香典を郵送する際のマナーとは?添える手紙の文例も紹介します
一般的なマナーとして、葬儀に参列するときには香典を持参します。しかし、何かしらの事情で葬儀に参列できないこともあるでしょう。
葬儀に参列できないが香典は渡したいという場合、いくつかの対応方法が考えられますが、香典を郵送するのも、その内の一つです。
丁寧に弔意を示しつつ失礼なく香典を郵送するにはどのような点に注意すべきでしょうか。
今回は香典の郵送について解説します。
香典とは
香典の郵送について触れる前に、香典の意味など基本的な点について確認しておきましょう。
香典とは
香典とは、仏式の葬儀や法要などの弔事の際に参列者が持参する金封に納めた現金を意味します。
香典には大きく二つの意味合いがあります。一つは弔意を示す意味、もう一つは相互扶助です。
香典は、香を供えるという意味の「香奠」に由来し、いつしか香を買うための現金を渡すという意味に転じたものと言われています。
また葬儀は経済的負担が大きいため、香典には喪家に対しての相互扶助という意味もあったとされます。
基本的な香典の包み方
香典の包み方に関して基本的なポイントは下記の通りです
香典袋(不祝儀袋)に現金を包む
・お札を入れる向き
明確な決まりはありませんが、裏面(肖像画がない面)を表書き側にし、肖像画を下にして納めることがマナーであるとされているケースが多く見られます。
実際のところ、お札を入れる向きを気にする必要はありませんが、複数枚のお札を入れる場合には向きをそろえておくことは最低限のマナーです。
・新札を包むことを避ける
「不幸が起こることを予期して前もって準備していた」と思われるような行動に当たるという理由から、香典で新札を包むことは避けるべきマナーとされています。
ただし、あまりにも使い古されて汚れていたり、しわだらけのお札では、相手に渡すものとしてふさわしくありません。見苦しくない程度のお札か、新札であれば折り目をつけてから包みましょう。
金額の相場
包む金額は付き合いの程度や地域などによって異なりますが、おおむね下記が相場と言われています。
- 家族および親族内で不幸があった場合:約1万円~10万円
- 知人や友人の身内で不幸があった場合:約5000円~1万円
- 近所の家や職場で不幸があった場合:約3000円~1万円
不祝儀は多ければよいというものではなく、あまり高額の金額を包むとかえって遺族が負担になる場合があります。
相場の範囲内で、関係の深さなどから、包む金額を判断しましょう。
香典袋(不祝儀袋)の表書きは宗教ごとに異なる
仏式:「御霊前」「御仏前」
キリスト教:「御花料」(カトリックでは「御霊前」も許容)
神式:「御榊料」「玉串料」
参列する葬儀の宗教が不明の場合は「御香典」(「御香奠」「御香料」)としておくとよいでしょう。
香典袋(不祝儀袋)の表書きや氏名などは薄墨で書く
「墨を充分磨っている時間もなく急いで駆け付けました」「涙で墨が薄まってしまいました」という弔意を示すために薄墨で書くと言われています。
コンビニエンスストアなどで弔事用として販売している薄墨の筆ペンを使用される方が多いようです。
こちらの記事では香典袋の正しい書き方について詳しく説明していますので是非ご覧ください。
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香典は袱紗に包んで持参する
香典を持ち歩く際は、袱紗に包むのがマナーです。袱紗には弔事用と慶事用がありますので、葬儀の際は弔事用の袱紗を使用しましょう。
弔事用の袱紗は、グレーや紺色といった寒色系の色合いで、蓮や菊の刺繍が入っているのが特徴です。一方、慶事用の袱紗は赤やピンクといった鮮やかな色合いで、松や梅の刺繍が入っていることが多くなっています。
なお、紫色の袱紗、家紋や名前の刺繍入りの袱紗は、慶弔問わずに使用することができます。
内袋には住所と氏名を記載
お札を入れる内袋には、名前と氏名、包んだ金額を記載します。
住所は、郵便番号から番地・建物名・部屋番号などを正確に記載しましょう。
これらの情報が内袋に書かれていることで、喪主が香典返しや礼状などの手配をする際の手間を減らすことができます。
香典を郵送する場合と方法とは
香典を郵送してよいのかと不安に感じる方もいるかもしれませんが、弔電などと同じように弔意を示して送るものとして問題はありません。
また、葬儀や法事など弔事に関するマナーの観点からも、状況に応じて香典を郵送することについて問題ないと言えます。
ここでは、香典を郵送する状況や具体的な方法、タイミングを紹介します。
香典を郵送する状況とは
どのような状況でも香典を郵送してよいというわけではありません。
香典の郵送は、何かしらの事情で参列が困難であり、香典を持参することができない状況でのみ利用できる方法です。
例えば、次のような例が挙げられます。
- 葬儀会場が遠方であるため参列することができない
- 身体的な不自由や不調子のため参列できない
- どうしても参列できず、香典を代理で持参する人もいない
香典を郵送する方法
現金を普通郵便や宅配便で送ることは郵便法で禁止されています。したがって香典を郵送する場合には、現金書留を利用することになります。
なお、レターパックやゆうパックでは現金を送付できないので注意してください。
現金書留の送り方
まず、現金を香典袋(不祝儀袋)に納めてから、次に現金書留用の封筒に入れます。
なお差出人の住所や氏名は、香典袋(不祝儀袋)と現金書留の封筒の両方への記入が必要です。この際、手紙を添えるとより丁寧な印象を与えることができます。弔電を打って別で送るのもよいでしょう。
準備が整ったら、郵便局の窓口で発送を依頼します。オプション料金を支払えば、日付指定も可能です。
現金書留の際の注意事項
香典を送る際であっても、現金書留の封筒に記入する際は薄墨ではなく通常の濃さの筆記具を使用します。
また、現金書留は郵便局窓口のみでの受付となり、定形外郵便料金のほか、送る金額に応じた損害賠償額(435円~)が掛かります。ポストへの投函やコンビニでの集荷はできないので気を付けましょう。
香典を郵送するタイミングと送付先
郵送するタイミングとしては、なるべく早い方がよいでしょう。
送付先は喪主(遺族)の自宅、または葬儀会場です。通夜または葬儀・告別式に間に合うようであれば、葬儀会場に送ることも可能です。
日を空けて送付してしまうと、香典返しなどの兼ね合いで喪主に負担が掛かる場合もあります。葬儀に参列できないことが分かった段階でできるだけ早めに送り、遅くとも葬儀の日取りから1カ月以内には到着するように送付しましょう。
葬儀会場に香典を郵送する際の注意
現金書留は日程的に確実に間に合うときのみ宛先を葬儀会場とします。余裕があれば、日付指定で送ることをお勧めします。
宛名は、「○○葬祭ホール ○○家 ○○○○様」などとして、誰宛に送っているのか分かるように表記にするよう注意が必要です。
受取は宛名に記載されている遺族が葬儀会場にいれば、遺族が現金書留を直接受け取ることもありますが、基本的には葬儀会場の係員が代理で受け取ってくれます。
ただし、葬儀会場によっては現金書留を代理で受け取ることをしないところもありますので事前確認をしておいた方がよいでしょう。当然ながら、葬儀告別式の後日に届いた現金書留については葬儀会場では受け取りができず、返送される可能性が高いので注意が必要です。
一方、通夜または葬儀・告別式に間に合わないようであれば、葬儀の2・3日後から1週間以内を目安に喪主(遺族)の自宅に届くよう発送します。
以上のことから、喪主の自宅住所を知らない場合を除いて、自宅を送り先として香典を郵送した方が無難ではないでしょうか。
手紙を添えて郵送するのがよい
必ずなくてはならないわけではありませんが、香典を郵送する場合には、手紙を添えた方が先方に丁寧な印象を与えます。
香典に添える手紙には、お悔やみの言葉と参列できないお詫びが主たる内容となります。
手紙は別に封筒を用意する必要はなく、現金書留用の封筒に香典と一緒にそのまま納めれば問題ありません。
香典に添える手紙の文例とは
香典を郵送する場合に添える手紙の書き方や文例も抑えておきましょう。
香典に添える手紙の注意点
- 忌み言葉は使用しない(重ね重ね、また、くれぐれも、再度など)
- 季節の挨拶は不要
- 遺族との付き合いの状況などによっては故人との関係を記しておく
- お悔やみの意や生前の故人の様子、葬儀へ参列できない事へのお詫びと香典を送る旨を伝える
- 薄墨の筆記具を使用する
- 白地やグレー、ブルーといった淡い色味の縦書き便箋を使用する
- 手紙の内容はできるだけ便箋1枚に収める
香典に添える手紙の文例
手紙は短文でも長文でも構いませんが、気持ちを込めて丁寧に書くことが重要です。実際の文例をいくつか見ていきましょう。
葬儀に参列できない場合
○○○○様、ご逝去の報に接し、ただ驚くばかりです。
本来であればすぐにでも駆けつけたいところでございますが、諸事情により葬儀に参列することがかなわず、大変申し訳なく思います。
心ばかりではございますが、御香典を同封いたしましたので御霊前にお供え頂ければと存じます。
○○○○様のご冥福をお祈りいたします。
葬儀後に訃報を知った場合
ご尊父様のご逝去を知り大変驚いています。
ご葬儀にも伺えず申し訳ありませんでした。
同封の包みは心ばかりではございますが、お父様のお好きだったものなどお供えいただければと存じます。
ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げますとともに、故人のご冥福を心からお祈り申し上げます。
簡潔に記す場合
○○○○様のご訃報に接し、ご家族様のお悲しみをお察し致しますとともに、衷心より哀悼の意を表します。
やむを得ない事情によりご葬儀にお伺いすることができず、お詫びを申し上げます。
心ばかりではございますが、同封のものは御霊前にお供えいただけましたら、有難く存じます。
略儀ながら書中にてお悔やみ申し上げますとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。
最後に
今回は香典の郵送について解説しました。
香典を郵送する場合には現金書留を利用することや、関連するマナーなどについて理解が深まったのではないでしょうか。
葬儀に参列することができないけれど香典は渡したいという方にとって、郵送は便利な方法です。香典は必ずしも葬儀当日に渡さなくてはいけないというわけではなく、葬儀の前後に遺族に直接お悔やみを伝える機会があれば、そのときに渡すこともできます。ただし葬儀からあまり日が経つと、香典返しの手配などで喪主の手間を増やすことも考えられるため、状況によっては香典を郵送することも検討するとよいでしょう。
香典を郵送する場合には、今回の内容を参考にして、故人や遺族に対して失礼のないように正しいマナーや方法で行ってください。
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