土葬とは?日本で行う際の流れやメリット・デメリット
本記事の結論
- 土葬とは、遺体を焼骨することなく土に埋葬する葬儀方法
- 日本で土葬を行う際は市町村長から「埋葬許可証」の交付を受ける必要がある
- 住んでいる地域によっては、土葬自体を禁止にしていることもある
- 燃料を使わない自然の循環に任せた葬法ができる
- 腐敗が避けられないことから衛生面で懸念がある
遺体をそのまま土に還す葬儀方法を土葬と言いますが、日本での土葬は可能なのでしょうか。
できるとすれば、許可が必要なのかなども気になるところです。
今回の記事では、日本で土葬を行う方法、土葬のメリット・デメリット、海外の土葬などについて紹介します。
土葬を希望していて実践的な方法を知りたい方は、参考にしてください。
土葬は日本でできるの?
まず初めに、土葬について基本的な知識を押さえていきましょう。
土葬とは?

土葬とは、遺体を焼骨することなく土に埋葬する葬儀方法です。
土葬には二つの種類があります。
遺体を土にそのまま埋葬する方法と、棺に入れて埋葬する方法です。
方法は異なりますが、遺体を土に埋葬する葬儀方法の全てを土葬と言います。
日本では石器時代から人が亡くなった後、遺体を土葬している痕跡が確認されています。
棺がなかった時代は、身体を折り曲げた姿勢のまま埋葬を行っていたそうです。
これを「屈葬」と呼びますが、邪悪な念が体に入らないようにするために行われたと言われています。
一部の地域を中心に、昭和初期くらいまで土葬が行われていたという記録も確認できるほど、日本では歴史ある葬儀方法の一つです。
土葬の現状
2011年の東日本大震災の際など、火葬場の稼働が追いつかない緊急事態において、一時的な措置として土葬(仮埋葬)が行われた事例もあります。
日本での土葬は許可が必要
日本で土葬を行うことは法律では禁止されていませんが、特別な許可が必要です。
「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」の第2条では、「埋葬とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む)を土中に葬ることをいう」と定義されています。
つまり、法律上「埋葬」という言葉自体が、焼骨ではなく遺体そのものを埋めることを指しているため、法的には正当な権利として土葬が認められています。
しかし、現実的に土葬ができる墓地は極めて稀です。現在の多くの墓地は、設置時に「焼骨(火葬後の遺骨)を埋蔵する施設」として自治体から許可を受けています。この許可の範囲外となる土葬用の区画を勝手に造成することはできず、構造的・運用的な制限から、結果として土葬の受け入れが拒否されるのが実情です。
日本で火葬が主流の理由は?
日本には長い年月を経て、今では世界一というほど火葬が主流になっています。
日本は仏教圏であり、仏教は火葬と深く結びついています。日本で火葬が主流なのは、宗教による理由が大きいのです。
また、そもそも土葬するための土地がないなどの現実的な問題に直面したことも、火葬が普及するようになった理由の一つと言えそうです。
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日本で土葬をしたい場合は
どうすれば、日本で土葬を行うことができるのでしょうか。
土葬は、法律では禁止されていませんが許可が必要です。正しい手順に沿っての対応が求められます。

土葬ができる地域を探す
土葬はどこでも行ってもよいわけではありません。まずは墓地ができる地域を探すことから始めます。なお、都市部ではほぼ100%できません。
土葬を希望している場合、念入りな準備を行う必要があります。
土葬を許可する墓地を探す
次に、土葬を許可してくれる墓地や霊園を探す必要があります。
土葬ができる地域であっても、全ての墓地や霊園が土葬を行うことを許可しているわけではありません。
むしろほとんどの場所が、土葬を不可能としていることが多いです。
具体的な墓地・霊園の名前を出すと、山梨県の場合、土葬可能な場所は以下となります。
- 風の丘霊園
- 神道霊園
気になる方は、相談してみてください。
埋葬許可証を準備する
土葬を行うには必ず「埋葬許可証」が必要となります。
死亡日から7日以内(国外で死亡した場合は3ヵ月以内)に市区町村役場の窓口に「死亡届・死亡診断書」を提出する必要がありますが、その際に「死体火葬・埋葬許可交付申請書」も併せて提出することになります。
受理されると「埋火葬許可証」が交付されます。自治体により書類の名称は若干異なりますが、土葬を行う場合はこの書類が「埋葬許可証」として扱われます。
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「土葬の会」に相談をする
「埋葬許可証」を入手したら「土葬の会」に相談しましょう。
土葬の会は、宗教や人種を問わずに土葬を行いたい人の相談に乗ってくれる団体となります。
火葬が主流の日本では、土葬を希望する場合、右も左も分からないことがあるので、心強い存在となってくれることでしょう。
具体的には、土葬を行う上での墓地を紹介してくれたり一連の流れについて丁寧に教えてくれたりします。
土葬を行う上で分からない点、不安なことがある方は、問い合わせしてみてください。
土葬のやり方
土葬を行う手順は分かりましたが、実践的なやり方についてはどのような流れになるのでしょうか。
ここでは、土葬のやり方のポイントについて紹介します。
エンバーミングの必要性
アメリカなど土葬の習慣がある海外では、遺体にエンバーミングを施すこともあります。これは土葬された遺体が土に還っていくときに、地下水に染み込み感染症を引き起こすリスクがあるためです。
エンバーミングを行うと、感染症を引き起こすリスクも軽減できるメリットもあります。
土葬をするときは、遺体をきれいな状態にしてから土に還す必要があります。
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埋葬後の注意点
土葬を行った後は、歳月が経過して遺体が分解されるにつれ、埋めた場所の地面が陥没(沈下)しやすくなります。
そのため、定期的に「盛り土」をしたり、傾いた墓石を修正したりといった火葬にはないメンテナンスが必要になる点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
土葬から改葬をする場合は
土葬から改葬をするには、遺体や遺骨を別のお墓に移さなくてはなりません。
ポイントとして押さえておきたいのは、新しく移る墓地でも土葬ができるのか確認することです。
また、改葬先で土葬ができない場合、必ず火葬された遺骨である必要があるため、たとえ既に遺骨の状態で見つかったとしても火葬の手続きを行うことになります。
火葬した後、納骨をして供養する形になります。
大まかな流れとしては以下の通りです。
- 改葬許可証、火葬許可証を入手する
- 閉眼法要を行った後、遺体(遺骨)を掘り起こす
- 遺体(遺骨)についた汚れを取り除き、きれいにする
- 火葬場で火葬をする
- 遺骨を骨壷に納める
- 開眼供養を行った後、新しいお墓に遺骨を埋葬する
土葬から改葬するための費用の目安は、5万円〜10万円と言われています。
なお、土葬期間や業者によっても費用は変動することがあるので注意してください。
土葬のメリット・デメリットは?
ここでは、土葬のメリット・デメリットについて紹介します。

土葬のメリット
メリットは、大地に生まれ大地に還っていくという思想に沿った埋葬方法が行えることです。
また、エコロジー(環境保全)の観点からも注目されています。火葬は大量の燃料を使用し、CO2や有害物質を排出しますが、土葬は燃料を使わず自然の循環に任せるため、地球にやさしい葬法と言えます。
現代では火葬をするのが一般的となりましたが、土葬は古くから行われてきた歴史があります。
土葬のデメリット
デメリットは、腐敗が避けられないことから衛生面で問題があるということです。
また、過去の日本では、遺体から感染症が引き起こされた例があるので、現実的には日本で土葬をするのは難しくなっています。
万が一、土葬した遺体が掘り返されてしまうことになると、第一発見者の方が驚かれます。
たとえ正しい方法で埋葬しても、誤解を与えてしまいやすいです。
土葬の歴史は長いものの、現代の日本においては、選択する方はほとんどいません。
他にも、土葬をするなら広い土地が必要となりますが、充分な土地を確保しにくいことから、土葬が可能な埋葬地がごく一部の地域に限られることもデメリットです。
世界の埋葬方法
日本では火葬が主流となりますが、世界ではどのような埋葬方法が選ばれているのでしょうか。
海外での埋葬方法について紹介します。
海外ではイスラム教は土葬
海外での埋葬方法は土葬が多い傾向があります。むしろ土葬をするのが当たり前というほど文化に根付いている国もあります。
理由としては、宗教観によるものが大きいです。
ですが、2000年を過ぎたころから、海外でも火葬を選ぶ方が増えてきました。
特に欧米が増加傾向にありますが、各州によっても違いが見受けられます。
アメリカ・ヨーロッパの土葬
アメリカ・ヨーロッパは、キリスト教徒が多いことから土葬が主流でした。
キリスト教においては、故人が死後に復活することを重視しています。火葬したら復活できないので、土葬を選ぶ方が多くなります。
しかし、キリスト教圏でもプロテスタント系を中心に火葬率が上昇。たとえばイギリスでは現在は火葬率が約80%といわれています。
日本には及ばないものの高い水準に達していることが分かります。なお、イスラム教においては、肉体を失うことは禁忌とされているため、生きているときと同じ状況を意識するため土葬が行われています。
中国・韓国の土葬
中国・韓国は、儒教の影響が強いことから、かつて土葬が主流でした。儒教では死後、魂の一つは天へもう一つは地に還るという教えがあることから、火葬すると魂が還る場所を無くしてしまうので、土葬を選ぶ方が多かったそうです。
しかし、近年においては多種多様な考え方が広まったことにより、火葬を行う方も増えてきました。
火葬を行う割合は、中国では60%以上、韓国では45%以上という水準になります。
土葬が難しい場合は樹木葬を検討
「自然に還りたい」という理由で土葬を希望しても、場所や費用の問題で断念せざるを得ない場合があります。その際の有力な選択肢となるのが「樹木葬」です。

樹木葬は火葬という工程は経るものの、墓石の代わりに木を植え最終的に土に還る点では土葬に近い感覚を得られるため、現代の日本に適した自然葬として選ばれています。
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まとめ
日本で土葬を行うことは可能です。
しかし、条件が設けられていて、誰でも簡単にできるというわけではありません。日本では火葬を選ぶ方がほぼ100%に近いため、土葬を行うには情報を集めるなど、事前にさまざまな準備をする必要があります。
埋葬許可証を準備した上で、土葬の会に相談することになります。
土葬をするメリットは、大地に生まれ大地に還っていくという思想に沿った、埋葬方法が行えることです。デメリットは、感染症を引き起こす恐れがあることです。
海外の埋葬方法は土葬が多いですが、近年においては火葬を行う方が増えています。
日本で土葬を行うのは正直難しい部分がありますが、確認事項や準備が非常に多いため、希望する方は生前のうちから情報収集を行い、後悔のないプランを立てておきましょう。
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