宗教宗派によって異なる葬儀の特徴を解説
お葬式は、宗教や宗派によって内容や作法などが異なります。例えば宗派によって焼香の回数が違います。また特定の宗教や宗派を対象とした葬儀場や葬儀社も存在します。
葬儀を執り行う立場としても、宗教や宗派による葬儀の違いについて知っておかなければ、恥をかくだけでなく、参列者や司祭者に対して不快感を与えてしまうことになりかねません。
そこで今回は、葬儀に関して、主な宗教や宗派ごとで異なる点や注意点などについて解説します。
宗派による葬儀の違い
ここでは、主だった宗教宗派の葬儀について、どのような違いや特徴があるのかを紹介していきます。自分の宗派とは違う宗教宗派でも、一般的知識として持っておいた方がよいでしょう。
仏教各宗派の比較
まずは仏教各宗派の経典、焼香、費用などについて見ていきましょう。
仏教各宗派の主たる経典・焼香の作法に関して
宗派 |
主たる経典 | お焼香(抹香を使用する場合) |
線香の |
|
---|---|---|---|---|
回数 |
方法 | |||
天台宗 |
妙法蓮華経(法華経) (みょうほうれんげきょう) |
1~3回 |
抹香をつまみ、額のところまで 掲げてから、香炉にくべる |
3本 |
日蓮宗 |
||||
真言宗 |
大日経(だいにちきょう) (こんごうちょうぎょう) |
3回 |
抹香をつまみ、額のところまで 掲げてから、香炉にくべる |
3本 |
浄土宗 |
阿弥陀経 (あみだきょう)など
(じょうどさんぶきょう) |
1~3回 |
抹香をつまみ、額のところまで 掲げてから、香炉にくべる |
1本 |
浄土真宗 |
1回 |
抹香をつまみ、 そのまま香炉にくべる |
1本 |
|
真宗 |
2回 |
抹香をつまみ、 そのまま香炉にくべる |
1本 |
|
時宗 |
1~3回 |
抹香をつまみ、額のところまで 掲げてから、香炉にくべる |
1~2本 |
|
臨済宗 |
般若心経 (はんにゃしんぎょう) (だいひえんまんむげじんじゅ) |
1回 |
抹香をつまみ、 そのまま香炉にくべる |
1本 |
曹洞宗 |
般若心経 (はんにゃしんぎょう) (だいひしんだらに) |
2回 |
1回目は抹香をつまみ、 額のところまで掲げてから、 香炉にくべる そのまま香炉にくべる |
1本 |
経典とは:仏教でいうと、仏の教義や教を記したものであり、他宗教であればキリスト教の「聖書」であったり、イスラム教の「コーラン」が経典になります。経典の「経」は不動不変の真理を表していて、サンスクリット語のスートラを漢字に訳したもので縦を意味していると言われています。
焼香とは:仏教における焼香は、「仏様(故人様)が香りを召し上がれるもの」という考え方があることをはじめとして、仏様や故人へ香りをささげることによって、供養するという意味が込められています。また、焼香をする側の邪気・邪念を取り払うとも言われており、心身を清め祈りをささげるという意味も込められています。焼香の起源はインドと言われ、もともとは遺体の腐臭などを消すために香を焚くようになったとも言われています。
仏教各宗派の費用・数珠の持ち方・祭壇・供花の比較
これらについては、宗派による違いはほとんどありません。ただ、数珠の形状は宗派によって違いますので、形状による持ち方の違いが生じることはあります。また中には、男性用・女性用の数珠に分かれている場合もあります。
仏教各宗派のその他の比較
各宗派がある中で、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派については阿弥陀如来の力によって極楽浄土に導かれるという考え方があります。
そのため、浄土真宗の両派は他の宗派と異なり、葬儀において故人をあの世へ送り出したり、よりよい世界に行けるよう祈ったりすることはありません。
浄土真宗本願寺派と真宗大谷派以外の宗派では、故人をあの世へ送り出すために戒名授与、受戒、引導という作法を中心に葬儀が行われます。
なお、葬儀後に行われる四十九日や三回忌などの法要や法事は、故人があの世でよりよい処遇を受けられるよう祈る意味があります。
仏教・神道・キリスト教・無宗教の比較
これまでは仏教各宗派の比較を紹介しましたが、ここでは葬儀に関する基本的な項目を、仏教・神道・キリスト教・無宗教のそれぞれで比較します。
仏教 | 神道 | キリスト教 |
無宗教 |
|
---|---|---|---|---|
経典 |
各宗派による | なし | 聖書 |
なし |
費用 |
葬儀代以外にお布施が必要。 | 葬儀代以外に神社への謝礼が必要。 供え物代が他宗教よりも掛かる(神饌)。 |
葬儀代以外に教会や楽器奏者への謝礼が必要。 仏教・神道と比べると葬儀代は安く済む傾向。 |
寺院など宗教者への謝礼は不要。 |
遺体の安置・搬送 |
布団に遺体を北枕か西枕で寝かせ、手に数珠を持たせて合掌の形にする。 白木の台に、ろうそくや香炉、線香などの供物を置いた枕飾りを用意する。 |
布団に遺体を東枕か西枕で寝かせる。手は合掌の形にするが、数珠は持たせない。 仏教同様に枕飾りを用意するが、供物はお神酒や榊、御霊代などで、仏教とは異なる。 |
カトリックの場合、故人にパンとぶどう酒を与えて神父が祈りをささげる「聖体拝領」を行う。 プロテスタントの場合は、遺体を寝かせて両手を組み、遺体の上に聖書を置く。 |
搬送・安置への流れは一般的な臨終時と一緒だが、枕飾りといった宗教的な作業は必要ない。 |
祭壇 |
白木祭壇や生花祭壇が利用される。 |
八足祭壇と呼ばれるものが基本だが、最近は生花をメインにした祭壇も使用される。 |
特にカトリックでは祭壇は簡素になるため、祭壇料が安く済む。 |
施主の意向により自由に祭壇を決められる。 |
供花 |
菊を中心としたもの。 |
菊を中心としたもので白色が基本。 |
菊を使用せず洋花で作られたもの。 |
施主の意向により形状や花の種類に制限はない。 |
葬儀の |
宗派による考え方の違いもあるが、故人をあの世へ送り出すこと。そして、あの世でよりよい処遇を受けられるよう祈るもの。 |
故人が神様になるために行うもの(亡くなった人は家や子孫を守る神様になるという考え方をする)。 |
神様に対する感謝、祈りをささげるもの(人の死は安らかな眠りに付くことであり、祝福されるべきものとされる)。 |
施主の意向によってさまざまである。 |
宗派による葬儀場
ここでは宗派による葬儀場と菩提寺について解説していきます。
菩提寺とは
「菩提寺(ぼだいじ)」とは、先祖代々のお墓があって、葬儀や法要を依頼している(または依頼できる)お寺のことを言います。菩提寺に所属している各家庭のことは、檀家(だんか)と呼ばれています。
菩提寺がある場合には、葬儀を行う場所の選択肢として菩提寺も候補に挙げられます。これは、お寺で葬式をするということです。
葬儀を仏式で行う場合には、葬儀社からまず菩提寺の有無が確認されます。菩提寺を無視して葬儀を進めることはできないからです。
例えば、菩提寺があるのに他宗派や他寺院に葬儀を依頼してしまうと、基本的に菩提寺のお墓に納骨することができなくなってしまいます。
菩提寺が分からない場合
自分の家に菩提寺があるようだけれど、どこの寺院なのか分からないという方もいます。このような場合には主に次の確認方法が考えられます。
- 親戚に聞いてみる
親戚でも特に高齢の方や、本家筋の方が頼りになる場合が多くあります。 - 家に仏壇がある場合には、仏壇の収納部分を確認してみる
仏壇の引き出しなどの収納部分に寺院名の入った書類や小物がしまってあることがあります。 - 先祖の戒名に使われている漢字から調べる
戒名は仏教の宗派によって付け方に傾向があり、戒名に使われている漢字から宗派を特定することもできます。その宗派のお寺に問い合わせてみるのも一つの手段です。
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菩提寺がない場合について
前述の方法で調べても菩提寺が分からなかった場合、選択肢としては下記が考えられます。
- 葬儀を依頼する葬儀社などから寺院を紹介してもらう
- インターネットを通じて寺院紹介業者や寺院派遣会社を利用する
- 近所の方に寺院を紹介してもらう
- 親族と相談する
いずれの選択肢でも、葬儀だけの一時的な依頼とする場合と、新たに檀家になるという場合があります。
新たに檀家になる場合には、入壇料や護持会費などの費用が必要になることが一般的で、檀家として付き合いを続ける中で、寺院の改修などの際に寄付を求められることもあります。
また、仏式葬儀ではなくなりますが、菩提寺がない場合、僧侶を呼ばずに無宗教で葬儀を行うことを選択される方もいます。
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葬儀場の選び方
葬儀場の選び方のポイントを解説します。葬儀場選びは葬儀社によるところも大きいので、葬儀社の選び方も含めて紹介していきます。
葬儀場の寺社の宗派を調べる
希望する葬儀場が見つかったとしても、その葬儀場が寺社が所有して運営している場合、利用条件として宗教宗派が限定されている場合があります。
したがって寺社の所有・運営の葬儀場で行う場合には、事前に宗教宗派の制限がないかの確認が必要です。
檀家でなくても利用できる寺院の葬儀場でも、仏教以外の宗教による葬儀では利用できないケースもあるためです。
複数の葬儀場をネットやパンフレットで比較する
葬儀場には、それぞれに特徴があります。式場の大きさ、雰囲気、交通の便、利用料金、宿泊が可能かどうか、入浴設備の有無、駐車場の大きさなど、比較できるポイントはたくさんあります。
余裕があれば複数の葬儀社から見積もりを取り、それぞれの内容を比較することでよりよい葬儀社と葬儀場を選択することができます。葬儀内容によっては追加料金が発生する葬儀社もあるため、複数の見積もりを比較することで、自分が希望する葬儀内容を納得できる費用で行うことができる最適な葬儀社を見つけることができます。
必要以上に費用を掛けないためにも、家庭にあった葬儀社と葬儀プランを選ぶことが大切ですし、より満足ができる葬式にするためにも、できる限り複数の葬儀場を比較検討して選びたいものです。
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最後に
今回は、葬儀に関して主な宗教宗派ごとで異なる点や注意点などについて解説しましたが、いかがでしたか。
自分とは異なる宗教や宗派のことを知ることで、あらためて自分の宗教や宗派のことが理解できることもあるのではないでしょうか。
ここでは葬儀を出す立場の方のことを想定して解説を進めましたが、今後葬儀に参列する立場になったときにも役に立つ内容であったと思います。よい葬儀につながるよう参考にしてください。
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ステップ3
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