葬儀に降る雨の意味・傘以外の持ち物も紹介

お葬式の当日が雨になると、いろいろな面で心づもりしなければいけないことがありますし、葬儀当日の天候には、いろいろな心情を思う人もいます。

そもそも、「雨の日に葬儀を行うの？」と心配する人もいます。

この記事では、お葬式の当日の雨について、心理的な面と実務面の両面でその対応と対処を押さえたいと思います。心情的な意味の「涙雨」などの意味についても触れておきましょう。

同時に悪天候での会葬に必要な持ち物なども、アドバイスします。

なお、今回の記事では葬儀社の葬祭ホール等で葬儀を施行することを前提としています。自宅葬や菩提寺の本堂などで営むケースは、別にまとめています。

葬儀で雨が降ったらどうなる？

まず、葬儀で雨が降ったときの基本的な知識を紹介します。

気を付ける部分を押さえていきましょう。

一般的には雨が降っても通常通り行われる

基本的に、葬儀は雨が降った場合でも通常通りに行われます。

よほどの悪天候でない限り、延期されることはありません。

天気予報は数日前から分かりますが、晴れの予報が出ていても予報が外れて雨が降ることもあります。

会葬する側も、当日に備えて必要な持ち物を準備してください。

葬儀社などの葬祭ホールでは傘を使うシーンはほとんどない

葬儀や告別式は室内で行われるため、雨であっても傘を使うシーンはほとんどありません。

必要となるのは、行き帰りの道中や移動のタイミングです。

小雨だからと言って傘をささないと、喪服が濡れます。

タオルなども持っていないと、雨水を拭き取ることができず、葬儀のときに隣の人に迷惑をかけてしまいます。特に、雨風が強い場合は、傘をさしていても横から雨がかかりやすいので注意が必要です。

雨の日の通夜や式に出向く場合は、時間の余裕を見て、雨水対策をしておきましょう。この後の項目で雨の日に使用するアイテムや雨の日を乗り切るコツを紹介していますので、参考にしてください。

葬儀で降る雨は「涙雨」と呼ばれる

葬儀の日に降る雨は「涙雨(なみだあめ)」と呼ばれていて、特別な意味があります。

どのような、意味があるのかを、詳しく紹介します。

涙雨：故人があの世で涙を流しているなどの意味がある

雨は涙に例えられるように、悲しみを表す情景となります。ただし、故人の「無念さ」を表現したりすることもあるので、遺族の悲嘆を考慮して、あまりそういう点に触れないようにします。また、故人を失うことが、遺族だけでなく、世間や社会にとって大きな損失であるような場合、「天そのものが故人を偲んで泣いている」など、故人をたたえる手向けの言葉として使うこともあります。

他にも、涙雨には「ほんの少し降る雨」という意味もあります。

葬儀ではよい意味で解釈する

葬儀での涙雨は、基本的によい意味で解釈することができます。ですが、日本では雨は恵みをもたらすものでもあり、吉兆とみなす向きもあるので、凶事である葬儀に安易には使用しません。

むしろ、葬儀時に雨が上がることを、故人の遺徳とたたえることの方が、自然かもしれません。

そのため、お悔やみの言葉に添えるようなときには注意が必要です。

ただ、遺族にとっては、雨もまた葬儀の情景として深く印象付けられるかもしれません。

葬儀で雨が降ったとしても、悪い意味ではないので落ち込む必要は全くありません。

雨の日の葬儀の持ち物5つ

雨の日にそろえておきたい持ち物を紹介します。

できるだけ、前日までに準備しておきましょう。

傘

雨の日に必ず持っていきたいのが傘です。行き帰りや移動のタイミングで使います。

普通の傘、折りたたみ傘、どちらを選んでも構いません。

いずれにしても、手荷物となります。ホールなどのクロークでは、なかなか個別の預かりはしてくれませんので、間違えないように目印を付けておく工夫も必要です。また、式中に雨が止むと置き忘れをすることも多くなります。式場内に持ち込むような場合には、折りたたみ傘の方がよいかもしれません。

しばらく使っていない傘は、壊れていることもあるので、一度開いて確認しておくことをお勧めします。

黒色・ビニール傘が無難

傘の色は黒色を選ぶのが無難です。また、ビニール傘も使うことができます。

黒色は喪服に合っていて周りから浮いて見えることもありません。

黒色がないときは、グレー、紺などのダークカラーを選ぶのがお勧めです。

赤、ピンクなどの派手な色合いのものは避けるようにしてください。また、カラフルな花柄などの目立つデザインも控えましょう。

ビニール傘はシンプルなデザインのため、葬儀のときにも使うことができます。

しかし、他の人と被りやすいため、どれが自分のものか分からなくなるのを避けるために持ち手に何か目印を付けるのもお勧めです。

タオル

雨の日は、傘をさしても濡れることがあるので、タオルを用意しましょう。

自分に使うことはもちろん、他の人にも貸すこともできます。

タオルは、キャラクターが描かれたものや派手なデザインの柄物は避け、白色のものが無難です。

他にも、タオルの代わりに何枚かハンカチを持っていく方法もあります。

ビニール袋

ビニール袋があると、雨で濡れたものを入れておくのに役立ちます。

他のものに汚れが移ることも防げます。

折りたたみ傘を持っていく場合、専用の傘袋があればなおいいでしょう。

カバンの中が濡れずに済みます。

靴下やストッキングの予備

雨の日は、靴下やストッキングの予備を用意しておくことをお勧めします。

濡れた場合に、途中で取り替えることができるからです。

替えがないと、汚れたものをそのまま着用しなければなりません。和室のように靴を脱いで上がることもあります。

ストッキングは万が一、伝線したときにも取り替えることができます。

レインブーツ・レインコート

傘の代わりにレインブーツ・レインコートも着用しても構いません。

両手が空くので、荷物が多い方、子供を連れている方にお勧めです。

雨風が強いときほど重宝するアイテムとなります。

また、レインコートを着ると防水対策が行えるので、喪服が高級でも安心です。

色はグレー・黒・紺が無難

レインブーツ・レインコートを着用する場合、色はグレー・黒・紺を選ぶのが無難です。

派手で目立つものは避けるようにしてください。

また、レインコートを脱ぐときは、周りに雨水を垂らさないように、大きなビニール袋を持参するのがおすすめです。

レインブーツの場合はパンプス・革靴を持参する

レインブーツを着用する場合、通夜や式に参列することを見越して、服装に合わせた靴を持参してください。

斎場内で履き替えることができます。

斎場以外での参列となる場合の対応

参列する葬儀によっては葬祭ホール以外が会場となる場合もあります。

喪主として対応する場合には下記の点に注意しましょう。

自宅葬儀の場合

外回りのテントなどの増設や、備品として傘立てなどを葬儀社に用意してもらうこともあります。雨天の方が経費が掛かるものと思ってください。悪天候が予想される場合は、葬儀社とよく話し合っていく必要があります（台風接近が予測されているような場合など）。

寺院葬儀の場合

境内に専用の葬祭ホールを有していれば問題はありませんが、本堂などで葬儀を行う場合、お寺の設備を踏まえて、追加備品（テントや傘立てなど）を用意しなければなりません。

式への会葬者が多数予想されるときは、傘の預かりなども必要ですし、ビニールの傘袋などは整理券で自己管理してもらう方法もあります。これらも雨天が予想される場合、あらかじめ見積もりの計上してもらうようにしましょう。

雨の日の葬儀で失敗しないコツ3つ

最後に、雨の日に失敗しないためのコツを紹介します。

遠方から参列する予定の方は、ポイントをしっかり押さえていきましょう。

葬儀式場にクロークがあるか確認する

雨の日に失敗しないコツは、葬儀式場に荷物の一時預かり所があるかどうかや、着替えができる控室などがあるかを確認することです。

特にレインコート・レインブーツを着用するなら、預ける場所があると便利です。

ビニール袋に入れたものを、まとめて預かってもらえます。

荷物が多くなりそうなときも、クロークの有無を確認しておくと安心できます。

革靴に防水スプレーを使う

革靴を履くときは、事前に防水スプレーをかけておくといいでしょう。

靴に雨水が染みて痛むことを防げます。

ただし、防水スプレーを使うと、数十分は乾燥させる時間が必要です。

葬儀の当日であれば、慌ただしくて、ゆっくり準備できないので、前日までに済ませておくことが望ましいです。

タクシーを利用すると濡れずに済む

傘をさしても風が強いと喪服が濡れることがあります。雨の日に葬儀に参列するときは、徒歩ではなくタクシーを利用すると濡れずに済みます。これも雨天時には拾いにくいこともありますので、やはり時間の余裕は必要です。

バスや電車などの交通機関を使っても、最寄りの駅やバス停からは徒歩になる場合もあります。喪服がびしょ濡れになると、葬儀に集中することができません。

タクシー利用が最適ですが、最寄り駅にタクシー乗り場がないときもありますので、スマホアプリなどを利用しての配車の手配も考えておきましょう。また同じように行く人がいれば、相乗りで行くことも一案です。

また、タクシー以外にも、誰かに送迎を頼んで車を出してもらう方法もありますが、なるべく遺族の負担にならないように配慮することがマナーです。

雨の日の葬儀では、極力濡れずに済む対策を取ることをお勧めします。

まとめ

雨の日でも、よほどのことがない限り葬儀は通常通り行われます。

葬祭ホールでは傘を使うシーンはほとんどありませんので、その行き帰りの行程を考慮してください。雨に濡れないためにタクシーを上手に利用するのがお勧めです。

葬儀の日に雨が降ることを「涙雨」と言い、故人があの世で涙を流しているなどの意味合いがあります。ただしうかつには使わないでおく方が無難です。

雨の日に便利な持ち物は「傘」「タオル」「ビニール袋」「靴下や予備のストッキング」「レインブーツ・レインコート」です。

傘、タオル、レインブーツ・レインコートを持っていく場合の色は、色目やデザインはシンプルなものを選んでください。

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