危篤時の連絡やお見舞いマナーについて詳しく解説
親族や親しい方の危篤の連絡を受けた際、せめて最期に一目会いたいと駆けつけたいと思うのは自然なことでしょう。
ただ、危篤は患者様ご本人だけでなく、ご家族にとっても大変なときですので、普段以上に繊細な配慮が必要です。
そこで今回は、危篤時の連絡やお見舞いマナーについて詳しく解説してまいります。
危篤とは?
危篤とは「身体の状態が悪化して、回復は極めて困難であり、死が差し迫ること」を意味します。
医学的にどのような状態を危篤とするのかは、明確に定義されているわけではありません。
血圧の低下、呼吸方法の変化、心拍数の減少、意識レベルの低下、顔や指先の色合いの変化など、医師が知識や経験則に基づき、総合的に診て危篤かどうかの判断がなされます。
病院では入院患者が危篤になると、家族に病院に来てくださいという連絡を行ないます。危篤の連絡を受けた家族は、その他の身内など関係者に連絡し、病院に駆けつけることが一般的です。
病院から家族に対する危篤の連絡が行なわれた場合、例外的に回復する患者もいますが、多くは数時間から一両日中に最期を迎えることとなります。
危篤状態になった場合の心構えや知らせる際のマナーについては、こちらの記事でも解説しています。
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危篤時のお見舞いマナー
危篤時におけるお見舞いの際は、どのようなことに気をつければいいでしょうか。
落ち着いたトーンの服装にする
派手な色合いや装飾品は、時に人の心を刺激することがあります。
大切な方が危篤の状態にあるということで、ご家族など関係者も精神的に張りつめていますので、余計な刺激は差し控えることが賢明です。
出先から病院に向かうなどやむを得ない場合を除いて、なるべく落ち着いたトーンの服装を着用していくことが望ましいでしょう。
お見舞いの品物は持参しない
危篤時にお見舞いの品物は必要はありません。それよりも一刻も早く病院に向かうことが大切です。
仮にお見舞いの品物を持って行ったとしても、死が差し迫っている状況ではかえって家族の負担となってしまう可能性があります。
病院から面会制限を受けることもある
病院に駆け付けたからといって、全ての方が面会できるとは限りません。家族の意向や医療機関としての都合上、病院から面会制限の案内を受けることもありえます。
また、危篤ということで集中治療室に移動している場合には、ごく近親者のみしか面会できないというケースも考えられます。
無理に面会したいといっても家族に迷惑がかかってしまうこともありますので、面会制限など病院の案内には素直に従うようにしましょう。
お見舞金は持参しない
袋に納めたお見舞金を見て、香典、葬儀、死をイメージしてしまう方もいらっしゃることから、危篤時にはお見舞金を持参しないことがマナーとされています。
喪服を着ていくことはNG
落ち着いたトーンの服装が望ましいとはいえ、喪服を着用するのは重大なマナー違反です。
喪服を用意していくことも良くはありませんが、遠方から病院に向かう方については念のため喪服を持参していく方はいらっしゃいます。
この場合、持参した喪服が家族や他の方の目に触れないよう細心の注意が必要です。
危篤のご連絡を受けた側のマナーについてはこちらの記事もご参照ください。
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危篤時にかける言葉
危篤は家族の方々にとって、非常にデリケートな場面です。
患者様本人にとっても、亡くなる最後まで人の聴覚は働き続けていると言われていますので、周囲でなされる会話の言葉遣いや表現方法には注意しましょう。
状況別の声掛けの内容や事例
ここでは声を掛ける相手ごとに、声掛けの内容や事例についてお伝えいたします。
患者や家族との関係性、病状などにもよりますが、共通項として死を迎えることを前提とした表現は避けた方が良いでしょう。
たとえば「また一緒に桜を見たかったな」というのは、もう再び一緒に桜を見ることができないことが前提となった表現ととられる可能性があります。
危篤状態の患者本人に対する言葉
病院では、危篤状態にある患者に面会できるのは通常、家族やごく近しい親戚など、限られた方のみであることが一般的です。
危篤の患者にかける言葉として、「温かく前向きな言葉」や「感謝の気持ち」「安心感を与えるような言葉」または「懐かしい思い出話を語りかける」なども良いでしょう。
反対に、不安感を生じさせたり煽ったりするような言葉はかけるべきでありません。
- ○○、会いに来たよ!
- 色々ありがとうね。
- 今まで言わなかったけど、母さん俺達を生んでくれて感謝してるよ。
- 去年一緒に食べた□□屋の煮魚は美味かったよな。また行けたらいいよな。
- 子供達のことは私に任せておいてな!
- 犬の○○も元気にしてるよ、ちゃんと面倒見ているからね
- 会社の人達が来てくださって、プロジェクトの件も上手く行ったと伝えて欲しいとおっしゃっていたよ。
患者の家族に対する言葉
患者の家族に対しては「支援、手伝いの気持ちを表す言葉」と「家族の心身的負担に対する配慮の言葉」をかけることが一般的です。 通常のお見舞いでは患者の回復を祈る気持ちも伝えることがありますが、危篤状態のときは話題として触れない方が無難です。
- 何かお手伝いなど出来ることがあればいたしますので遠慮なくおっしゃってください。大変なときだと思いますが、奥様が倒れないように気をつけてくださいね。
- 何かして欲しいことがあれば言ってください。私たちのことは気にせず、ご家族の皆さんで大切な時間を過ごしてください。
忌み言葉は避ける
忌み言葉とは特定の場面、特定の状況下にある方に対して使用することを避けるべきとされる言葉です。
冠婚葬祭に関する忌み言葉はよく知られていますが、病気を治療中の方やその家族に対して使用すべきでないとされる忌み言葉もあります。
たとえば枯れる、落ちる、途切れる、止まる、果てる、散る、失敗する、朽ちるなどがお見舞いの際、注意すべき言葉であり、危篤時にも同様に注意が必要です。
最後に
今回は、危篤時の連絡やお見舞いマナーについて解説してまいりました。
危篤時は、今にも亡くなってしまいそうな非常に緊迫した状態であり、家族の方々も平静な気持ちでいることは難しく、悲しみ、焦り、不安など様々な想いが交錯する場面です。
家族にとって大切な方と過ごす残り少ない限られた時間でもあるため、通常のお見舞いのとき以上の気遣い、配慮をもった行動を心がけましょう。
いざというときのために今回の内容を参考にしていただければと存じます。
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