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葬儀の知識

遺体安置とは?場所や流れ、費用について解説

遺体安置とは?場所や流れ、費用について解説

本記事のポイント

  • 家族が亡くなってから葬儀を行うまでの間、
    ご遺体を安置(保管)する必要がある
  • 主な安置場所には①葬儀式場併設の安置室②遺体保管施設③自宅がある
  • 葬儀式場併設の安置室や、遺体専用の保管施設では施設利用料が発生するが、
    ご遺体の管理を業者に任せられる
  • 病院で亡くなった場合は2~3時間程度しか保管できないため、
    速やかにご遺体を搬送する必要がある

人が亡くなってから葬儀や火葬を行うまでの間、ご遺体を適切な場所に安置する必要があります。

本記事では安置とは何か、ご遺体を安置するまでの流れ、安置する場所や費用などをまとめて解説していきます。
 

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安置とは​

安置とは葬儀までの間、ご遺体を保管することをいいます。

ご遺体は死亡確認から24時間以上経過してからでないと、火葬してはならないと法律で定められています。そのため家族が亡くなってから最低1日は、ご遺体をどこかに安置する必要があります。

似た言葉に「霊安室」があります。安置室と同じですが、病院や介護施設、警察、火葬場での安置場所を霊安室、葬儀式場併設の安置室や遺体専用保管施設の場合は安置という言葉を使用するケースが多いようです。

※参照:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)-厚生労働省

安置をする​場所は主に3つ

ご遺体を安置する場所は主に以下の3つが主流です。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを順に詳しく解説していきます。

葬儀式場併設の​​安置室

葬儀式場には、大抵安置場所が併設されています。

ご遺体の管理を葬儀社側に任せられて、遺族の負担が軽くなるのがメリットでしょう。面会に関しては、付き添い面会が可能なところ、時間によって面会制限があるところなさまざまで、料金によって異なります。

安置室使用料は、保冷庫保管の場合は1日5千~1万円が相場です。付き添い面会ができる安置室だと1日2~3万円と幅があります。

専門の​遺体保管施設

地域によっては、ご遺体の保管を専門としている施設を利用するケースも増えています。

遺体保管施設は24時間営業で保冷庫を完備しているところあることが多く、費用相場は1日5千~1万円となります。

別に面会室があり、希望に応じて面会ができる仕組みになっています。中には面会不可であったり、立地が悪く公共の交通機関を利用して行けない場所にある安置室もあります。

自宅

自宅にご遺体を安置するスペースがあれば、自宅という選択肢もあります。病院や介護施設で亡くなられた場合に、「自宅に帰らせてあげたい」という遺族の想いから選ばれることも少なくありません。

上の2つと異なり施設利用料がかからない点が最大の特徴といえるでしょう。また、自宅に安置することで面会時間に縛られず、多くの時間を故人と過ごせます。

自宅安置でもご遺体の管理については葬儀社がドライアイスの交換や、ご遺体ケアのアドバイスをしてくれるので安心です。ただし葬儀社スタッフや弔問客の出入りがあることから、故人と静かに過ごしたいのに関わらず、落ち着かない場合もあるでしょう。

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遺体を安置する期​間は?

一般的な遺体の安置期間は2~3日とされていますが、火葬場の混雑状況によっては1週間や10日以上安置が必要になる場合もあります。とくに都心近郊は人口の多さに対し、火葬炉が少なく、なかなか火葬場の予約がとりにくい状況となっています。

安置期間が長くなるにつれて、ドライアイス費用や安置施設利用料がかさむため、火葬場が埋まっているなどやむを得ない事情でなければ、なるべく早めに葬儀を行うのが賢明でしょう。

安置までの​流れ

遺体の安置場所や期間が分かったところで、次に気になるのは実際の流れではないでしょうか。以下では病院で亡くなった場合の安置までの流れを解説します。

臨終

家族が亡くなった際には、まず医師による死亡確認が行われます。

病院の死亡確認は原則的に担当医師が行いますが、自宅で亡くなった場合はかかりつけ医や警察が判断するのが一般的です。

エンゼルケア

死亡確認後はエンゼルケアというご遺体の処置に移ります。主に看護師や医療スタッフが担当し、まずは消毒液や湯水を使ってご遺体を清潔にしていきます。

身体を清めたら故人の着替えを行います。事前に故人らしい服を準備しておくと良いでしょう。

その後は故人を生前のような表情に近づけるため、エンゼルケアといわれる死に化粧を施していきます。この時点で行われるエンゼルケアは、清潔保持と保湿が中心です。

女性の場合は、頭髪を整えて顔に化粧をします。故人の愛用品があれば使ってもよいとされています。男性の場合は、髭や髪の毛を整える程度が一般的でしょう。

保湿は火葬までの間、できるだけ気を配り何度か化粧水やクリームなどで整えるといいでしょう。ご遺体の変化に応じて行うご遺体ケアは、葬儀社が別途オプション等で提案してくれます。

死亡診断書の​受け取り

死亡確認をした医師が死亡診断書を発行して遺族に渡します。死亡診断書は役所へ提出する書類となるため、大切に保管しましょう。

基本的には提出は葬儀社が代行してくれますが、まれにプランに入っていないこともあり、その場合は別途追加費用が発生します。

用紙は右側が死亡診断書、左側が死亡届の様式になっており、右側に医師が記入した状態で受け取ります。左側は遺族が記入しますが初見ではやや難しいため、葬儀社との打ち合わせまで記入していなくても構いません。

※参照:死亡診断書(死体検案書)について - 厚生労働省

搬送先の​決定

病院の霊安室は、ご遺体を2~3時間程度しか保管できないのが一般的です。ご遺体を速やかに搬送するためにまずは搬送先を決めましょう。

以前は自宅での葬儀が多かったため自宅安置が主流でしたが、近年は葬儀会場に斎場を選ぶ遺族が増えたため、葬儀社の安置室に保管するのが一般的になりつつあります。

また戸建てからマンションへと住宅形態が変化している点も、葬儀社の安置室を利用する理由に挙げられるでしょう。

予算や自宅の環境を考慮して安置場所を決定します。

葬儀社や遺体搬送業者の​手配

葬儀及び搬送を依頼する葬儀社に連絡をします。

葬儀を依頼する葬儀社はもう少し検討したい気持ちがあれば、搬送だけを依頼するか遺体搬送専門業者を呼ぶことも可能です。

搬送

遺体を安置場所へ搬送します。

寝台車が病院に到着するまでに、退院手続きや病室の荷造りを終えておくのが望ましいでしょう。

安置

搬送場所に到着したら安置の準備に取り掛かります。

仏壇がある場合は仏壇の前にスペースがあれば、そこに安置するといいでしょう。布団の上にご遺体を寝かせ、可能であれば頭は北枕か西枕になるようにします。掛け布団は上下逆にしてかけるという習俗もありますが、近年はあまりみかけなくなりました。

ご遺体の保冷はドライアイスを利用しますが、冬期は暖房を切り、夏季は冷房をつけておきます。

自宅安置ではベッドに安置するケースもみられます。

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安置​する際にかかる費用の内訳と​相場

遺体の安置に掛かる費用の内訳と、それぞれの費用相場を確認しておきましょう。

項目費用相場
遺体搬送料10km以内:1~3万円(基本料金)
10km以降:10km増えるごとに2~5千円程度
安置施設​利用料​1日当たり:5千~3万円
ドライアイス費用1日当たり:1万~1万5千円
エンバーミング費用15~25万円
※専門技術を持つ資格保有者による施術費用相場

遺体搬​送料​

遺体搬送料は故人が亡くなった場所から搬送先に搬送する際、安置場所から葬儀会場に搬送する際に発生します。

基本的に搬送距離によって費用は異なり10km以内なら基本料金は1~3万円、10km増えるごとに2~5千円程度加算される傾向にあります。

ただし、葬儀を依頼する葬儀社に搬送依頼をした場合は、近距離であればプラン料金に含まれるケースも多くみられます。

安置施設​利用料​

葬儀式場併設の安置室や遺体保管施設にご遺体を安置する場合には、安置施設料がかかります。

1日安置する度に発生する費用で、1日当たり約5千~3万円が相場とされています。

ドライアイス費用

葬儀社が用意するドライアイスは遺体の状態を保つため、気温が高い日は1日ごとに交換するのが理想です。1日当たりのドライアイス費用は、1万~1万5千円が相場です。

必要なドライアイスの量は季節によっても異なるため、あくまで目安としておきます。

付き添い​・面会費用

安置室に安置した場合は、付き添いの宿泊時に費用が発生するケースがほとんどです。費用相場は、1日当たり数千円~3万円と幅があります。

一方、面会に関しては無料のところが多いですが、葬儀社や施設によっては面会費用が発生します。その場合の費用相場は、1時間当たり3千円前後といわれています。

エンバーミング費用

エンバーミングとはご遺体の腐敗を防ぎ、衛生的かつ見栄えよく保つことを目的とした技術です。より生前の元気だった頃の状態に近づけることができ、最大50日間ご遺体を保管できます。

長期保管できることから、故人とゆとりをもってお別れすることが可能です。

専門技術を持つ資格保有者による施術費用相場は、約15~25万円といわれています。

まとめ

最後に、これまで解説したご遺体の安置について重要な項目をまとめます。

まず、ご遺体は死亡後24時間以上の安置が法律で定められています。そのため、安置する場所が必要ですが、自宅の他に、葬儀式場併設の安置施設や遺体保管専用施設があります。

費用や付き添い・面会の可否などを含め、希望が適う所を選ぶとよいでしょう。また、安置に必要となる費用には、搬送料、施設利用料、ドライアイス費用などがあります。

以上、大切な方が亡くなって心の余裕がないときに慌てないための知識として参考にしてください。

安心葬儀では遺族の希望に沿った葬儀ができる葬儀社を、最大3社まで一括無料見積もりします。葬儀を依頼する葬儀社に搬送依頼することで、そのまま葬儀の打ち合わせを行えるため遺族の負担を最小限に留められるでしょう。

葬儀社選びに困ったら、お気軽にお問い合わせください。

監修者コメント

葬儀の形が小さくなり、安置の期間をどのように過ごすかが重要になってきます。付き添い面会ができるのが理想ですが、予算の関係で面会時間に制限がある安置室を使用せざるを得ない状況もあるでしょう。近年は居室で安置ができる介護施設も増えてきました。暮らしの場から送る取り組みをする介護施設が注目されています。


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