直葬の流れは?一般的な葬儀との違いやメリット・デメリットも解説
本記事のポイント
- 直葬では通夜や告別式を行わない
- 基本的にごく近しい方のみで行うため、その他の関係者には事情を説明して参列を辞退していただくようにする
- 直葬当日は安置場所から火葬場に直接向かうのが一般的
- 菩提寺がある場合は、直葬を検討している段階で事前に相談する
直葬では通夜・告別式が執り行われないことから、通夜・告別式がある葬儀とは流れが大きく異なります。そのため初めて直葬を執り行う遺族のなかには、実際のイメージがつかめずに戸惑う方も少なくないでしょう。
本記事では直葬の流れを、直葬を行う前と直葬当日に分けて解説します。また、一般的な葬儀との違いにも触れており、明確に各形式の特徴を理解することができるでしょう。
最後には注意点も記載しておりますので、ぜひ目を通してみてください。
直葬とは
直葬とはどんな形式の葬儀を指すのでしょうか?

直葬とは、通夜や告別式といった宗教的な儀式を行わず、ごく近しい親族や友人のみで、火葬のみを執り行う最もシンプルな葬儀形式のことをいいます。
「火葬式」と呼ばれることもあり、葬儀社によっては、遺影写真や枕飾りなどの有無で「直葬」と「火葬式」を区別している場合もあります。
また、ご遺体は「墓地、埋葬等に関する法律」により、死後24時間が経過しないと火葬はできないと定められています。そのため直葬であっても、逝去から最低24時間はご遺体を安置しなければなりません。
直葬が選ばれる背景には以下が挙げられるでしょう。
- 葬儀に対する価値観の多様化
- 宗教観の変化
- 核家族化や少子高齢化の進行
- 近隣住民との関係性の希薄化
- 経済的な負担を抑えたいというニーズの高まり
- コロナ禍を経て、少人数でのシンプルな見送りが選択肢として定着
安心葬儀が喪主経験のある方を対象に行ったアンケートでも、2019年では全体の2%だった直葬の施行割合が2023年には8.5%まで増加しています。今後ますますニーズが強くなっていくでしょう。
※参照:(2019年調査)葬儀の種類(一般葬や家族葬や直葬等)ごとの実施割合のデータ
2023年調査 葬儀に関するアンケート
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)-厚生労働省
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一般葬と直葬の違い
まず流れの違いを解説すると、一般葬の場合は通夜を行い、その翌日に告別式を行い、火葬するのが基本の流れとなります。そのため2日間にわたって儀式が行われます。
直葬は通夜、告別式といった儀式を省略するため、火葬当日の拘束時間は数時間程度と大幅な時間短縮になります。ただし、逝去から火葬完了までの総日数が必ずしも短くなるわけではありません。
次に参列者の範囲も一般葬と異なります。一般葬では遺族・親族に加え、友人、知人、会社関係者、近所の住民など広く参列者を招く傾向にあります。一方で直葬は、基本的に家族やごく親しい近親者のみに限られます。
費用面に関しても違いがあります。一般葬では祭壇や会場使用料、会食費用、返礼品、お布施など、多岐にわたる費用が発生します。直葬の場合では必要な費用はご遺体の搬送・安置、棺、骨壷、火葬料金など最低限に抑えられる点が特徴です。
亡くなってから直葬までの流れ
まずは家族が亡くなってから直葬を行うまでの流れを順番に解説します。

葬儀社手配
家族が亡くなられた際には葬儀社を手配するのが一般的です。葬儀社を手配することで遺族は主に以下のことを任せることができます。遺族だけで行うのは非常に困難なため、葬儀社に依頼することをおすすめします。
- 病院や施設からのご遺体搬送
- 安置場所の手配とご遺体の処置
- 死亡届、火葬許可証の各種手続きの代行
- 火葬場の予約や各種手配
とくに病院で亡くなられた場合には、長時間ご遺体を安置することができないため、なるべく速やかに手配しましょう。深夜や早朝に逝去された場合でも、24時間365日対応の葬儀社を手配すれば対応してもらえます。
葬儀社探しは可能であれば、生前に複数の葬儀社から見積もりを取り、比較検討しておくと、万が一の際に慌てずに済むでしょう。
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安置場所の決定
法律では死後24時間以内の火葬が禁止されているため、火葬までご遺体を安置する場所を確保する必要があります。安置場所は主に以下の選択肢から選びます。
| 自宅 | 住み慣れた家でゆっくり過ごせるが、ご遺体を安置するスペースや、エアコンなど室温管理が必要。マンションの規約やエレベーターのサイズによっては搬入が難しい場合もある。 |
| 葬儀社の安置室・遺体専門安置施設 | スペースや温度管理の心配がない。ただし、面会時間に制限があったり、他の家族と顔を合わせる可能性がある。 |
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社と直葬の詳しい内容を決めていきます。主な項目は以下が挙げられます。
- 火葬場の選定
- 予約日時の決定
- 直葬プランの内容確認
- 棺、骨壷、遺影写真などの物品の選定
- 参列人数
直葬プランの内容確認については、含まれている内容に目を通して追加が必要なものはないか担当者に確認するようにします。
また、遺族は逝去日から7日以内に死亡届を役所に提出する必要がありますが、多くの葬儀社では代行が可能です。医師から受け取った死亡診断書を忘れずに渡すようにしましょう。
近親者への葬儀の連絡・関係者への訃報連絡
葬儀の場所と時間が決定したら参列してもらいたい近親者に連絡をします。
また直葬はごく近しい人のみで行うため、葬儀に呼ばなかった関係者とのトラブルにも配慮する必要があります。葬儀に呼ばない方々にもこのタイミングで、訃報連絡と参列を辞退いただきたい旨を伝えておきましょう。香典や供花などを辞退する場合は、その旨も併せて伝えてください。
もし事後報告になってしまった場合は、訃報連絡にお詫びを添えるようにします。
直葬当日の流れ
直葬当日は安置場所で納棺を行い、直接火葬場に向かい火葬となります。シンプルな流れの中にもいくつかポイントがあるため、詳細を解説していきます。

納棺・出棺
納棺とは故人を棺の中に納めることです。直葬時の納棺のタイミングは地域や葬儀社の事情によって異なりますが、基本的に葬儀の前日か当日に行われます。
「納棺の儀」として儀式を行う場合は遺族立ち会いのもと、基本的にはご遺体を清め、死装束になどに着替えさせ、死化粧を施していく流れとなります。その後ご遺体を棺に納めます。多くの場合、故人が生前に気に入っていた服を着せることも可能なため、思い当たる服があれば用意しておきましょう。
納棺の儀は、葬儀プランの中に含まれている場合と、オプション扱いになることがあります。また納棺時には副葬品として故人への手紙や写真、書籍や衣類などの愛用していた可燃性のものを一緒に納めることができます。ただしメガネやアクセサリーなどの不燃物、ペースメーカーなどの爆発の危険があるもの、水分が多い果物などは入れられません。
納棺後は棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ向かいます。直葬では多くの場合、安置場所から直接火葬場へ向かいます。
火葬
火葬場到着後は、棺を火葬炉の前に安置し、最後のお別れをします。希望すれば、僧侶を呼び、炉前で数分間の読経をしてもらうことも可能です。その場合、お布施が別途必要になるため注意しましょう。
火葬にかかる時間は、約1〜1時間半といわれています。その間、遺族や近親者は控室やロビーで待機するのが一般的です。控室で簡単な食事を取りながら故人を偲ぶ場合もあります。
骨上げ
骨上げとは火葬後、遺骨を骨壷に納める儀式です。「収骨」とも呼ばれます。火葬場のスタッフの案内に従い、二人一組で箸を使い、遺骨を拾い上げていきます。
収骨する順番は喪主から故人と縁の深い順に行うのが慣例です。
全ての遺骨を骨壷に納め終えると、骨壷は白木の箱に納められ、風呂敷に包まれて遺族に渡される流れとなります。
同時に、火葬許可証に火葬済の印が押された「埋葬許可証」を受け取ります。この書類は納骨の際に必要となるため、骨壷と一緒に大切に保管してください。
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直葬のメリット・デメリット
直葬にはメリットがありつつも、いくつか事前に理解しておきたいデメリットがあります。双方の内容を比較して、慎重に判断していきましょう。

メリット
直葬の大きなメリットとして経済的負担の大幅な軽減が挙げられます。
安心葬儀調査では喪主経験がある2,719人にアンケートを実施し、各葬儀の平均費用相場を算出しました。その結果、平均で131万8283円かかる一般葬に対し、直葬は平均費用相場が36万3807円と費用を大きく抑えられることがわかりました。
理由としては祭壇費用、式場使用料、通夜振る舞いや精進落としといった会食費用、会葬返礼品などが不要になることが大きな要因でしょう。
また直葬は遺族の心身的負担の軽減にも繋がります。葬儀の準備や打ち合わせが最小限で済むだけでなく、多くの参列者への対応、気遣いを最小限に抑えられるためです。そのため故人と静かにお別れする時間に集中できるでしょう。
日程調整の際にも柔軟的に決められるメリットがあります。
通夜・告別式がないことから、参列者のスケジュールや式場の空き状況を細かく気にする必要がないため、比較的スムーズに日程を決めやすい傾向にあります。
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デメリット
直葬のデメリットとしてまず挙げられるのが親族や関係者の理解が得にくい点です。
「故人がかわいそう」「お別れの儀式をしないのは失礼だ」など、伝統的な葬儀を重んじる親族から反対される可能性もあります。そのため事前の十分な説明と、双方の合意が不可欠になります。
また、菩提寺とトラブルにならないよう配慮する必要もあるでしょう。
菩提寺がある場合は事前に相談なく直葬を行うと、宗教的な儀式を行っていないことを理由にお墓への納骨を断られるリスクがあります。
また、直葬の儀式を省略するスタイルは前述したメリットがある一方、お別れの時間が短いと感じることもあります。儀式がない分、故人とゆっくりお別れをする時間が限られるため、「もっと手厚く送ってあげればよかった」と後悔する遺族もなかにはみられます。
葬儀に呼ばなかった故人の友人や知人に関しても配慮が必要です。参列を希望していた場合は十分なお別れができず、不満に思ったり、寂しい思いをしたりする可能性があるためです。
さらに参列者が少ないことから、一般葬では葬儀費用の一部に充てられる香典収入もあまり期待できないでしょう。
直葬の注意点
直葬を行うにあたって注意すべき点は以下の2つがあります。
葬祭補助金制度が適用されない場合がある
葬祭補助金制度とは葬儀や埋葬を行った方に給付される補助金制度のことです。加入している健康保険によって給付される補助金の種類は異なります。
国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合は自治体から「葬祭費」が、会社の健康保険の加入者の場合は「埋葬料」が支給される制度が支給されます。
ただ、自治体によっては「直葬は葬儀にあたらない」と判断され、支給対象外となる場合があります。申請前に必ず住んでいる自治体や加入している健康保険組合に、直葬でも支給対象になるかを確認することが重要です。
※参照:加入者が亡くなったときは、埋葬を行う人に埋葬料または埋葬費が支給されます。-全国健康保険協会
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後日、多くの弔問客が訪れる可能性がある
葬儀に参列できなかった友人・知人が、お悔やみを伝えるために後日自宅へ弔問に訪れる可能性があります。
直葬自体の負担は少なくても、その後、数週間から数ヶ月にわたって訪れる弔問客への対応に追われ、かえって負担が増えることも考えられるでしょう。
事前対策としては、訃報連絡の際に「弔問もご遠慮いただきたくお願い申し上げます」と一言添えるようにするのが無難です。
また後日、お別れの会や偲ぶ会など、改めて故人を偲ぶ機会を設けることを検討してもいいかもしれません。
まとめ
直葬は、お通夜や告別式を行わず、ごく近しい人のみで火葬を行う、現代のニーズに合ったシンプルな葬儀形式です。
費用や遺族の負担を大幅に軽減できる一方、お別れの時間が短いことや、親族・菩提寺との関係性など、考慮すべきデメリットも存在します。
直葬を選択する際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、特に親族や菩提寺には必ず事前に相談し、丁寧な説明を通じて理解を得ることが、後のトラブルを防ぐ上で最も重要です。
故人や遺族にとって、どのような形のお別れが最適なのかをじっくりと考え、後悔のない選択をすることが大切です。
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