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身内が死亡時のパスポートの返納は必要?手続き方法を紹介します

身内が死亡時のパスポートの返納は必要?手続き方法を紹介します

パスポートは、国際社会において自己の身分を明らかにし、また海外において正当な保護を受けるためにも必要となる重要な証明書です。

身内が亡くなると、残された家族は葬儀やお墓のことだけでなく保険、年金、相続など、多種多様の手続きに対応していかなければなりません。

では、身内が亡くなった場合、パスポートはどのようにすれば良いのでしょうか。

今回は身内が亡くなった際のパスポートについてお伝えしてまいります。

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名義人が亡くなった時のパスポートの効力について

パスポートには国が名義人の渡航を認め、国籍などの身分を証明し、渡航国において名義人が自国民として保護が受けられるよう国から国へと要請するという効力があります。

このパスポートが持つ効力は、名義人が亡くなった際どうなるのでしょうか。

旅券法第18条には、どのような場合にパスポートが失効するのか規定があり、この第1項に 「旅券の名義人が死亡し、又は日本の国籍を失つたとき」と記載されています。

つまり、名義人が亡くなった時にパスポートの効力は失われるということです。

なお、死亡届の提出を行った時点ではなく、死亡と同時に効力を失うという点に注意しておきましょう。

このパスポートの失効は、日本国内にいるときに死亡した場合でも、海外にいるときに死亡したときでも同様です。

ただし、本来の効力は失われるのですが、海外で亡くなり遺体として日本に戻る手続きのなかで、国によってはパスポートが必要になる場合もあります。

名義人が亡くなった時のパスポートの返納手続きについて

名義人が亡くなった場合には、旅券法第19条により「遅滞なく返納しなければならない」と定められています。 では、「遅滞なく返納」とは具体的にどのように手続きを行なえば良いのでしょうか。

返納手続きができる場所

パスポートの返納手続きができるのは、全国の都道府県に設置してある旅券事務所(パスポートセンターなど)です。

自治体によっては、市区町村役場の窓口でもパスポート関連の対応をしているところもあります。なお、国外では最寄りの日本大使館や総領事館など、在外公館で返納手続きが可能です。

パスポートセンターの開庁時間や休業日は地域によって異なる場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

返納手続きに必要なもの

パスポートの返納手続には、下記が必要となります。

  • 故人名義のパスポート
  • 死亡した事実が確認できる書類(死亡診断書の写し、死体検案書の写し、埋火葬許可証の写し、戸籍抄本、戸籍謄本、除籍抄本、除籍謄本、住民票の除票など)
  • 返納届(パスポートセンターなどの窓口にあります)
  • 窓口に行く方の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、保険証など)

ただし、有効期間満了日を過ぎているパスポートの返納については、返納届の提出は不要です。また、死亡した事実が確認できる書類についても提出が不要な自治体もあります。

なお、パスポートの発行時には手数料がかかりますが、返納についてはかかりません。

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パスポート申請中に亡くなった場合はどうなる?

ときには、パスポートの申請中にお亡くなりになってしまうというケースもあるかもしれません。

このような場合には、基本的にパスポート申請の取り下げ手続きを行います。取り下げ手続きには、下記の書類を用意して申請が行われたパスポートセンター等の窓口に行くことになります。

  • 旅券引換証(申請時に交付されるものです)、または受付カード(督促ハガキ)など
  • 死亡診断書など死亡の事実が確認できる書類
  • 来所者の本人確認書類
  • 旅券名義人と届出人との関係がわかるもの(戸籍謄(抄)本、住民票、など)

なお、原則としてパスポートは交付されません。

また、取り下げ手続きを行わず受け取らなかった場合には、パスポート発行後6か月が経過すると、自動的にパスポートは失効の処理が行われ、受け取らなかったパスポートはパスポートセンターなどで破棄されます。

名義人が亡くなった時にパスポートを手元に残す方法について

パスポートは、故人が渡航した各国の記録が残されています。なかには故人を偲ぶ品物のひとつとして、または形見として自分の手元に置いておきたいという方もいらっしゃるかもしれません。

旅券法では、パスポートの名義人が亡くなった場合、遅滞なく返納しなければならないと定められているのですが、故人のパスポートを手元に残しておく方法もあります。

旅券法第19条では「名義人が返納すべき旅券を保有し続けることを希望する場合には、その旅券に消印を受けて還付ができる」と定められています。

故人の家族は名義人本人ではないわけですが、故人の家族が希望した場合においても、この第19条を援用する形で無効化処理を行ったあと、家族にパスポートを返却してもらうことが可能です。

なお、パスポートセンターなど返納手続きを行う場所によっては、手元に残したいという意思表示をしなくても無効化処理が終わったあとに、自動的にパスポートが返還されるところもあります。

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パスポートの返納、無効処理をしない場合のリスクについて

外務大臣または、領事官からパスポートの返納を命じられていた名義人本人が、返納に応じなかった場合には罰則があります。

一方で法律上、パスポートを所持していた方が亡くなった場合、「遅滞なく返納しなければならない」と記載されているものの、残された家族が返納しなかった場合について特に罰則はありません。

法的にも、パスポートセンターなどで無効の確認手続きを済ませれば、パスポートを手元に残すことはできます。

しかし、パスポートの盗難に合い、悪用されるというリスクは認識しておく必要がありますので、適切な管理が大事です。

パスポート盗難で悪用されるリスクとは、たとえば偽造変造し犯罪に使用される可能性や、記載された故人の情報を利用される可能性などが考えられます。 ときにはテロ活動者の手に渡り、偽変造されたパスポートで密入国が行われ、人の生命に関わる事態にまで発展してしまう可能性も捨てきれません。

直接的に自分が被害を受けるかどうかはわかりませんが、適切な管理に自信がないという場合には、返納を再検討することも考えましょう。

最後に

今回は、身内が亡くなった際のパスポートについてお伝えしてまいりました。

旅券法の定めにより、死亡時点で故人名義のパスポートは効力を失い、故人のパスポートは遅滞なく返納することが原則です。

ただし、故人のパスポートを手元に残しておきたい場合には、一度返納手続きを行い無効化処理がされるとパスポートの還付を受けることができます。

パスポートは犯罪に悪用される可能性もありますので、取り扱いには充分な注意を払うことが重要です。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

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