形見分けのマナーとは?いつ・誰に分けるかを解説
故人が大切にしていたものを親交の深かった人に形見として分けることが「形見分け」です
形見分けをどのタイミングで行えばよいのかやその手順について知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、形見分けのマナー、いつ・誰に分けるのか、品物の種類などについて解説します。
形見分けの作法を知りたい方は参考にしてください。
形見分けとは
まず、形見分けの基本知識について紹介します。
故人の愛用品を分けること
形見分けとは、故人が愛用していたものを親交の深かった人に贈ることを言います。
受け取った人は、その品物を通じて在りし日の故人を感じ、偲ぶことができます。
普段使いできる品物の場合、目にするたびに故人を思い出すでしょう。
形見分けを行わない場合もある
形見分けは、必ず行わなければならないというものではありません。
遺族が「しない」と決めた場合、その考え方に従う必要があります。
必ず行われるものとして遺族に催促するのは、失礼になるので気を付けましょう。
遺産相続との違いは?
金銭的な価値が高いものは遺産として扱われ、相続の対象となります。
対象としては、資産価値のある土地やマンションなどの不動産、物品としては自動車や高価な宝飾品、骨董品などが当てはまります。
一方の形見分けは、故人が愛用していた品物を親交の深かった人に贈ることを指す言葉で、一般的に遺産(金銭的価値が高いもの)となるものは扱いません。
しかし、品物によっては高価ということもあり得るので、形見分けのつもりが相続トラブルに発展することもあります。
トラブルを起こさないためにも、金銭的な価値が高い品物を扱う場合は、遺産相続の対象になる可能性があることを踏まえた上で形見分けをすることが大切です。
形見分けはいつする?
形見分けは、どのタイミングで行われることが多いのでしょうか。
【仏式】四十九日後
仏式では「四十九日」後に行われることが多いです。
忌明けの法要後ということで、故人を弔う意識にも一区切りがつき、遺族も少しずつ日常生活に戻る頃合いということも理由だと考えられます。
また、四十九日法要は重要な忌日法要として親族が集まる機会ということで、形見分けも行いやすい傾向があります。
【神式】三十日祭・五十日祭後
神式も仏式と同様の考え方で、五十日祭のときに形見分けを行うことが一般的です。
神式では、仏式の忌日法要にあたる十日ごとの霊祭があります。十日祭は亡くなってから日が浅い葬場祭(告別式)の日に行われることもあり、二十日祭・三十日祭・四十日祭については遺族だけで行われたり省略されたりする場合もあります。そのため、親戚が一同に集まるタイミングとしては五十日祭ということになります。
親族が集まった時に形見分けを行うと、トラブルに発展することが少なくなります。
【キリスト教】死後1カ月後のミサあるいは召天記念日の後
キリスト教では死後1カ月後の追悼ミサ(カトリック)、召天記念日(プロテスタント)の後に形見分けを行うことが多いです
なお、形見分けをいつまでに行うとよいのかの決まりはないので、親族が集まる機会に形見分けをするのもよいでしょう。
形見分けは急ぐ必要はない
形見分けは、すぐに行う必要はありません。
気持ちが落ちついてからでも構いません。
急いで行うと、後で故人の愛用する品物が出てきて二度手間になることもあるので、遺品整理を行い、故人の遺したものに向き合いながら、ゆっくり準備を進めていくのも一つの方法です。
形見分けは誰にする?
続いて、形見分けを誰に行うかを解説します。
故人と親しい人に分ける
一般的に、故人と親交が深かった人に分けることが多いようです。
品物を大切に使ってもらうことを前提にしているので、相手が誰でもよいというわけではありません。
また、さして親しくない人に品物を渡すと、ありがた迷惑となることがあります。
形見分けという手前、簡単に捨てることもできません。
渡す相手の気持ちを考えた上で形見分けを行うことが大切です。
親から子・きょうだいに分ける
形見分けは、親から子・きょうだい、甥姪など、血縁者に分け与えることが多くなります。
目上の人への形見分けは確認を取る
目上の方に形見分けをする場合、相手が希望していることが確認できる場合のみにしましょう。
声を掛けずに、受け取る相手から特に希望もないのに、そのまま渡すのは失礼に当たります。
形見分けの品物は、相手の希望があった場合はそれを渡すようにしてください。
生前に決めておくとスムーズ
亡くなった後に誰に品物を渡すかは、遺族が考えると悩むことがあるので、生前に決めておくとスムーズです。
また、本人の希望を尊重することも大切と言えます。
遺族がよかれと思ってしたことも、本人の意思に反していたり相手を困惑させたりすることもあるかもしれません。
なお、形見分けについては遺言に残しておくと、本人の意思が最も尊重されると言えます。
形見分けの仕方
形見分けの作法について紹介します。
手渡しが基本
直接面と向かって、手渡すのが基本です。
そのため、親族で集まる機会に行うのがお勧めです。
故人の思いなどを添えて渡すようにすると、丁寧な印象を持たれることがあります。
包装はせずに渡す場合が多い
形見分けでは、品物は包装せずに渡すのがマナーです。
丁寧にラッピングする必要はありません。
何かに包みたいという方は、半紙などの白い紙を用意してください。
また、目立つ汚れがある場合、できる範囲で綺麗にしておきましょう。
壊れやすいものについては、むやみやたらに触らず、最低限の手入れに留めるようにしてください。
挨拶状を出すと丁寧
遠方にいる方に品物を渡したい場合、輸送でも構いませんが、挨拶状を出すと丁寧です。
なお、品物だけを送ると、何のために贈られてきたものなのか分からずに相手を困惑させることがあります。
品物によっては壊れやすいものがあることから、丁寧に梱包を行うようにしてください。
どんなものが形見分けされる?
一般的に、どのような品物を形見分けとして渡すことが多いのでしょうか。
以下に紹介しますので、参考にしてください。
衣類
故人が愛用していた衣類です。
スーツ、ジャケット、着物などが挙げられます。
なお、着古したものはシミなどがついていることがあるので、クリーニングに出してから手渡すようにしましょう。
万年筆・時計・カメラ・鞄
万年筆・時計・カメラ・鞄など、故人が愛用していた実用品は形見分けの品物として選ばれることが多いです。
なお、使用頻度が高いと、汚れていることがあるので、手入れを忘れずに行いましょう。
アクセサリー・貴金属
身に着けられる、アクセサリー・貴金属も形見分けとして贈られることが多い品物です。また、数珠を形見分けとして血縁同士で受け継ぐこともあります。
なお、高価なものは遺産相続の対象となることがあるので、事前に買取価格を押さえておくようにしましょう。
絵画・本・写真・ビデオ
絵画・本・写真・ビデオも形見分けの対象に入ります。
絵画は、相続財産とみなされる場合があるので、事前に鑑定を行い金銭的な価値を把握しておくようにしてください。
本は好みが分かれるため、確認を取ってから渡すようにしましょう。
写真・ビデオは、渡す相手が写っているものは快く受け取ってもらえることが多いです。
釣り具・囲碁・将棋
釣り具・囲碁・将棋の道具は、同じ趣味を持つ方からは喜ばれます。
逆に、受け取る人によっては、扱いに困ることがあるので、確認を取るようにしてください。
家具
家具・数珠も形見分けの対象となります。
しかし、家具はものによっては運搬の手間がかかり、置く場所も選ぶため、相手に確認を取ってから渡すようにしましょう。
形見分けの注意点
形見分けの注意点について紹介します。
相手が断った場合は控える
相手がいらないと断った場合、無理やり渡すのは控えてください。
形見分けは、義務で行うものではありませんので、欲しい人のみに渡すようにしましょう。
形見は綺麗にしてから分ける
最低限、品物の手入れをしてから形見分けを行うようにしましょう。
使い古したものであるほど、汚れがついている可能性が高いです。
自分が貰う立場となって形見を扱うようにしましょう。
価値のあるものは贈与税に注意
高価な品物は相続財産の対象とみなされ贈与税が発生する場合があります。
特に、時計、アクセサリー、絵画、貴金属などは注意が必要です。
トラブル防止のために、品物の価値をしっかり押さえていきましょう。
故人の品物の処分は形見分け後に行う
故人の遺した品物を処分したい場合は、形見分けを行った後に取り掛かるようにしましょう。
大事なものを渡した後ということで、心置きなく処分に踏み切ることができます。
形見分けをしない場合は?
形見分けを行わない場合、品物の扱いにはどのような選択があるのでしょうか。
衣類は寄付ができる
着る機会がない衣類は、寄付をして手放すことができます。
市区町村の役場の福祉課に相談を行うと、提供を受け入れている施設を紹介してもらえます。
特に大量の衣類の処分方法に困っている方にお勧めです。
ただし、ボロボロの衣類は受け付けてもらえないので気を付けましょう。
コレクションは団体・研究機関へ
故人のコレクションは、それぞれの団体・研究機関へ寄贈することができます。
貴重なものであるほど、喜ばれる可能性があります。
価値が理解される機関で引き続きコレクションが大切にされるため、故人の思いを汲んだ品物の整理方法と言えます。
遺品整理を依頼する
お焚き上げをして遺品を処分する方法もあります。
お焚き上げとは、ものに宿った魂を抜き、供養してもらう儀式です。
故人の遺品を遺された人が処分するのは気力を使う行為でもあります。
そこで、遺品整理の専門業者に依頼するのも一つの方法です。
お焚き上げは、故人に対する礼儀を尽くした上でまとめて処分できますし、遺品整理の中にはお焚き上げが入っているプランもあります。
遺品整理は多くの品物をまとめて処分することが可能で、お焚き上げがあるプランならば故人の愛用品を処分することへの気持ちも和らげることができます。
まとめ
形見分けは、故人の愛用品を親交の深かった人に形見として分けることです。
仏式では四十九日後、神式では三十日祭・五十日祭後、キリスト教では死後1カ月後の追悼ミサや召天記念日後に行われることが多いようです。
形見分けを行う相手は、故人と親しい人が挙げられます。
一般的には、親から子・きょうだいなど血縁者に分けることが多くなります。
生前に誰に渡すか決めておくとスムーズですが、マナーとして目上の人に渡す場合は、相手の希望がある場合のみにとどめましょう。
品物の例としては、衣類、万年筆・時計・鞄、アクセサリー・貴金属、絵画・本・写真・ビデオなどが挙げられます。
形見分けでは、相手がいらないという場合もありますので、そのときは無理に渡すことは控えます。
故人の品物はさまざまな方法で処分することができるので、それぞれに合った方法を選ぶようにしてください。
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