菩提寺とはどういうもの?変更はできるのかなどを解説
菩提寺(ぼだいじ)とは先祖代々のお墓があるお寺を指します。
身近な人が亡くなったとき、その存在を改めて意識するかと思います。
もしものときに備えて、菩提寺について詳しく知りたい方も多いでしょう。
今回の記事では、菩提寺とは何か、菩提寺の変更や菩提寺が分からないときの対応、菩提寺での葬儀・法要について解説します。
菩提寺とは何か
まずは菩提寺について説明します。
菩提寺とは何か
菩提寺(ぼだいじ)とは、位牌を納めて先祖代々のお墓を供養してもらうお寺で、死後の冥福を祈ってお経をあげてもらいます。先祖代々からその一家がお寺の宗旨に帰依(仏を信仰し、教えを乞うて仏教の教えのまま生きること)し、そこのお寺にお墓を定めることで、お葬儀や追善供養を営み故人の菩提を弔うお寺のことです。江戸時代の檀家制度をきっかけに爆発的に菩提寺を持つことが民間に普及していきました。
菩提とは、サンスクリット語で「安らかな悟り」「めざめ」を意味する言葉に漢字を当てたものです。
古代・中世では、一般的に氏寺と呼ばれていましたが、現在では菩提所とも言われることもあります。
菩提寺の歴史は、キリスト教禁止令が始まった1612年にさかのぼります。キリスト教徒ではない証明として檀家制度が全国で広まったことが起源と言われています。
日本に広まった仏教には、さまざまな宗派が存在しています。お寺もたくさんの種類があり、建てられた理由も千差万別ですが、先祖を弔うことを目的として建てられたものが菩提寺となったのです。
現在は社会情勢もあって菩提寺との関係性は薄くなってきていますが、ほとんどの方が家系として菩提寺を持っていて、葬儀や法要を行う際にはそのお寺にお願いすることが通例です。それだけ菩提寺との関係は特別なもので、日常の仏事において分からないことに相談に乗ってもらえるだけでなく、お盆などの繁忙期でも、優先して対応してもらえるのが菩提寺です。
ですが前述したように、現在は菩提寺との関係性が薄くなっていることから、故人が都心で亡くなった場合、葬儀や法要を葬儀社の手配で手続きを進めることも多くなっています。そして、葬儀や法要を菩提寺にお願いしなかったために出てくる問題も増えてきています。それは、葬儀後に戒名の付け替えを菩提寺から要求されるケースです。これは、寺院墓地には、同じ宗派でなければ納骨できない規則があるためです。
もしものときに備えて、自分の菩提寺を知っておくことが大切です。
また、菩提寺に似ている言葉として檀那寺(だんなでら)がありますが、意味が異なるので、注意してください。
菩提寺と檀那寺との違い
菩提寺と檀那寺との違いはどこにあるのでしょうか。
菩提寺は「先祖代々のお墓があるお寺」、檀那寺は「自分が檀家であるお寺」を指します。
お布施などの活動でお寺を支えているのが檀那寺です。
中には、信者としてお寺を支援している場合にも当てはまります。
菩提寺は、葬儀や法要などをお願いするお寺と使い分けられますが、最近では菩提寺に所属していなくても葬儀や法要を行ってもらえるケースも増えています。
時代の流れとともに檀家制度が崩れてきていて、菩提寺と檀那寺は言葉の名残として、同じ意味に捉えられることがあります。明確な違いは設けられていませんが、細かい違いが確認できるので、しっかり押さえておきましょう。
菩提寺の変更や菩提寺が分からないとき
ここでは、菩提寺の変更について、変更の注意点、菩提寺が分からないときの対応について説明していきます。
菩提寺を変更できるか
さまざまな事情から菩提寺の変更を検討する方もいるでしょう。
よくあるのが、遠方に住んでいるため菩提寺を近くに移したいというものです。
結論から言いますと、菩提寺を変更することは可能です。
しかし、簡単には変更できません。
なぜなら、手続きを通して手間や時間が掛かる上に、追加の費用を請求されるケースもあるからです。
菩提寺の変更に踏み切るには、メリット・デメリットを考慮することが大切です。
菩提寺を変更する際の注意点
菩提寺を変更する際の注意点、押さえておきたいポイントは以下となります。
- お墓の移動先を決めておく
- 墓石を移動するか 処分するか決めておく
- 必要な書類を発行してもらう
- 菩提寺との関係を円満に解消する
- お墓があったところを現状復帰する
一つ目はお墓の移動先を決めておくことです。
住んでいる場所の近くに、菩提寺となる同じ宗派のお寺がないか探しておきましょう。
お墓は先祖代々を弔っています。自分勝手に動かすとトラブルにつながりやすいので、親族との話し合いの場を設けることが大切です。
また、選ぶお寺によっては管理の手間や時間が掛かる場合があるので、目先のことだけではなく長期的に考えてお墓の移動先を決めていきましょう。
二つ目は墓石をどうするかを決めておくことです。
今の墓石を移動させるのか、移動した先で新たなお墓を建てるのかを選んでいきます。
今の墓石を移動させてそのまま使うと費用を抑えられますが、移動させるための手間や時間がか掛かります。
石材店に相談して2パターンの合計費用を比較してみるのも一つの方法です。
三つ目は菩提寺を変更するために必要な書類を発行してもらうことです。
今の菩提寺には「埋蔵証明書」を、変更を希望しているお寺には「受入証明書」を発行してもらいます。
証明書がないと、菩提寺を変更することができないので気を付けましょう。
四つ目は今までお世話になった菩提寺との関係を円満に解消させることが挙げられます。
お墓を移動する理由を伝えないと、ギスギスした関係につながりやすいです。
「遠方に住んでいる」などの距離的な理由であるなら納得してもらいやすいですが、どのような理由であったとしても、長い付き合いであるほど、慎重に進めていく必要があります。
五つ目は、お墓があった場所の現状を復帰させることです。
次の利用者に向けて、更地に戻す必要があります。
1㎡辺り約10万円が相場となっているようですので、現状復帰に掛かる費用のシミュレーションを行ってみてください。
菩提寺の変更には費用と手間と時間が必要になることが多いので、ある程度の心構えを持って進めましょう。
菩提寺が分からないときの対応
菩提寺が分からないときは、まずは親戚に聞いてみてください。特に高齢の方に聞くと、教えてもらえる場合が多いです。
聞ける人がいない場合は、地元近くの寺院に問い合わせる方法があります。
地元を中心として、そこに存在するお寺に故人の名前を告げることで確認が取りやすくなります。
場合によっては、総当たりとなる場合もあるでしょう。
地道に問い合わせを行うことで菩提寺を見つけられる可能性があります。
菩提寺が分からないことは珍しいことではなくなりました。分からないときはそのままにせず、きちんとした対応を取っていきましょう。
もしものときに備えるならば、事前に調べておくことをお勧めします。
菩提寺での葬儀、法要
ここでは、菩提寺での葬儀と法要、菩提寺以外のお寺で葬儀を行う際の注意点について説明します。
菩提寺での葬儀・法要
菩提寺で葬儀や法要を依頼したい場合、死亡が確認されたタイミングでお寺に連絡してください。
一人で連絡するのが不安な方は、葬儀社の担当者にお願いする方法もあります。
遺体の安置先に枕経に来てもらった後、葬儀の日時や段取りを決めていく流れとなりますが、枕経を希望していない場合、電話口で相談します。
葬儀の前に相談しておく重要な項目は「日時」「場所」「僧侶の人数」「戒名」です。
お布施の額も変わる場合があるので、はっきり伝えていきましょう。
また、法要の中で重要なのが初七日、四十九日です。
初七日は僧侶の読経、四十九日は納骨を行っていきます。
菩提寺に葬儀を依頼した場合、法要も合わせて行う方が多いです。
菩提寺は葬儀、法要以外にも仏事の気軽な相談にも乗ってもらえるので、分からないことがあったら問い合わせてください。
もし菩提寺以外のお寺で葬儀や法要を行いたいなら、早めから計画を立てておくことをお勧めします。
死亡した直後では気が動転しているため、冷静な思考ができません。
結局、菩提寺に依頼する流れになることが多くなります。
項目によっては、本人の希望をしっかり反映させられるので、早めから葬儀プランを考えておくことも大切です。
菩提寺以外のお寺で葬儀を行う時の注意点
菩提寺以外のお寺で葬儀を行う場合、亡くなった連絡を菩提寺にも取る必要があります。
忘れると、お墓に納骨できず後で戒名を変更する手間と時間が必要になります。
菩提寺が遠方にあるなどの理由で、時代の流れとともに、菩提寺以外のお寺で葬儀を行いたいと考える方も増えてきました。
しかし、原則は菩提寺の僧侶に来てもらう必要があるため、遠方であってもきちんと連絡を入れましょう。
宿泊費と交通費は自己負担となりますが、依頼すると、来てもらえるケースもあります。
また、僧侶の厚意で同じ宗派のお寺を紹介される場合もあります。
状況に応じたアドバイスをくれることもあるので大変心強いです。
菩提寺以外のお寺で葬儀を行いたい場合「悪いから」「気まずい」の理由で連絡を入れない選択を取りやすいですが、トラブル防止のために菩提寺にもきちんと連絡をすることが大切です。
まとめ
菩提寺(ぼだいじ)は、先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。葬儀や法要をお願いすることも多いので、菩提寺が分からない方は、もしものときに備えて把握しておく必要があります。親戚の中でも、高齢の方が知っていることが多いので、聞いてみましょう。
菩提寺は「遠方にある」などの理由で変更することも可能です。
しかし、今のお寺に「埋蔵証明書」、移動する予定のお寺に「受入証明書」を発行してもらう必要があります。
また、墓石を移動するか、移動した先で新たな墓を建てるかを決めたり、お墓があったところを現場復帰させたりする費用と手間が掛かります。
メリットとデメリットを考慮した上で、菩提寺を変更するか決める必要があります。
先祖代々のお墓ということで、トラブル防止のために親戚と話し合う場を設けることもお勧めします。
死亡を確認してから葬儀や法要をお願いするお寺を決めるまで時間がありません。
人生の終盤を見据えて、終活プランを考えてみてはいかがでしょうか。
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