カトリック式の葬儀の流れ、費用相場やマナーなど解説します
葬儀の考え方や流れは宗教に強く結びついていて、キリスト教の葬儀は、一般的な仏教の葬儀と比べても違いが多くあります。また、その中でも同じキリスト教のカトリックとプロテスタントにおいても違いがあります。
いざ葬儀を行う立場になったとき、キリスト教のカトリックを信仰していたとしても、葬儀については分からないことが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、キリスト教のカトリック式葬儀について流れやマナーなどを紹介してまいります。
カトリック式とプロテスタント式の違い
ここではまず、カトリックとプロテスタントを比較することで、カトリック式葬儀の基本となる教義や葬儀に関する考え方を知って頂けたらと思います。
教義の違い
実は、カトリックもプロテスタントも教義の根幹に違いはありません。神による世界の創造、神とイエス・キリストへの信仰、三位一体(神=父・子・聖霊)という根本的教義は共通です。 そして聖書を経典としていることも同じです。
両教派の大きな違いは、まずこの聖書の位置付けにあります。カトリックでは、神の次に権威を持つのは教会であり、その次に聖書が位置付けられています。
一方プロテスタントでは、神の次に権威を持つのは聖書であり、その次に教会および信者へと続きます。
カトリックとプロテスタントの葬儀の違い
カトリック
故人を神に委ね、キリストの再誕と死者の復活を願う儀式という考え方に基づいて葬儀が行われます。
プロテスタント
故人は神のもとで安らかになる、神への感謝と遺族への慰めの儀式という考え方に基づいて葬儀が行われます。
両派とも讃美歌や聖歌、祈祷、献花などを通じて神に対して祈りを捧げることが中心に行われる点は同じです。
カトリック式葬儀の流れ
次に葬儀の流れを見ていきましょう。葬儀は基本的に教会で行われます。通夜は自宅で行っても良いとされていますが、実際には教会で行われることが一般的です。
危篤・臨終に際して
仏教の葬儀とは異なり、危篤・臨終の時点で教会に連絡します。カトリック含めキリスト教の葬儀では、危篤・臨終に神父も立ち会うことが基本とされているからです。
病者の塗油の秘跡(びょうしゃのとゆのひせき)
聖なる油を塗り、病人の癒しのために祈る儀式です。
最期の祈り
臨終の祈りとも言われ、罪の赦しを与えて神の加護を願います。
喪主決定・葬儀等日程の相談
喪主を決め、遺族の希望を基に教会、火葬場、葬儀社の都合も考慮し日程を決めます。
納棺について
納棺は通夜当日に行われることがほとんどです。カトリックでは納棺について定められたやり方はありませんが、教会の意向を確認します。神父を迎えて納棺を行うことが多く、その際、聖書朗読や聖歌斉唱も行われます。
通夜
キリスト教では、もともと通夜という考え方はなく、日本の慣習に合わせて通夜が行われています。通夜は「通夜の祈り」「通夜の集い」などと呼ばれ、通夜開式2~3時間前に、自宅などから故人が教会に移送されます。
元来通夜は、儀式として行われていなかったため、内容は教会や地域によって様々です。
葬儀・告別式
葬儀・告別式は通夜の翌日に行われ、大きく分けて「入堂式」、「葬儀ミサ」、「告別式」で構成されます。
入堂式
開式の辞が述べられ、葬儀の始まりに際して行われます。
葬儀ミサ
「言葉の典礼」と「感謝の典礼」という2つの儀式が中心です。言葉の典礼では、神父による聖書朗読と説教が行われ、最後に全員で祈祷します。感謝の典礼では、パンとぶどう酒を用いた聖体拝領(せいたいはいりょう)という儀式が行われます。
告別式
聖歌、弔電、献花などの後、故人と最期のお別れの時間となります。
出棺
家族や親族にて棺を運び、霊柩車に乗せて火葬場へと出発します。キリスト教では「出棺」と呼ばれる場面が2回あります。1回目は安置場所である自宅などから教会に出発するとき、2回目は火葬場へ向かって出発するときです。
もともとキリスト教は土葬を前提としていて、火葬場に向かう出棺はないため、自宅などから教会へ向かって出発するときの出棺の方が重視されます。 なお、出棺のみ立ち合いたい参列者は、家族や教会に時間を確認し、出棺のタイミングに合わせて足を運ぶと良いでしょう。
火葬
火葬場で最後の祈りのあと火葬となります。火葬後は、仏教の葬儀などと同じように家族や親族にて遺骨を骨壺に納めます。
納骨・埋葬
自宅には遺骨迎え用の祭壇が必要となります(通常は葬儀社が用意)。納骨の時期は、カトリックでは明確に定められてはいないため比較的自由ですが、「召天記念日(亡くなって一ヶ月)」に埋葬することが多いです。
追悼儀式
仏式の法要にあたるもので、亡くなった日から3日目、7日目、1カ月目、1年目に追悼ミサが行われます。
葬儀の費用と業者選び
葬儀費用は多くの方が気にされる点だと思いますが、カトリックの葬儀を行う場合の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
カトリック式葬儀をあげる際の相場額
葬儀の費用全体の全国平均は約151万円です(教会への御礼は除く)。
カトリック式葬儀の場合、祭壇などの飾り付けは仏式や神式葬儀と比べて簡素で費用も少なく済む傾向にありますので、相場額は151万円を下回る程度と考えて良いでしょう。
葬祭業者により「カトリック式の設え」はオプション扱いになることも
カトリック式含めてキリスト教の葬儀は、葬祭業者が取り扱う葬儀件数の中でも少数です。そのため、必要なカトリック用の葬祭用品や設営などに関してはオプション扱いとして、割高な料金設定にしている葬祭業者があります。
業者選びの際には、カトリック式葬儀の実績・経験が豊富かどうか、費用面でも他宗派と特別割高になる設定がされていないかなど、きちんと確認することをオススメします。
教会への御礼の金額相場
教会の使用、神父、オルガン奏者などへお渡しする御礼は、合計で約15万円~20万円が相場です。
カトリックのマナー
カトリックの葬儀では、仏教や神道で行われる葬儀と違うマナーもあります。ここでは、カトリックの葬儀のマナーに関することをお伝えいたします。
喪服のマナー
男性の場合
モーニングコートが正装ですが、社葬や特別な家柄で喪主や葬儀委員長を務める場合などを除いて、一般的には紳士服店で販売されている喪服を着用します。
ジャケットは、シングルでもダブルでもどちらでも構いません。ネクタイ、靴下、靴は黒で、ワイシャツは白が基本です。
女性の場合
黒無地のアンサンブル、またはワンピースかスーツが基本です。インナーは黒無地のブラウスやカットソーを着用します。結婚指輪以外のアクセサリー類は基本的に外しておきましょう。
学生や子供の場合
学生の場合には、制服を着用することが一般的です。制服のない子供の場合には、黒や紺などダーク系の洋服を着用すれば問題ありません。
その他喪服に関すること
・和服でも良い?
男性も女性も、喪服であれば和服を着用しても問題ありません。
・ベールは必要?
カトリック信者にとって黒いベールは正装ですが、信者ではない方には不要です。
・十字架を持つべき?
キリスト教を信仰しているのであれば持っていた方が良いでしょう。それ以外の方は特に持つ必要はありません。
挨拶のマナー
カトリック特有の言い回し
「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りいたします」という挨拶はしません。カトリック含めキリスト教では、死を永遠の命を得るものであり祝福されるものと捉えます。 このため「安らかな眠りをお祈りいたします」という表現が使われます。
神父の呼び方
寺院の住職にあたる方のことを、カトリックの教会では「神父」と言います。神父に「様」や「さん」といった呼称をつけ、神父様や神父さんと呼ぶべきかについては、特に決まりはありません。
この点は神父によって好みがあるようなので気にされるのであれば、教会関係者に尋ねてみると良いでしょう。
その他マナーに関すること
聖歌が歌えなくても参列して良い?
参列して問題ありません。教会によっては参列者に聖歌の歌詞カードが配布されることもありますが、歌えない方は歌詞を目で追うだけで済ますことが一般的です。
参列したい異教徒はどうすれば良い?
参列して問題ありませんし、自分の宗旨や信条に反しない範囲で儀式に参加される形で差し支えありません。家族や親族の全てがカトリックを信仰しているというケースの方が稀有です。
香典袋の書き方
まずキリスト教では「香典」という言葉は使われません。カトリックでは「御花料」、「御ミサ料」、「御霊前」という表書きが使われます。なお、こだわる方は減ってはいますが黒色薄墨で書くことがマナーです。
最後に
お亡くなりになった近親者がカトリックを信仰していたとしても、自分含め他の家族や親族まで全てカトリックを信仰しているとは限りません。たとえ故人同様に信仰していたとしても、葬儀の儀礼までは熟知していないということもあるでしょう。 今回の内容を参考にしていただき、良い葬儀につながりますことをお祈りしています。
葬儀の費用を抑えるためのポイント
葬儀にかかる費用や葬儀内容の良し悪しは、どの葬儀社に依頼するかによって大きく異なります。複数の葬儀社から見積もりを取って内容を比較することで、費用面の負担が少ない、信頼できるベストな葬儀社を見つけることができます。複数社に自分で連絡するのは大変ですが、今は一括見積サービスがありますので、そちらを利用すると負担なく迅速に進められます。
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