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葬儀のマナー

葬儀はどんな流れで行われる?逝去から初七日法要までの流れを解説

葬儀はどんな流れで行われる?逝去から初七日法要までの流れを解説

葬儀は、亡くなられた方を見送るための大切な儀式です。特に遺族にとっては、身近な人の死を乗り越えるためにも、失敗して悔いを残したくないと考えるのではないでしょうか。

いざ葬儀を執り行う、参列するとなったときに慌てないためにも、あらかじめ葬儀全体の流れを頭に入れておきましょう。ここでは一般的な葬儀について、逝去から初七日法要までの流れを解説します。

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本文ポイント

・葬儀は、準備→通夜→告別式→火葬→初七日法要という流れで行われる

・特に親しい友人・知人は、通夜と告別式に参列する

・親族や故人と縁が深かった友人は、火葬やお骨上げにも参列する

逝去から葬儀が始まるまで

まずは葬儀の準備段階、逝去から葬儀が始まるまでの流れを紹介します。

1.ご逝去

故人が病院で亡くなられた場合、数時間程度で退院をしなければなりません。そのため、まずは葬儀までの間、遺体をどこに安置するのかを決めます。

自宅に戻ることができればベストなのですが、もし不可能ならば、葬儀社に相談して安置施設で預かってもらうこともできます。

近年は、介護施設で亡くなる方も増えています(参考:厚生労働省「参考資料」)。介護施設は暮らしの場なので、すぐに退所を促されることはありません。介護施設によっては、居室や施設内の霊安室で数日間安置ができる場合もあります。

安置する場所を決めたら、葬儀社に連絡して遺体を移送してもらいます。遺族が自家用車で移送しても問題はありませんが、遺体を傷つけたり、車を汚したりといったことがあるので、お勧めできません。

すでに葬儀を依頼する葬儀社が決まっているなら、そこに連絡して遺体を移送してもらいます。葬儀社に心当たりがない場合は、病院や介護施設で紹介してもらえるので、遠慮なく聞いてみましょう。

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2.遺体の安置

葬儀社の用意した寝台車で、遺体を安置する場所まで移送します。昔は自宅での安置がほとんどでしたが、今は葬儀社の安置所か、民間の安置所に遺体を預かってもらうケースが増えています。

移送を担当した葬儀社に、そのまま葬儀全般の手配を任せるなら、葬儀社の安置所に安置するとよいでしょう。「葬儀は別の葬儀社に任せたい」と考えるなら、いったん自宅に安置するのがお勧めです。

エレベーターのないマンションの上階に自宅があるなどのケースでも、大抵は対応できますので安心してください。ただし、特別に人員や道具の手配が必要となることもありますので、移送を依頼する際には、事前に自宅の状況なども伝えておきましょう。

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3.葬儀の打ち合わせ

遺族のうち、誰が喪主・施主を務めるのか、葬儀の形式や参列者の人数、葬儀の予算などを話し合います。決まったら葬儀社に連絡して、全般の手配を依頼しましょう。

遺族で決めたことを全て葬儀社に伝えれば、最適な葬儀のプランを提示してもらえます。内容や料金に納得がいったら、葬儀の日程を決めて火葬場や葬儀会場を予約します。

日本では「亡くなられてから24時間以内に火葬をしてはいけない」と定めた法律(参考:「墓地、埋葬等に関する法律」)があるため、翌日以降が火葬日となります。

六曜でいう「友引」の日は、葬儀は避けるべきという考えの人も多いため、あえて日程をずらすこともあります。また、火葬場が混み合っているなどの理由で、通夜まで1週間程度かかってしまうこともあります。

火葬場や葬儀会場の空き確認や予約は、全て葬儀社が担当します。死亡届けや火葬許可証の取得といった行政上の手続きも葬儀社が使者として代行するので、遺族が煩わされることはありません。

なお、菩提寺など宗教者との日程調整は遺族が行います。

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4.葬儀の連絡

親戚、友人・知人などに訃報の連絡をします。通夜、葬儀・告別式に参列してもらいたい方には、葬儀の日時や会場を連絡します。

以前は「メールでの連絡はマナー違反」とされていましたが、最近は連絡手段として確立されているので、メールやLINEなどを利用した訃報連絡も一般的になっています。

故人が会社員だった場合は、勤めていた会社にも連絡します。故人の友人・知人には、ごく親しかった一部の方にだけ直接伝えて、連絡を回してもらうことが一般的です。

家族葬などで参列者を限定する場合も、この時点で訃報だけは伝えておいたほうが賢明です。後から訃報を知った方から、香典や供物・供花が送られてきたり、電話やメール、LINEなどで「お悔やみ」の連絡がある度に対応することになり、かえって負担が増える可能性があるからです。

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葬儀中の流れ

葬儀の準備が済むと、納棺から出棺までがいわゆる「葬儀」と呼ばれる儀式です。ここでは一般的な葬儀の流れを紹介しますが、地域によっては異なる場合もあります。

5.納棺

納棺とは、遺体を清めて死装束を着付け、棺に納めることを言います。葬儀社が段取りをしてくれますが、可能な部分は遺族も一緒に行うことをお勧めします。専門の納棺師が入る場合は、1時間~1時間半程度のセレモニーとして納棺の儀が行われます。

棺には故人が愛用していた品を納めます。ただし、金属やガラス製品は、火葬の際にお骨を傷めることがあるので入れられません。

どのような愛用品なら大丈夫か、葬儀社に確認しながら納めると安心でしょう。

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6.通夜

通夜当日は、遺族は1時間ほど前には会場に到着するようにします。進行や席次、供花の札の確認、弔電の確認をします。僧侶が到着したら、控室に案内し、葬儀社と打ち合わせをします。

仏式では、遺族、親族、参列者が着席してから、導師が入場します。読経が始まったら、司会の案内に従って、遺族、親族、参列者の順で焼香をします。焼香と読経が終わったら通夜は終了です。

参列者が100人を超えるような大規模な通夜では、席に着くのは遺族と親族、ごく近しい友人・知人のみで、参列者は会場入り口に設置された焼香台で焼香をするだけという形式で行われることもあります。

いずれの場合にも葬儀社スタッフからの案内があるので、参列者は受付で香典を渡して芳名帳に記帳してから、指示に従って焼香します。帰り際には、受付で会葬礼状と必要であればお清めの塩を受け取ります。

通夜の開式は18時か19時が一般的です。昔は「通夜」という名が示すように夜通し故人の側に付き添い、ろうそくと線香の灯を一晩絶やさないという風習がありましたが、現代は深夜の火気の使用は控える傾向があります。

キリスト教式では、通夜に当たる儀式はありません。しかし、日本の文化に合わせて「前夜祭」が行われることが多くなっています。

キリスト教の前夜祭では、カトリックの場合は神父、プロテスタントは牧師を招き、聖書の朗読や聖歌・讃美歌の斉唱が行われます。

7.通夜振舞い

通夜振舞いは、故人を囲む最後の食事の席です。通夜の後、参列者は葬儀社スタッフの案内で別室に移動し、用意された食事を囲みながら故人を偲びます。

通夜振舞いの文化は地域によって異なり、参列者全員に声をかける関東スタイル、親族のみが席に付く関西スタイルなどがあります。食事券を渡すところや、夜通し宴会をする地域もあります。

喪主や葬儀社スタッフから通夜振舞いを進められたら、基本的には参加した方がよいでしょう。通夜振舞いは大皿料理で出されることがほとんどですが、一口だけでも箸をつけるのがマナーとされています。

神式葬儀には、通夜祭の後には直会(なおらい)と呼ばれる会食があります。しかしキリスト教では、そもそも通夜に当たる儀式がないため、通夜振舞いの習慣もありません。

ただし、キリスト教式葬儀で前夜祭を執り行った場合は、参列者を茶菓子でもてなす席が設けられることがあります。

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8.葬儀・告別式

葬儀・告別式は、通夜の翌日の午前中に行われることが多くなっています。仏式では、遺族、親族、参列者が着席してから、導師が入場します。

開式後、導師による読経の後、遺族・親戚・参列者の順に焼香します。厳密には葬儀と告別式は別の儀式なのですが、現代では一連の儀式の中で一緒に行われています。弔辞の朗読や弔電の披露は式の途中か閉式後に行われます。時間としては1時間程度と考えておきましょう。

キリスト教式では焼香の代わりに、参列者が祭壇に生花を入れる「献花」が行われます。ただしこれは、キリスト教でも日本独自の慣習で、海外のキリスト教式葬儀ではあまり見られません。

葬儀・告別式終了後、棺の中に祭壇に飾られた花を入れて最期のお別れをします。遺族・親戚のほか、参列者が花入れに参加することもありますが、遺族から進められたらぜひ最期のお別れをしてください。

献花・花入れが終わると棺の蓋が閉じられ、出棺となります。

9.出棺

葬儀が終わったら棺を霊柩車に乗せて、葬儀会場から火葬場に移送します。一般の参列者は霊柩車を見送って、解散となります。

出棺の際には、「邪気を祓う意味で霊柩車がクラクションを長く鳴らす」「故人がこの世に未練を残さないよう愛用の茶碗を割る」などの風習が行われることもあります。

遺族や親族は火葬場でのお骨上げまで参列するため、自家用車や葬儀社が手配したマイクロバスなどで火葬場に移動します。

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葬儀が終わった後

一般参列者にとって、葬儀と聞くと通夜と告別式のみを思い浮かべることでしょう。しかし遺族や親族は、葬儀の後にも行う儀式があります。その流れを紹介します。

10.火葬

火葬は、遺族と親族、故人とごく親しかった友人・知人のみが立ち会うことが多くなっています。一般参列者は、喪主や親族から求められない限り、参列は遠慮したほうがよいでしょう。

火葬場では、火葬炉の前で僧侶による読経や最期のお別れを行います。火葬場にもよりますが、お別れに取れる時間は15分程度のことが多いようです。

棺が炉に入ったら、参列者は火葬が終わるまで控え室で待機します。火葬場によって、待機時間は1~3時間程度とまちまちです。

11.お骨上げ

火葬が終了すると、お骨を骨壺に納めるお骨上げが行われます。喪主から血縁の深い順に二人1組になり、二人で一つのお骨を拾い、骨壺に入れていきます。

お骨上げは地域によって風習が違い、関東では足先から順に拾っていき、全ての骨が骨壺に納まるまで繰り返すことが一般的です。これを「全収骨」と呼びます。

関西では、喉仏など重要な骨のみを拾い、後は葬儀社スタッフに任せることが多くなっています。これを「部分収骨」と呼びます。当然のことながら、部分収骨よりも全収骨のほうが時間がかかります。

いずれも最後は、頭蓋骨が一番上になるように骨壺に納めて蓋をします。

12.初七日法要

昔は、逝去から7日目に初七日法要を行っていましたが、今は日にちを繰り上げて、火葬後に葬儀会場に戻って初七日法要を行うことがほとんどです。

地域によっては、告別式に続いて初七日法要を行ってから出棺となったり、火葬の待機中に初七日法要を行うこともあります。地域の風習については葬儀社が熟知しているので、不安なら尋ねてみるとよいでしょう。

初七日法要の式次第は、僧侶による読経の後に焼香が行われ、僧侶からの法話があって終了となります。だいたい20~30分程度になります。

仏式の場合、逝去から忌明けとなる49日目まで、7日ごとに法要を行うとされていますが、今では1回目の法要となる初七日と、四十九日法要のみを行うことが一般的です。

神式の場合、「霊祭」と呼ばれる儀式を10日ごとに行いますが、これも現代では十日祭、三十日祭、五十日祭の3回のみ行うことが多いようです。

キリスト教式では、決められた法要日のようなものはありません。カトリックでは逝去から3日目、7日目、30日目に追悼ミサ、プロテスタントでは10日目と1カ月目に追悼集会を行うことが多くなっています。

13.精進落とし

昔は精進落としといえば、四十九日法要の後の会食のことでした。四十九日までは忌中となるため、「遺族や親族は肉や魚を使わない精進料理を食べる」とされ、忌明けのごちそうを精進落としと呼んでいたのです。

今は初七日法要も日程を繰り上げて行い、その後に精進落としの会食をして参列者をねぎらうのが一般的になっています。

精進落としは、葬儀を行った葬儀場に仕出し料理を用意するか、近隣の飲食店を予約して行います。僧侶が同席しない場合は、「御食事代」を包んで渡すことが多くなっています。

精進落としの最後には、喪主や施主からの挨拶があります。時間としては1~2時間程度と考えておきましょう。

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14.後飾り

葬儀が終わった後は、自宅に後飾りと呼ばれる祭壇を設けて、お骨を供養します。後飾りの期間は、仏式では四十九日まで、神式では五十日まで、キリスト教式でも日本の慣習に準じて四十九日前後としているところが多いようです。

後飾りは、お骨をお墓に納めるまでの仮の祭壇です。葬儀社に依頼すれば設置してもらえますが、お骨を祀っておけるスペースがあるなら、必ずしも必要なものではありません。

ただ、葬儀に参列できなかった人が後から弔問に訪れた場合、後飾りの祭壇にお参りしてもらうことになります。きちんとお参りできるようなスペースを設けておいた方がよいでしょう。

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まとめ

逝去から葬儀の準備、通夜、告別式、火葬、初七日法要、後飾りまで、葬儀の流れを紹介しました。ただ、これは一般的な葬儀の一例でしかありません。

地域によっては、順序や内容が異なる場合もありますし、宗教が違えば流れも変わってきます。ただ、基本的な流れを把握しておけば、変則的なケースにも対応しやすいのではないでしょうか。

葬儀社はさまざまなタイプの葬儀に対応しているので、分からないことがあったらスタッフに確認してみるとよいでしょう。

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監修者コメント

葬儀にはさまざまな慣習があり、慣れないと難しいこともありますが、長い年月を通じて多くの人が育ててきた弔いの文化でひとつひとつに意味があります。故人と共有できる最後の時間と空間を大切に過ごしたいものです。


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  • 日本テレビ「news every.」 / 特集:知りたい!/「終活」の話(2022年12月27日放送)
  • NHK番組「首都圏ネットワーク」/コロナ禍の不安どう解消する?(2022年5月31日放送)
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