霊安室と安置室の違いは?死後の流れも解説
霊安室は、遺体を一時的に保管する場所を指す言葉ですが、安置室との違いには、どのようなものがあるのでしょうか。
明確な意味や違いを押さえておくと、いざというときでも、落ち着いた対応が取れます。
今回の記事では、霊安室について、安置可能な時間・面会時間、遺体のケア方法、安置室との違いなどを紹介します。
霊安室での面会方法や利用料金、施設の設備について知りたい方は参考にしてください。
霊安室とは?
霊安室の基礎知識について解説します。
遺体を一時的に安置する場所のこと
霊安室とは、遺体を一時的に安置する場所を指す言葉で、病院や施設、警察署に設置されていることが多いです。施設ごとに霊安室の規則が設けられていることがあります。
遺体を長時間置いておくことは認められず、移動する場所を確保するまでの間、利用することができます。
なお、霊安室がない病院もあるので、事前に確認しておくようにしてください。
霊安室と安置室の違い
霊安室は一時的に利用できる場所、安置室は希望する期間利用可能という違いがあります。
一般的に、霊安室は病院にある施設を指し、安置室は葬儀式場にある施設を呼ぶことが多いです。
中には「霊安室=安置室」というように、一緒のものとして覚えている方もいますが、明確な違いがあり、安置室の方が遺体を長い間置くことができる場所ということになります。
霊安室から安置室・自宅へ移動する
病院で人が亡くなると、霊安室に遺体を運んで、そこから安置室・自宅へ移動することになります。
霊安室は、一時的に遺体を置くことができる場所となるので、ゆっくりと向き合う時間やスペースが設けられていません。
病院の霊安室を解説
ここでは、病院の中にある設備について紹介します。
病院の霊安室は面会する場所ではない
病院の霊安室では、あくまでも一時的に遺体を安置する場所として、静かに過ごさなければなりません。
そのため、私語や物音を出すことは禁じられています。
病院には他の患者さんもいるので、自分勝手な行動を取るのは迷惑になります。
施設の地下フロアなど病棟から離れた位置に設置されていることが多いですが、慎んだ行動を取りましょう。
安置時間は状況により変わる
病院の霊安室の数が少ない・亡くなる方が多いなどの状況により、葬儀式場や自宅に早めの移動をお願いされることがあります。
また、「移動はゆっくりでも構わない」と言われることもあり、病院の状況によって変わります。
病院ごとに考え方が違うことから、臨機応変な対応が求められるでしょう。
なお、葬儀社は、逝去の一報を受けてからすぐに病院に向かうのが基本です。
具体的には、1時間以内に移送が始まることが多いようですが、お迎えに向かう病院が遠い場合や寝台車の手配状況によっては1時間以上かかる場合もあるので、この点についてもしっかり押さえておきましょう。
霊安室の使用料金は無料
霊安室の使用料金は、基本的に無料です。
なお、利用時間によって追加料金を取られることもないので安心してください。
エンゼルケアは有料の可能性がある
エンゼルケア(死後の処置)を受ける場合、有料となる可能性があります。
病院によって料金にも差が見られるので、気になる方は掛かる料金を事前に聞くようにしましょう。
末期の水
末期の水は、故人の口に水を含ませる神聖な儀式です。
脱脂綿を箸に巻いて水でしめらせて、故人の口を拭いていきます。
遺族が行うことになりますが、手順などは病院のスタッフが教えてくれます。
清拭・湯灌・着替え
点滴などの医療器具を外し、故人がきれいな状態で旅立てるように、清拭・湯灌・着替えを行います。
衛生面の観点から、看護師が行うことになりますが、遺族が立ち会うこともできます。
清拭・湯灌・着替えを行っている際の、入退室はマナー違反ではありません。
死化粧
最後に、死化粧を行います。
生前の状態に近づけるために、身だしなみを整えて、男性はヒゲを剃り、女性には薄く化粧を行います。
なお、してほしくないことがある場合は、遺族が要望することも可能です。
病院で亡くなった場合、これらの処置は病室で行われ、その後に故人を霊安室へ移動する場合が多いです。
霊安室から移動するための準備
続いて、移動を行うために必要な準備について紹介します。
移送先を決定する
まず、移送先を決めます。
短時間で移送先を決めないといけないので、冷静な判断が下せない場合がありますが、家族間でしっかり話し合うことが大切です。
最近では、自宅ではなく、葬儀社の安置所を移送先に選ぶ方も増えてきています。
移送の手配をする
続いて、遺体を移送するために車の手配を行います。
実は移送手段には決まりがなく、医師が発行する死亡診断書を携帯していれば、自家用車でも遺体を運ぶことができます。ですが、安全面の観点から寝台車を利用することをお勧めします。
事前に、葬儀社と安置場所を決めておくと、スムーズに段取りを進めることができ、寝台車の手配から一貫して葬儀社に依頼することが可能です。
親類・宗教者への連絡
親類・宗教者への連絡も忘れてはなりません。
宗教者に対しては、菩提寺への連絡と言い換えることもできます。
故人が安置されている場所を伝える場合、入れ違いになってしまうことを避けるために、霊安室ではなく安置室を伝えるようにしてください。
死亡診断書の受け取り
最後に、病院で精算を行い、死亡診断書を受け取ることになります。
死亡診断書は、火葬・埋葬の許可を得る上で必要な書類となるので、なくさないようにしっかり管理してください。
多くの場合、葬儀社との初回の打ち合わせに死亡診断書を持参することになります。
霊安室から葬儀式場の安置室へ移動する
ここでは、葬儀式場の安置室へ移動する場合で押さえておきたいポイントについて紹介します。
安置室の設備は葬儀式場ごとに違う
葬儀式場によっては安置室の設備や決まりが異なります。気になることがある場合は、事前に確認してください。
知らずに規則を破ってしまうと、迷惑を掛けてしまうことがあるだけでなく、場合によっては追加料金を取られることもあります。
面会・宿泊可能な霊安室
面会が自由だったり、宿泊可能な施設では、故人との最期の時間を過ごせます。
中には、浴室や寝室・キッチンなどが設けられていて、自宅にいるような快適さを提供している施設もあります。
なお、施設によっては面会が予約制である場合や面会時間に制限が設けられていることがあるので、事前に確認してください。
スタッフ立ち合いで面会ができる
スタッフ立ち合いで面会ができる、葬儀式場の安置室もあります。
事前予約制で、面会時間に制限がある場合が多いです。
施設へ直接連絡を入れて面会の予約ができますが、遺族の方に許可を得てから伺うのがマナーとなるので、連絡もせずに足を運ぶのは失礼に当たるので気を付けましょう。
面会はできない
面会できない施設もあります。
面会が可能で宿泊可能なところも増えてきましたが、対応外となる施設もあります。要望があっても受け付けてもらえないので気を付けましょう。
霊安室から民間の安置室へ移動する場合
続いて、民間の安置室へ移動する場合に押さえておきたいポイントについて紹介します。
面会可能・葬儀に対応している施設もある
遺体を安置するのみではなく、面会が可能で葬儀にも対応している施設も近年では増えてきています。
面会が自由にできる場合、葬儀式場のように故人と最期の時間を過ごすことができるでしょう。
また、葬儀に対応している場合、別の会社を手配する必要がないので手間がありません。
安心できる運営会社か調べておく必要がある
民間の安置室を利用する場合、安心できる運営会社であるか調べておく必要があります。
中には、充分な面会時間が取れないところもあります。
なお、安置する場所が、一般倉庫のような簡素な設備の会社もあります。
運営歴が長く、口コミ評価もよいと安心材料になります。
また、霊安室を利用できる時間は限られているので、すぐに移動先を選ばなければならないので、できるだけ前もって情報を集めておき、いざという時のために、すぐに決断できるようにしておくことをお勧めします。
事前の見学を受け付けている施設もあるので、検討してもよいでしょう。
霊安室から自宅へ移動する場合
最後に、自宅へ移動する場合に押さえておきたいポイントを紹介します。
自宅への搬送が可能・安置場所があることが条件
一昔前までは自宅に移動する方法が選ばれていましたが、現代においては安置場所があることが条件になります。
充分な広さの仏間や空調設備がある部屋に安置する必要があります。
安置場所までの通路の状況や、2階以上の場合はエレベーターの有無も考慮しなければなりません。
また、マンションやアパートに住んでいる場合、大家に事前に許可を取る必要があります。
家に人を招くことから、部屋もきれいにしておかなければならないため、自宅を安置室に選ぶ場合、いくつかの必要な条件を達成しないといけません。
遺体にはドライアイスを使う
遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスを用意します。
夏場は冬場と比べると使用する量も多くなります。
なお、すぐに葬儀に移れない場合、日数分のドライアイスが必要となる点についても、しっかり押さえておきましょう。
神棚封じ・枕飾りの用意などが必要
自宅を安置室に選ぶ場合、神棚封じ・枕飾りの用意などが必要になります。
多くの場合、葬儀社が宗派を確認して準備してくれますが、自分たちで用意しなければならない場合は手配の手間がかかります。
なお、用意するものが分からないときは、葬儀社の人に相談してみましょう。
安置室の費用
ここでは、安置室の費用について紹介します。
病院から安置室・自宅への移動費用
病院から安置室・自宅へ移動するために掛かる費用は、10kmで2万円前後と言われています。
距離が遠いほど、費用もその分が上乗せされます。
【葬儀式場】ドライアイス・安置室の使用料
葬儀式場の安置室を利用した場合、安置室に着いてから葬儀が行われるまでの日数分の費用がかかります。
ドライアイスを使用する場合は1日分で1万円前後が相場ですが、保冷設備が整った安置室の場合にはドライアイスは必要ありません。
安置室も、設備の状況やどのくらいの日数を借りるかによっても費用が変動します。
1日あたり5000円〜3万円を相場と見るようにしてください。
葬儀社によってはさまざまなプランがあり、料金も分かりやすく設定されています。
【民間】ドライアイス・安置室の使用料・移動費用
一般的な使用料やドライアイスの料金には葬儀式場との大きな違いはありません。
自由な面会や宿泊が可能な施設では、金額設定が高くなります。
また逆に、あまり安価な場合は、面会が有料だったり面会できなかったりするなどの条件があることも考えられるので、よく確認してから納得した上で選びましょう。
なお、距離が遠く、ドライアイスをたくさん使用するほど、料金も上乗せされやすくなります。
業者によっても金額に差が見られるので注意しましょう。
【自宅】ドライアイス・枕飾り・移動費用
自宅を利用する場合、施設使用料は無料になりますが、1日につき1万円前後のドライアイスの料金が掛かります。
また、葬儀式場など自宅以外の場所で葬儀を行う場合は、2回目の搬送料金が掛かることになります。
それでも、葬儀式場、民間と比較すると、費用は一番安く抑えることができます。
しかし、神棚封じ・枕飾りの用意などを親族で準備しなければいけない場合は、人手が足りないと大変だと感じることがあります。
まとめ
霊安室は遺体を一時的に保管するための場所で、安置室との違いについては、利用できる時間の長さです。
前者は一時的、後者は希望する期間利用することが可能です。
霊安室は面会する場所ではないので、静かに過ごさなければなりません。
なお、安置時間は、病院の状況により変わるので臨機応変に対応することが求められます。
亡くなってから霊安室に移動する際、多くの場合は病室でエンゼルケアと呼ばれる死後の処置が行われます。
主に、医療器具を外すなどの処置、末期の水、清拭・湯灌・着替え、死化粧を行います。
移送先は、主に「葬儀式場の安置室」「民間の安置室」「自宅」の3種類から選択することになります。
料金を一番安く抑えられるのは自宅ですが、その分、毎日のドライアイス交換や神棚封じ・枕飾りの用意などが必要です。
葬儀式場や民間の安置室は、面会・宿泊可能なところもあります。
霊安室から遺体を移動するまで、あまり時間をかけられないことが多いです。
後悔のない選択をしたい方は、事前に家族間でよく話し合って検討し、もしものときの安置場所や葬儀の依頼先を決めておくと安心です。終活プランの一つとして考えていきましょう。
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