風葬とは?日本の文化・世界の風習を解説
風葬という葬儀スタイルを知っていますか?
遺体を火葬・土葬で埋葬することなく、自然に還す葬儀方法の一つで、日本でも古くから行われてきた歴史があります。
現在でも、風葬をすることは可能なのでしょうか。
今回の記事では、風葬とは何か、やり方や風習、世界・日本での歴史について紹介します。
風葬が行われている地域など、風葬を詳しく知りたい方は参考にしてください。
風葬とは?
まず、風葬の基本について解説していきます。
風葬とは?
風葬とは、遺体を埋葬することなく、外気にさらして自然に還す葬儀方法です。
火葬や土葬を行わず、そのままの状態で遺体を葬り、時間経過とともに消滅させる自然葬の一つです。
別名として「曝葬(ばくそう)」や「空葬」と呼ばれることもあります。
自然の営みに任せた葬儀方法の一つとして、世界中で古くから行われてきました。
風葬は遺体を葬る方法一つで、遺体を火葬や土葬ではなく、自然の中に安置して吹きさらしにすることで「自然に還す」ための葬儀方法で、かつて日本では沖縄を中心に世界中では特に遊牧民族の間で行われていました。
衣類を着用させたまま行われることが多く、安置する場所は樹木の上や洞窟、崖、棺や小屋に入れることもあります。沖縄では遺骨を水で洗い、改めて安置する「洗骨」と呼ばれる方法もありました。
複葬を行うこともある
風葬は、方法次第では「複葬」になることがあります。
遺体を埋葬せずに自然の営みに任せる風葬ですが、そこからさまざまな手立てを加えたものが複葬となります。
例としては、風葬で遺体が骨だけになった後に水で遺骨を洗浄することも複葬です。その後、改めて野ざらしにするケースも確認できます。
風葬は、人の手を加えず自然に還す葬儀方法を指しますが、複数の段階を経て死者を葬ることを複葬と定義することもできます。
風葬のやり方と理由
ここでは、風葬のやり方と葬儀を行う理由について紹介します。
なぜ、このような葬儀方法が誕生したのでしょうか。
風葬のやり方
風葬は、遺体を埋葬せずに自然の営みに任せた葬儀スタイルです。
やり方としては大きく分けて二つあります。
一つ目は、遺体をそのまま野ざらしにする方法です。
二つ目は、遺体が白骨化した段階で野ざらしにする方法です。
遺体をそのまま野ざらしにする場合は、衣服を着せたままの状態であることが多く、安置する場所は土の上だったり洞窟の中だったり、暮らしている地域によって差があります。
中には、遺体を枝からぶら下げる風葬も見られるほど多様です。
遺体を置く場所は、神聖な場所として扱われます。
風葬を行う理由
ここでは、なぜこのような葬儀方法が選ばれたかについて紹介します。
埋葬・火葬場所がないから
一つ目は、そもそも埋葬・火葬する場所がないためです。
埋葬するためには大きなスペースが必要ですし、力仕事となるので人手がないと行えません。
火葬するためには設備を整える必要があり、昔は今よりも充分な環境が整っていなかったであろうと考えられます。
逆に、埋葬・火葬場所があれば、風葬という葬儀方法は誕生していなかったかもしれません。
風葬は、遺体をそのまま野ざらしにする方法となるので場所を取ることがなく、人手がかからないということで、古くから選ばれてきた葬儀方法と言えます。
宗教の影響
二つ目は、宗教の影響です。
「人は大地に生まれ大地に還る」という信念に基づくと、遺体に手を加えるのはタブーと考えることもできるでしょう。
イスラム教やキリスト教では、死者が復活するという信仰に基づき、肉体がなくなることを禁忌と感じています。
さまざまな宗派がありますが、それだけ葬儀に関する考え方にも違いがあるのです。風習や信念を大事にすることは故人に対する敬意を表すことにもなります。
風葬が行われている地域【日本】
ここでは、日本の風葬について解説していきます。
現在はほぼ行われていない
現在の日本では風葬はほぼ行われていません。
古代には天皇などの身分が高い人を中心に行われていたという記録はありますが、現代は火葬が一般的です。
ただし、一部の地域においては、少し前までは風葬が行われていた記録があります。
奄美・沖縄の風葬
奄美・沖縄では、1970年代まで風葬が行われていました。
厳密に言えば、風葬ではなく複葬です。
奄美・沖縄で行われていた葬儀の順番としては、風葬、洗骨、納骨です。
遺体を野ざらしに置いて白骨化させた後、遺骨を泡盛・海水を使って洗い綺麗にします。
そして、納骨を行い供養しています。
また、一度納骨した後はそのままということではなく、何年かのスパンを持って取り出していたと言います。
現代の奄美・沖縄の葬儀は火葬が一般的ですが、風葬の名残として、遺骨を数年後に移すこともあります。
なぜ、奄美・沖縄で風葬が発展したのかというと「ニライカナイ信仰」に基づいているからと考えることができます。
極楽浄土に行くためには、肉体を自然に還す必要があるというニライカナイの信仰により、人の手を加えない風葬が選ばれました。
京都の風葬
京都には三大風葬地と呼ばれている場所があります。
それは「鳥辺野(とりべの)」「化野(あだしの)」「蓮台野(れんだいの)」です。
鳥辺野では、平安時代、身分の高い人を中心に風葬が行われていました。
当時、平安京には遺体がそのまま転がっていて異臭がしたという言い伝えもあります。
化野は嵐山の近くにある地域ですが、ここでも風葬が行われていたそうです。
弘法大師空海が供養したとも言われており、現在ではお寺が建っています。
蓮台野も風葬の地と言われていますが、千本通を通って遺体を運んだと言われています。
辺りが血の色で染まったことから、「紫野(むらさきの)」という地名が名付けられたそうです。
かつて京都では風葬が主流でしたが、その後、鳥に食べてもらう鳥葬も合わせて行われていました。
現在の京都では、火葬が一般的です。
風葬が行われていた場所も、都市に変貌しています。
風葬が行われている地域【世界】
ここでは、世界の風葬について解説していきます。
日本ではなじみがなくなった葬儀方法ですが、世界では幅広く選ばれていることが分かります。
バリ島
バリ島のトルニャン村では、現在でも風葬が行われています。
遺体を墓地の近くに集めて、竹で囲まれた土の上に野ざらしにして供養を行います。
周りには香木が植えられていますが、遺体の腐敗臭を防いでくれる役目があるということです。
また、遺骨は頭蓋骨のみ墓地に並べた上で、残りについては埋葬されます。
ボルネオ島
インドネシアのボルネオ島でも、風葬が行われています。
イバン族と呼ばれる部族が、遺体を風葬か土葬で葬っています。
一般的に土葬を行うのは庶民、身分が高い人ほど風葬を選んでいるそうです。
ボルネオ島では、風葬で葬られた人は神となってその地域を見守ると言われています。
チベット
チベットでも風葬が行われています。
遺体を自然に還し、鳥などに食べてもらう葬儀スタイルで、複葬とも言えます。
また、チベットの地形では土葬が困難で、宗教の影響にも基づいて風葬が選ばれています。
モンゴル
モンゴルでも風葬が行われています。
厳密には、遺体を鳥から食べてもらう鳥葬と風葬が一緒になった複葬です。
また、モンゴルの遊牧民には昔から伝わる風葬方法がありました。
それは、お経をあげてもらった遺体を馬車に乗せ、途中で落下させて、そのまま野ざらしにする方法です。
風葬後の遺体は、回収されることはありません。
遊牧民は転々と住まいを変えることから合理的な葬儀方法と言えます。
なじみがない人は驚くこともありますが、文化に基づいた方法であることが分かります。
また、モンゴルでも火葬や土葬が行われていますが、その中でも広く用いられているのが風葬です。
まとめ
風葬は、遺体を埋葬することなく、自然に還す葬儀スタイルです。
やり方については「体を土の上などに野ざらしにする方法」と「白骨化した段階で野ざらしにする方法」の二つがあります。
遺体を鳥に食べてもらう鳥葬などが組み合わせた複葬になることもあります。
なぜこのような葬儀方法を行うかについては、宗教の影響や埋葬・火葬場所がないという現実的な問題も関わっています。
現在の日本においては、風葬はほぼ行われていませんが、少し前までは奄美・沖縄、京都で風葬が行われていました。
今の日本ではなじみがない葬儀スタイルとなりますが、海外においてはバリ島、ボルネオ島、チベット、モンゴルでは風葬が選ばれています。
人生の終盤に向けて後悔をしないためにも、さまざまな葬儀方法を知り理想の終活プランを考えていきましょう。
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