのまま日本に入ってきているため、漢字で表記されているのです。

なお、玄奘という僧侶は三蔵法師とも呼ばれ、テレビドラマなどの題材としても著名な「西遊記」のモデルになっている人物です。

「空」の概念とは

般若心経において、特に重要なのは「空」の思想です。ここでは「空」の概念に関する主なポイントを紹介いたします。

大乗仏教の思想

仏教は、大別して小乗仏教と大乗仏教に分けられます。

小乗仏教は、一部の人(仏教の修行をしている人)のみが悟りの境地に辿り着く教えであるのに対して、大乗仏教は全ての人(仏教の修行をしている人も、そうでない人も)が悟りの境地に辿り着くための教えです。

空の思想には個別の物事に捉われない、執着しないという考え方があり、般若心経の考え方は大乗仏教の範疇に属します。

全ての物事は変化していく

「空」は「からっぽ」という意味ではなく「実体がない(定まった形がない)」ことを意味しています。

般若心経では「全ての物事は変化し続ける」そして「変化し続けるが物事の本質(核)は変わらず存在する」ということも伝えています。

たとえば「老いて外観や様々な能力が低下しようとも、周囲からどう評価されようとも、良い気分または良くない気分だろうとも、私は私」という考え方です。

言い換えれば、変化という現象に捉われず、本質に気付きなさいという教えです。

物事の尺度や価値観

「空」は「実体がない(定まった形がない)」ことを意味していますので、物事に執着したり、ひとつの価値観に捉われてしまう必要はないということも教えています。

たとえばダイヤモンドを美しいと思うのは、ダイヤモンドが初めから美しいのではなく、人間が勝手に美しいと決めているだけであり、またその美しいと感じる心の動きも人それぞれで、定まった評価があるわけでもないということです。

般若心経の流れと内容とは

最後に般若心経の全文と、般若心経全体の流れや内容が分かるように現代語訳を紹介してまいります。 なお、全文に読み方を併記していますが、宗派や寺院によって読み方に多少の違いがありますことはご了承いただければと思います。

般若心経全文

観自在菩薩       行深般若波羅蜜多時
かんじーざいぼーさつ ぎょうじんはんにゃーはーらーみたーじー

照見五蘊皆空         度一切苦厄
しょうけんごーうんかいくう どーいっさいくーやく

舍利子      色不異空      空不異色
しゃーりーしー しきふーいーくう くうふーいーしき

色即是空      空即是色      受想行識       亦復如是
しきそくぜーくう くうそくぜーしき じゅーそうぎょうしき やくぶーにょーぜー

舍利子      是諸法空相       不生不滅       不垢不浄
しゃーりーしー ぜーしょーほうくうそう ふーしょうふーめつ ふーくーふーじょう

不増不減      是故空中       無色    無受想行識
ふーぞうふーげん ぜーこーくうちゅう むーしき  むーじゅーそうぎょうしき

無眼耳鼻舌身意         無色聲香味触法
むーげんにーびーぜっしんいー むーしきしょうこうみそくほう 無眼界    

乃至無意識界        無無明     亦無無明尽
むーげんかい ないしーむーいーしきかい むーむーみょう やくむーむーみょうじん

乃至無老死       亦無老死尽      
ないしーむーろうしー やくむーろうしーじん

無苦集滅道        無智亦無得       以無所得故
むーくーしゅうめつどう むーちーやくむーとく  いーむーしょとくこう

菩提薩埵     依般若波羅蜜多故
ぼーだいさったー えーはんにゃーはーらーみたーこー

心無罣礙      無罣礙故      無有恐怖
しんむーけーげー むーけーげーこー むーうーくーふー

遠離一切顛倒夢想          究竟涅槃
おんりーいっさいてんどうむーそう くーぎょうねーはん

三世諸仏       依般若波羅蜜多故
さんぜーしょーぶつ えーはんにゃーはーらーみーたこー

得阿耨多羅三藐三菩提             故知般若波羅蜜多
とくあーのくたーらーさんみゃくさんぼーだい こーちーはんにゃーはらーらーみーたー

是大神呪      是大明呪        是無上呪
ぜーだいじんしゅー ぜーだいみょうしゅー ぜーむーじょーしゅー

是無等等呪        能除一切苦        真実不虚
ぜーむーとうどうしゅー のうじょーいっさいくー  しんじつふーこー

故説般若波羅蜜多呪             即説呪曰 
こーせつはんにゃーはーらーみーたーしゅー そくせつしゅーわつ

羯諦羯諦        波羅羯諦      
ぎゃーてーぎゃーてー はーらーぎゃーてー

波羅僧羯諦       菩提薩婆訶
はらそーぎゃーてー  ぼじそーわーかー

般若心経
はんにゃしんぎょう

般若心経の流れと内容

上記で紹介いたしました般若心経の全文を、現代の言葉に訳すと次のようになります。

「観音菩薩は真理を悟る修行につとめるなかで、ある真実に辿り着いた。その真実とは私たちを構成するあらゆるものは「空(実体がないこと)」であるということである。

そして、この気づきによって観音菩薩は全ての苦しみから解放されたのである。シャーリプトラよ、形あるものは実体がないことと同じであり、実体がないからこそ一時的な形あるものとして存在する。

そして形あるものは即ち実体無きものであり、実体がないことが即ち形あるものとなっているのである。我々の何かを感じたり、欲したりする心の動きもまた空なのである。

シャーリプトラよ、この世のあらゆる物事は空なのであるから、生ずることなく滅することもなく、汚れることも汚れないこともなく、増えもせず減りもすることはない。

心身ともにすべては空であり、実体は存在しない。つまり視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、心といったものも存在しないのである。

そして、これらの感覚が存在しないのであるから、これを受け取ることではたらく意識や思考も存在しない。

見て感じるということもないし、迷うことも迷いがなくなることもない。また老いて死ぬこともないし、老いて死ぬということがなくなることもない。

苦しみも、苦しみの原因となる迷いも消え去ることもないし、その方法もない。そして知ることも得ることもない。 だから、得ることがないことを理解し、悟りを開く者は物事の本質に依るため、心に妨げ(固定的観念、物事に執着する気持ち、色眼鏡)となるものがない。

心に妨げがないために、恐れることもない。誤った考え方から距離を置くことで、平穏な心でいることができる。

あらゆる仏様は物事の本質を知ることによって、この上ない完全なる悟りを得ている。 したがって知るべきである、仏の智慧とは、偉大な力を持つ真言であり、偉大な悟りの真言であり、最上の真言であり、唯一無二の真言であり、全ての苦しみを取り除き、偽りなく真実であるということを。 そしてここに仏の智慧、教えである真言を伝える。

ぎゃーてー ぎゃーてー はーらーぎゃーてー はらそーぎゃーてー ぼじそーわかー
(往きて往きて、彼岸に往けるもの、彼岸に辿り着きし僧侶、悟りの境地へ)

これが仏の智慧であり、大切な教えである。」

最後に

今回は般若心経の意味や内容について紹介してまいりました。

般若心経のもっとも象徴的である部分は「空」の思想です。 何事にも捉われず、既存の価値観に縛られず、表面的な現象ではなく物事の本質を知ろうとすることなど、古代に作られた教えですが、現代に生きる私たちにも通じる重要なことを般若心経は伝えています。

時代を超えて重用されているのは、般若心経が至極普遍的な内容だからなのでしょう。

葬儀に参列した際など、般若心経を聴く機会がありましたら、改めてじっくり耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

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