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葬儀の知識

枕飾りとは?宗教別の飾り方やマナーを解説

枕飾りとは?宗教別の飾り方やマナーを解説

枕飾りとは、自宅などに安置されたご遺体の枕元に設置される祭壇のことです。実際には目にしたことがなくても、多くの人が映画やドラマなどで枕飾りを見たことがあるのではないでしょうか。

この記事では、枕飾りの宗教的な意味や役割、宗教・宗派ごとのしきたりなどについてわかりやすく解説します。

枕飾りとは?

人が亡くなると、遺体は通夜や葬式まで自宅や葬儀社の専用施設などに安置されます。 このとき、遺体の枕元に置かれる机やその上に飾る香炉、ロウソク立て、花瓶などのお供え物を総称して「枕飾り」といいます。

机の上にお供えするものは、宗教、宗派、地域などによって異なります。不明な場合は、葬式を依頼する葬儀社に確認するとよいでしょう。

枕飾りはどうやって準備する?

通常、枕飾りは葬儀社が準備してくれます。

葬儀社が保有する安置施設を利用する場合は、葬儀社のスタッフが遺体を安置する際に、枕飾りを整えてくれます。このような施設では、複数のご遺体を同時に安置しているケースが多いため、枕飾りも共有のものを使用します。

一方、自宅に安置する場合は、仏間や居間などに布団を用意して遺体を安置します。身体は北枕(あるいは西枕)で寝かせ、顔に白い布をかけて、そして枕元に枕飾りを設置します。

かつては、枕飾りを整えた後に、僧侶に「枕経」を読み上げてもらいましたが、昨今では省略することが多いようです。

また、掛布団の上にカミソリやハサミといった刃物を置く「守り刀」と呼ばれる習慣があります。守り刀には、遺体に取り付く邪気や厄災を払う役割があると言われています。葬儀社が木製の短刀を用意するのが一般的です。

枕飾りの役割

なぜ、遺体の枕元に枕飾りを置くのでしょうか。 通夜や葬式の前に、訃報を聞いた人が弔問に訪れることがあります。こうした場合、枕飾りは焼香や礼拝を行なうための簡易な祭壇としての役割を持っています。

また、枕飾りは故人の魂が迷うことなく成仏するための道しるべとしての役割も持っています。 体から離れたばかりの魂は、この世に執着を持ち、現世に残ろうとするといわれています。そのため、枕飾りのお供えや枕経によって魂を供養し、あの世へと導く必要があるのです。

枕飾りのマナー

枕飾りのお供え物は、宗教、宗派などによって異なる点があります。ここでは、一般的な仏教のしきたりに沿った枕飾りについて、気をつけたいポイントを解説します。

灯明を絶やさない

枕飾りのロウソクの火は、納棺まで絶やさないようにしましょう。なぜならロウソクの火は、故人の魂が迷わないための灯りと考えられているからです。

ただ、これらは昔から言われている慣習に過ぎず、現実的に火を絶やさずにいられないケースもあるでしょう。 万が一消えてしまったとしても、そこまで気にすることありません。再び火を灯せばそれでよいでしょうし、火が消えたからといって、何か悪いことが起こるというわけではありません。

灯りを絶やさないために、「ブロンマ」と呼ばれる蓮の形に切り込みの入ったロウソクがあります。 このブロンマは大変便利なものです。

一つは火災予防。一般的なローソクのように細長いのではなく、ずっしりとしているため転倒による火事のおそれがさほどないでしょう(もちろん万が一のことも起こりえるため、充分に気をつけましょう)。

もう一つは火の燃焼時間。約16時間にも及ぶため、途中で灯りが絶える心配がありません。

線香を絶やさない

灯明とあわせて絶やしてはならないのがお線香の煙です。 故人の遺体を無縁の霊から守るために、そしてきちんと供養されるようにという理由から、また、冷却用のドライアイスのない時代には死臭を抑えるために、昔から寝ずにお線香の番をしました。

夜通し故人様に付き添うのはとても大変なことですが、しかしこの時間が葬儀の中で最も有為期だったりもします。家族や親族がよなよな故人様との思い出話に耽る機会にもなります。 万が一お線香の火が絶えてしまったからといって、こちらも悪いことが起きるわけではありません。

お線香を絶やさないための用いられるのが「巻線香」です。渦巻き状の線香で1枚で約10時間 燃焼します。こちらも葬儀社が用意してくれるでしょう。

枕飯を用意する

白米を炊いて「枕飯」をお供えします。故人ってが生前に使いた茶碗に白ご飯を山盛りにし、箸を2本立てます。 ご飯を山盛りにするのは、故人がこの世に未練を残さないようにするためといわれています。

故人が現世を振り返ったときに、山盛りのご飯で後ろが見えないようにするためとされ、ご飯の山は高ければ高いほど良いと考えられています。 箸を2本立てるのも、ご飯の山の高さをさらに高くするためといわれています。

枕団子を用意する

故人様へのお供え物に枕団子があります。上新粉で白い団子を6個作り、枕飯とともにお供えしましょう。 この枕団子は死出の旅に携えるものと考えられました。 6個お供えするのは、仏教の六道輪廻に由来します。

人は死後、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道の、6つのいずれかの世界に生まれ変わるとされているのです。

枕飾りの費用

枕飾りにかかる費用を見てみましょう。

葬儀社が用意したものを使用する場合

枕飾りの費用は、お供え物の種類によって差がありますが、通常は約1〜3万円が相場です。

ただし、遺体を搬送・安置する際に、葬儀社が決まっている場合は、枕飾りの費用は葬儀代金の中に含まれていることが大半です。

気になる場合は、事前に確認しておきましょう。

自分で用意する場合

遺族で枕飾りを用意する場合は、どのようなお供え物を用意すればいいのか、檀那寺(旦那寺)や葬儀を依頼する葬儀社に問い合わせる必要があります。

仏教式で行なう場合は、準備する品目が多く、香炉といった比較的高価なものも必要となるので、費用が高くなる傾向です。

また、通夜、葬儀の前の慌ただしいなか、遺族自身が枕飾りをきちんと準備するのは、負担となることもあります。時間的な余裕なども考慮して慎重に対応しましょう。

宗教別の飾り方

枕飾りの飾り方は、宗教・宗派により異なります。

仏教の場合

小さい机に白い布をかけるか、白木の小机を用意して下記のものを並べます。ただし、浄土真宗では枕団子、枕飯、水は飾りません。

  • 香炉
  • ロウソク立て
  • 花瓶
  • 枕団子
  • 枕飯
  • 鈴(リン)

香炉、ロウソク立て、花瓶は「三具足(みつぐそく)」と呼ばれ、祭壇を作る際に必要な道具です。

3つではなく、ロウソク立てと花瓶を1対にして「五具足」とする地域もあります。

花瓶には樒(しきみ)を一本挿すのが基本ですが、ない場合は菊や百合、水仙などで代用します。

枕団子や水は、浄土へ旅立つためのお供え物とされています。

神道の場合

八足机といわれる白木の台の中心に三宝と言われる台を置いて、その両側に榊を挿した花立を置きます。三宝には洗米、塩、水、お神酒を並べます。 また、故人の好物を並べてもよいとされ、肉や魚などもお供えできます。

キリスト教の場合

キリスト教では、本来は枕飾りを飾ることはありません。 ただし、臨終直前に行われる儀式で枕飾りのようなものを用いられることがあります。この場合は、白または黒の布で台を覆い、その上にロウソク、花、十字架や聖書、パンや水などが供えられます。

さらに、聖油が用意されることもあります。聖油は、臨終の際に神父が故人の生前の罪の許しを乞い、安らかに眠ることを祈って顔に塗る油です。

まとめ

「枕飾り」は、遺体の枕元に設置される祭壇やお供え物の総称です。

通夜の前に訪れた弔問客が、焼香、礼拝するための簡易的な祭壇であり、と同時にこの世に執着を持った魂が迷わないように、浄土へと導く道しるべの役割を持っています。

お供えの内容は宗教、宗派により異なり、仏教の場合は、魂が迷わないようにロウソクの火を灯さないようにして、「枕飯」と呼ばれる山盛りのご飯を供えます。

費用はほとんどの場合、葬儀代金に含まれていますが、念のため事前に確認しておきましょう。

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