お悔やみ電報（葬儀への弔電）の送り方と宛名などのマナーについて紹介

何らかの理由で葬儀に参列できない場合、お悔やみ電報（弔電）で弔意を伝えることができます。

実際にお悔やみ電報を送る際に、どこに申し込めばいいのか、どのような文を用意すればいいのかなど、詳しい方はあまりいないのではないでしょうか。

今回は、送り方やお悔やみ電報に関するマナーなどについても紹介します。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）とは

お悔やみ電報とは、葬儀に参列できない場合や自宅などに弔問できない場合に、弔慰や遺族に対する想いなどを伝えるために送る電報のことを言います。

通夜までに故人の自宅や葬儀場へ届くように手配し、葬儀の場に送られたお悔やみ電報は、式中に司会進行担当者によって数通が読まれることもあります。

お悔やみ電報は「弔電（ちょうでん）」と呼ばれることもあり、「お悔やみ電報を送る」という表現以外にも「お悔やみ電報を打つ」という言い方もあります。

結婚式などお祝いの席へは祝電を送りますが、お悔やみ電報はその反対の意味を持ちます。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）の宛先とは

お悔やみ電報の宛先をどうするかについては、一般的な約束事があります。

送付先の宛名

基本的にお悔やみ電報の宛名は、葬儀の喪主を務める方の名前（フルネーム）です。

喪主名が分からないときは「弔電を打ちたいので喪主名を教えてほしい」という内容で、葬儀が行われる会場に問い合わせても問題ありません。

喪主名がどうしても確認できない場合には、宛名を「（故人の名字）家ご遺族様」として送ります。

お悔やみ電報の送付先は葬儀会場？自宅？

葬儀・告別式までに間に合うようであれば、開式前に届くように葬儀会場宛に送りましょう。葬儀の際は、届いたお悔やみ電報を霊前（祭壇前）にお供えされる場合が多いようです。

仮に葬儀前に自宅にお悔やみ電報を送った場合、遺族が葬儀会場まで持っていくことになります。

葬儀までに届かない場合に限り、遺族の自宅に送るのが無難です。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）の申し込み方法とは

お悔やみ電報の申し込み手続きは、インターネットや電話の利用など、いくつかの方法があります。

ここではNTTや郵便局を利用する例を挙げながら、お悔やみ電報を申し込む方法について説明します。

NTTに申し込む場合

NTTでは、D-MAILというサービスの中でお悔やみ電報（弔電）を取り扱っています。D-MAILのサービスを利用し、電話またはインターネットのサイトから申込みが可能です。

お悔やみ電報の申し込みは、電話であれば8時～19時までが受付対応時間となっていて、インターネットを利用すれば、24時間受付可能となっています。

なお、電話でもインターネットの利用でも19時までに申し込めば、当日中にお悔やみ電報を配達してもらえます。

お悔み電報の料金支払い方法については、クレジットカード払い、電話料金と一緒に支払い、携帯電話料金と一緒に支払い、という三つの方法から選ぶことができます。

D-MAIL

http://www.ntt-east.co.jp/dmail/

https://dmail.denpo-west.ne.jp/

インターネットのサイトから申し込む際は、以下の内容を選択・入力します。

• 電報台紙
• 届け先、受取人の情報
• 差出人の情報
• お悔やみのメッセージ
• 支払い方法

また、申し込む際は以下の内容を準備・確認しておくとスムーズに入力ができます。

• 喪主のフルネーム、故人との続柄（弔電の受取人となる場合が多い）
• 葬儀の日時
• 届け先の住所（故人の自宅や、葬儀場の住所）
• クレジットカード（支払いをクレジットカードで行う場合のみ）

郵便局に申し込む場合

郵便局ではレタックスというサービスを利用してお悔やみ電報（弔電）を送ることができます。

レタックスでのお悔やみ電報の申し込みは、インターネットまたは郵便局窓口から行います。郵便局窓口の場合であれば開局している時間帯、インターネットを利用すれば24時間受付可能となっています。

何時までに申し込めば当日配達が可能かという点については、地域や郵便局によって異なりますので、申込み前にインターネットのサイトや郵便局窓口での確認が必要です。

お悔み電報の料金支払い方法については、クレジットカード払い、郵便局窓口での支払いなどがあります。

レタックスは、郵便局窓口ならば切手でも支払いができるという点が特徴です。

レタックス

https://www.post.japanpost.jp/service/letax/

その他の弔電サービスに申し込む場合

NTTや郵便局の他にも、ソフトバンクグループの「ほっと電報」やau系列の「でんぽっぽ」など、インターネットの検索サイトで「お悔やみ電報」や「弔電」という言葉で調べれば、複数の弔電サービスがヒットします。

多くの弔電サービス提供会社で、インターネットを通じた申込み方法が主流となっています。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）の文章の選び方とは

先ほど紹介したNTTや郵便局など多くの弔電サービスでは例文が用意されています。

葬儀会場に届くお悔やみ電報の内容は、この例文がそのまま利用されているものがほとんどです。

お悔やみ電報は、文字数によって料金が変わることが多いので、予算を考慮しつつ、故人や遺族との関係性に適した例文を選べば無難に送ることができます。

自分で考え作成した文章のお悔やみ電報を送ることも可能です。遺族にとっては例文通りの内容よりも好印象となる場合もあるでしょう。

弔電サービスで紹介されている例文をアレンジするのも一つの手です。例文に、個人的、具体的なエピソードを追加してアレンジすることが考えられます。

自分で文章を考えて作成したり、例文に文章を追加したりする場合などについては、あまり長文にならないような配慮をしましょう。

弔電の文章を考えるのは、誰しも慣れていることではありません。電話でのオーダーであれば、文章に悩んだ際にオペレーターに相談することもできます。心配な方は、電話でのオーダーを検討するとよいでしょう。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）の文例

ここではお悔やみ電報の内容について、ケースごとにいくつかの文例を紹介します。

広く一般的に使えるもの 1

●●●●様ご逝去の報に接し、心より哀悼の意を表します。ご家族皆様方のお悲しみをお察し申し上げますとともに、謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。

広く一般的に使えるもの 2

●●●●様のご訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

受取人の配偶者（夫）が亡くなった場合

ご主人様のご逝去の報に接し、ご家族の皆様におかれましてはさぞやご心痛のことと拝察いたします。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。

受取人の配偶者（妻）が亡くなった場合

ご令室様のご訃報を受け、驚きと悲しみにたえません。在りし日のお姿を偲び、安らかにご永眠されますことをお祈り申し上げます。

親しい友人・知人が亡くなった場合

●●●●様のご訃報に接し、突然のことで驚くばかりです。ご家族皆様方のお悲しみもいかばかりかとお察しいたします。親しいお付き合いをしてくださったことに感謝を申し上げつつ、謹んでご冥福をお祈りいたします。

受取人の実父が亡くなった場合

ご尊父様のご逝去を悼み、心より哀悼の意を表します。

受取人の実母が亡くなった場合

ご母堂様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。

受取人の義理の父が亡くなった場合

ご尊父様のご逝去を悼み、ご遺族様の心中をお察しいたします。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

受取人の義理の母が亡くなった場合

・妻の母が亡くなった場合

ご丈母様のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表し、安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます。

・夫の母が亡くなった場合

ご岳母様のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表し、安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます。

会社関係の方が亡くなった場合

貴社●●●●様のご急逝の報に接し、弊社社員一同、謹んで哀悼の意を表します。ご遺族の皆様ならびに社員ご一同様に、心からお悔やみ申し上げます。

キリスト教の式であった場合

神の御許に召されました●●●●様が安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）を送る際の注意点

お悔やみ電報を送るときに注意すべき点についても確認しておきましょう。

お悔やみ電報を送るタイミング

先の項目でも少し触れましたが、お悔やみ電報の宛先は葬儀会場とし、通夜の前日に届くのが理想ですが、遅くとも葬儀・告別式の開式に間に合うように送ることが基本です。

弔電は式中に読み上げられる場合が多いので、弔電の到着が式の開始に間に合わないことは失礼に当たりますし、式直前に弔電が届くと喪主や葬儀スタッフに迷惑を掛けることになるので避けましょう。訃報を受け取ったら、速やかに手配の準備を進めるのをお勧めします。

故人の呼び名

お悔やみ電報において故人に対する敬称は、宛名の方（基本的には喪主）と故人との関係性で変わってくるので注意が必要です。敬称を誤ることは遺族に対して失礼に当たるので、喪主が誰なのかを事前に確認し、正しい敬称を使いましょう。

下記は宛名の方から見た主な続柄ごとの敬称です。

実父	ご尊父（そんぷ）様、お父様、お父上
実母	ご母堂（ぼどう）様、お母様、お母上
義理の父	ご岳父（がくふ）様、お義父様
義理の母	ご岳母（がくぼ）様、ご丈母（ごじょうぼ)、義母様
両親	ご両親様
夫	ご主人様、旦那様
妻	ご令室（れいしつ）様、奥様
祖父	お祖父（じい）様、ご祖父（そふ）様、祖父君（おじぎみ）
祖母	お祖母（ばあ）様、ご祖母（そぼ）様、祖母君（おばぎみ）
兄	兄上様、ご令兄（れいけい）様、お兄様
姉	姉上様、ご令姉（れいし）様、お姉様
弟	ご令弟（れいてい）様、弟様
妹	ご令妹（れいまい）様、妹様
息子	ご子息(ごしそく)様、ご令息(れいそく)様
娘	ご令嬢(ごれいじょう)様、ご息女(ごそくじょ)様

 

忌み言葉、重ね言葉、音がよくない言葉を避ける

葬儀などの弔事では、不幸や不幸の繰り返し、不吉、不運、死、苦しみを連想させる言葉の使用は避けることがマナーであり、お悔やみ電報を送る際も同様です。（例：浮かばれない、迷う、くれぐれ、またまた、再三、九・四など）

故人のプライベートに関することは避ける

弔電では故人やご遺族のプライベートに関わる内容は避けることがマナーです。

遺族が弔電を辞退している場合は送付を避ける

近年では葬儀を家族葬として執り行うケースも多く、弔電を辞退される遺族も増えています。その場合、失礼を避けるためにも弔電を送ることは控えましょう。

お悔やみ電報（葬儀への弔電）の費用相場

お悔やみ電報を送ると、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか。

お悔やみ電報の料金は、主に文字数と台紙の種類によって変動することが一般的で、お悔やみ電報の費用相場は、個人的に送る場合、約2500円～3500円と言われています。

仕事上の付き合いで会社としてお悔やみ電報を送る場合は、3000円～5000円が費用相場となっています。

安く済ませる場合でも約1000円～1500円程度は必要となります。

なお文字数による料金の変動の例として、NTTの場合には通常料金として次のように文字数に応じた設定となっています（電話での申し込みの場合）。

• 25文字までは 770円（税抜）
• 26～30文字 869円（税抜）
• 31～35文字 968円（税抜）
• 36～40文字 1067円（税抜）

※2022年5月時点の料金です

最後に

今回はお悔やみ電報に関するマナーなどについて紹介しました。

お悔やみ電報は、大切な知人が亡くなり、葬式に参列したいのに参列できない場合に、故人への哀悼の気持ちを伝えるために利用するケースがほとんどでしょう。

大切な方の不幸ということで、送り先の家族も心情的に過敏になっていることも考えられるので、お悔やみ電報は適切な配慮とともにマナーを守って送ることが大切です。

お悔やみ電報を送る際には今回の内容を参考にしてください。

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