浄土宗の葬儀とは?通夜と葬儀式の特徴や流れ、参列時のマナーを解説
親しい方が亡くなられて行われるのが通夜や葬儀です。もしも、その故人が浄土宗を信仰していた場合、浄土宗の法式にのっとった葬儀が執り行われます。
では、浄土宗の通夜や葬儀とは、どのようなものなのでしょうか。
浄土宗の通夜は他の仏式の通夜と変わりませんが、葬儀には浄土宗ならではの儀式や習慣が残されています。
そこで今回は、浄土宗についての通夜や葬儀式について解説して、葬儀に出席する際のマナーや葬儀式の費用相場などについても紹介します。
浄土宗の葬儀の特徴
南無阿弥陀仏と唱えれば救われるという教え
浄土宗とは、平安末期(1175年)に法然上人が43歳の時に開いた念仏宗であり、大乗仏教の宗派の一つで、本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)です。
阿弥陀如来の本願の力によって、死後に西方極楽浄土に往生することを目的とする仏教であることから「浄土宗」と名付けられ、一重に阿弥陀仏の名を唱えて西方の極楽浄土に往生することを説いて、老若男女に広く勧められました。
無量寿経(むりょうじゅきょう)・観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)・阿弥陀経(あみだきょう)の三経を合わせた「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」と世親(せしん:仏教の大学者)の「往生論(おうじょうろん)」を加えた三経一論を正依(正しく依るべき経典)とする「経論(きょうろん)」をもとにした教義は、阿弥陀仏を心身ともに信じることで必ず救われるというものです。
「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏を唱えて、心身共に浄化され清められることで仏の救済を受けると、平和な毎日を送れて極楽浄土で往生できるという「他力(たりき)」の教えはそれまでの仏教の中でも革命的な教えであり、全く新しい考え方の宗派です。
浄土宗の考え方は、とにかくひたすらに南無阿弥陀仏を唱えれば、どんな人でも必ず阿弥陀様の救済を受け、豊かな人生を送り、極楽浄土に生まれることができるという教えです。
他宗では、仏は心の中に存在し、自身の心のありかた次第という教えが多くあります。しかし浄土宗では、仏は自分の心の外に存在し、いかなる時も「南無阿弥陀仏」と唱えれば、亡くなったときでも阿弥陀様が極楽浄土に往生できるようにしてくれ、縁があった人たちとも浄土で再会することができるとしています。死後のことを明確に説かれているのが浄土宗の特徴の一つなのです。
貴族やお金がある人だけの仏教でしたが、地位や身分の違いなく平等に多くの人々に教えを広めたことで有名になりました。
ちなみに、私たちが日常的にもよく使う「他力本願(たりきほんがん)」という言葉は、この浄土宗の他力の教えから生まれました。
総本山は京都の東山にある「知恩院」(正式名称:華頂山 知恩教院大谷寺 かちょうざん ちおんきょういんおおたにでら)で、法然上人が浄土宗を教化し、1212年に入寂した場所でもあります。加えて、全国に七大本山があります。
七大本山とは、増上寺(東京都)、金戒光明寺(京都府)、知恩寺(京都府)、清浄華院(京都府)、善導寺(福岡県)、光明寺(神奈川県)、善光寺大本願(長野県)です。この中でも金戒光明寺は新撰組の発祥の地として有名であり、増上寺は徳川将軍の菩提寺として全国に知れ渡っています。
浄土宗のお寺は全国で約7000カ寺、500万人弱の信者がいます。また海外布教にも力を入れていて、アメリカ(ハワイ含む)・ブラジルなどにも開教寺院があります。
浄土宗の葬儀の特徴
浄土宗の葬儀の特徴として「念仏一会(ねんぶついちえ)」が挙げられます。念仏一会とは本来、法要中に、仏の名前を声に出して称えること(数に限らず)です。葬儀の参列者一同が故人に代わり「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」を10回から一定時間唱えることで、故人が阿弥陀如来の救いを得て極楽浄土へ往生するようにという願いが込められています。
さらに、この儀式には参列者と阿弥陀如来との縁を結ぶという意味も込められています。
もう一つの特徴は「下炬引導(あこいんどう)」です。これは、火葬の点火に当たる儀式です。
僧侶が焼香をした後、たいまつや線香などを2本を取って1本を捨て、残りの1本で円を描きながら「下炬の偈」(あこのげ)」を読んだあと、その一本も捨てます。この一連の所作を行うことで、故人が極楽浄土へ導かれることを祈ります。
浄土宗と浄土真宗の違い
浄土宗と浄土真宗は名前が似ているため混合されることがありますが、信仰において大きな違いがあります。
まず開祖ですが、浄土宗は法然上人が開いた宗派で、浄土真宗は親鸞聖人が開きました。親鸞聖人は法然上人の弟子になり、他にも隆寛・湛空・証空・長西・源智・信空・弁長・幸西という大変優秀な弟子たちがいました。
法然上人が明かした浄土往生の教えをさらに発展させたのが浄土真宗のため、本尊は両宗派ともに阿弥陀如来で、基本的な教えも似ています。ただし、念仏に対する考え方が大きく違います。浄土宗は念仏を唱えることに重きを置いていますが、浄土真宗では念仏を唱えようとするときの気持ちが大切だと説いています。
浄土宗は「南無阿弥陀仏」と唱え安らかな日々を送ることで極楽浄土への往生を祈りますが、浄土真宗では念仏を唱えるだけで極楽浄土に行けるという考え方はありません。
また浄土宗では「般若心経」(はんにゃしんぎょう)を唱えたり、写経をしたりしますが、浄土真宗ではしません。これも「自力」と「他力」の考え方の違いからです。悟りの境地に至る方法は、執着や煩悩の心を自力にて断ち切る教えと、どんなに修行しても執着や煩悩だけは断ち切ることができないので阿弥陀様に頼りましょうという教えの違いです。御朱印がないのも追善供養を必要としない浄土真宗ならではの考えです。
また、規律の面では浄土宗は厳しく、僧侶は結婚を許されず肉を食べない禁欲的な生活を送ります。それに対して、浄土真宗では僧侶の髪形も自由で結婚も許されています。
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浄土宗の葬儀の流れ
浄土宗の通夜
そもそも通夜とは、臨終から葬儀までの間に行われる儀式のことで、肉親や縁のあった友人・知人が集まり、静かに最後の一夜を見守り、遺体の番をすることを由来としています。
また、通夜は「夜どき」とも呼ばれ、以前は近親者のみで営み、通夜で食事をした人は「いみがかり」として、初七日が済むまで喪家にいて、世間との関わりを絶つことが行われていたといいます。
浄土宗の通夜は、他の宗派の通夜と特に変わりません。そもそも通夜とは、亡くなった方を葬儀の前夜(逮夜:たいや)に家族や親族・知人が集まり、僧侶を招いて読経し、故人の生前を偲んで過ごすことで、故人との別れを惜しみます。通夜は伴夜とも呼ばれていて、元来は心願成就のために夜通し祈願法要をすることを言います。
通夜に向けて、故人は北枕に寝かせて、顔には白い布を、胸元には守り刀を置きます。
線香を絶やさないように気を配りながら、弔問客を迎え入れる準備をします。そして、通夜には僧侶に「枕経(まくらぎょう)」を唱えてもらい、その間、遺族は喪服を着て着席します。
枕経という呼び名から、故人が亡くなってすぐに読んでもらわなわなくてはならないと思われている方もいるようですが、そんなことはありません。
枕経とは、この世を去りあの世へ行くために読まれる経で、何ら特別なお経ではありません。そのため、通夜ができる体制が整ってから、僧侶を招いて枕経を読んでもらっても問題はありません。地域にもよりますが、近年は枕経をお願いされる方は少なくなりました。昔は臨終の直前から、どうか安らかに死後の世界に旅立ち落ち着いてほしいという願いを込めて僧侶が枕元でお経を唱えました。後に臨終直後に僧侶を招き、亡き故人の枕元で読経する儀式となりました。
葬儀式の流れ
浄土宗の葬儀は、故人が仏の弟子となり、仏に守られながら極楽浄土へと導かれて往生するための儀式です。
「序分(じょぶん)」「正宗分(しょうじゅうぶん)」「流通分(るつうぶん)」という三つの段階があり、故人が仏の弟子となるための「授戒」と仏の教えを導く「引導」が行われます。これは、法要のときも同じです。
それでは、具体的に葬儀式の流れを見ていきましょう。
序分:御仏をお迎えする
①入堂(にゅうどう)
僧侶に入場してもらいます。
②香偈(こうげ)
お香を焚いて、心を静めます。
③三宝礼(さんぼうらい)
仏・法・僧の三宝に礼をします。
④奉請(ぶじょう)
諸仏の入場をお願いします。
⑤懺悔偈(さんげげ)
迎えた仏に自己の罪を懺悔をし、正宗分(しょうしゅうぶん:御仏のお話)を伺います。
⑥転座(てんざ)と作梵(さぼん)
ここまでは僧侶や参列者は本尊に向かって体を向けていましたが、体を「転座」で棺に向けます。その際に「作梵」と呼ばれる梵語の四智讃(しちさん)を唱えます。
⑦下炬引導(あこいんどう)
前述した「下炬引導」を行います。
⑧弔辞(ちょうじ)
弔辞や弔電が読み上げられます。
⑨開経偈(かいきょうげ)
これから経文を読むに当たり、故人が御仏の教えを体得できることを願うために行われます。
⑩誦経(ずきょう)と焼香
阿弥陀経の「四誓偈(しせいげ)」か「仏身観文」が読まれます。この間に、参列者は焼香をします。
⑪摂益文(しょうやくもん)
念仏を唱える者は阿弥陀仏の光明に照らされて利益を得られるという意味の偈文が読まれます。
⑫念仏一会(ねんぶついちえ)
僧侶と共に参列者一同が御仏に感謝して「南無阿弥陀仏」と念仏を複数回唱えます。またこの間に「複座」して、体を本尊に向けます。
⑬回向(えこう)
故人の霊に念仏の功徳を捧げます。
⑭総回向偈(そうえこうげ)
念仏の功徳一切を受けて、故人の往生を願います。
流通分:御仏を送り出す
⑮総願偈(そうがんげ)
御仏が人々を救い、極楽浄土の願いが広大であることを意味する偈文が読まれます。
⑯三身礼(さんじんらい)
阿弥陀仏の三つの功徳をたたえて帰依を表明します。三つの功徳とは、「阿弥陀仏が人々を救済するために悟りを開いたこと」「人々を救済しようという御心」「極楽浄土に導いてくれること」です。
⑰送仏偈(そうぶつげ)
お迎えしていた御仏を本来いた本国へと送るための偈文が読まれます。
⑱退堂
僧侶が退堂します。
⑲最期の対面
遺族や親族は、故人と最期の対面をします。
⑳出棺
棺に蓋をしてくぎを打ち、棺を数人で霊柩車まで運びます。その後、喪主や親族、遺族などが同行して、火葬場へ向かいます。また出棺前に喪主、または親族の代表者が参列者に挨拶を述べることがあります。
浄土宗の告別式
告別式とは、故人の友人や知人が故人に最期のお別れをするための儀式です。本来は、葬儀式後、参列者全員で遺骨を墓地に埋葬する前に行われていました。
しかし、最近では参列者の多くの方が火葬場にまで来ることが難しいため、葬儀式と告別式が同時に行われ、告別式では焼香と弔電の代読などが行われるケースが増えています。
浄土宗の葬儀の作法
浄土宗の葬儀の大まかな流れを見てきましたが、続いて葬儀の作法やマナーについても説明します。
数珠の種類と使い方
数珠の種類
浄土宗では「日課数珠(にっかじゅず)」と呼ばれる、二つの輪がつながっている二連の数珠を用います。(浄土宗の僧侶は普段は日課数珠を使用しますが、葬儀時にはは「荘厳数珠」(しょうごんじゅず)を使用されることがあります。)男性と女性で持つべき数珠は異なり、男性用が「三万浄土」、女性用は「六万浄土」になります。(決められた形式で数珠に沿って数えていくと、男性用が3万2400回、女性用が6万4800回念仏を唱えられるようになっています。これは浄土宗では「南無阿弥陀仏」の念仏を男性は3万回、女性は6万回唱えると極楽浄土にいけるとされているという教えからです)
また浄土宗の日課数珠は、数珠の玉が108玉ではありませんが、念仏の数を数えられるような数珠の形式になっています。それは、「一日のうちに何回かの念仏を唱えます」と誓いを立てて念仏に励む「日課制約」のためのもので、浄土宗では檀家は本式の数珠を持つことが心得ともされています。
数珠の持ち方
合掌する際は、数珠の二つの輪をそろえてから親指と人差し指の間に挟みます。余った部分は親指の後ろから腕へとかかるようにします。合掌をしないときは、数珠は左の手首にかけておきます。
両掌の間で数珠をこすり合わせて音を鳴らしたり、振り回したりすることのないように注意しましょう。また、数珠は故人にも持たせます。数珠を持たせた故人の手を胸の上で合掌させます。
焼香の作法
焼香の作法には、浄土宗独特の方法はありません。他の仏式の葬儀と同じ作法で焼香をします。
焼香の流れ
焼香は、順番が回ってきたら祭壇まで進み、遺族・参列者それぞれに一礼します。その後、香炉の前に進み出て合掌し、一礼した後、香合のお香を右手の親指と人差し指、そして中指の3本の指で香を軽く摘まんで右手のひらを仰向けにします。
その右手を下側から包むように左手を添えて、額のあたりまで掲げます。そのあと手にした香を香炉の灰の上にくべて、最後に合掌してから一礼をします。
そして、遺族・参列者それぞれに一礼して席に戻ります。
これが浄土宗での焼香の流れです。
焼香の回数は3回とは限らない
焼香の回数は、形式的には3回とされていますが、1回でも構いません。大切なことは、故人への思いですので、焼香の回数にこだわることなく焼香を済ませましょう。それでも不安な方は葬儀社に事前に確認してもよいでしょう。
香典のマナー
通常は、葬儀出席の受付時に渡すのが一般的ですが、通夜や葬儀の出席の際に遺族に渡すこともできます。
昔は、お香は大変高価なもので、通夜ともなれば一晩中焚き続けなければいけませんでした。今でこそ線香などの技術が発達していますが、昔はすぐに消えてしまうお香ばかりであったため、近所の人などが皆で協力してお香を持ち寄り、一晩中焚き続けられるようにしていたのです。現代になり、お香(線香)の技術も発達したのでお香を持ち寄る必要性はなくなりましたが、相互扶助の考え方と香を備える(香典)という言葉が残り金銭を包んで持参するようになったのです。
香典袋の書き方
香典袋の表書きは、水引上の中央に「御霊前」または「御香典」と書きます。自分の氏名は水引下の中央にすこし小さめの文字で書きます。香典袋の裏には、住所と金額を書き入れます(厳密にいえば「香典袋」という言葉は仏教の葬儀時にしか使わない言葉です)。
いずれも薄墨を使用してください。薄墨は悲しみの涙で墨が薄くなった、という意味や故人の不幸を聞いて急いで駆け付けたために時間をかけて墨を充分にすっている間もなかったという意味もありたがあります。しかし現代では、その意味合いを知らない人の方が多く、逆に薄い墨を使っていると悪印象を与えてしまう場合もあるので注意が必要です。
袋の後ろ、または中袋にフルネーム、住所と封入した金額を書いておきます。
金額の書き方、特に漢字ですが、一は「壱」、二は「弐」、三は「参」、万は「萬」、円は「圓」のように旧漢字を使用するとより丁寧でしょう。
香典を渡すときの注意点
通夜や葬儀で香典を渡すときは、氏名の書かれている方を受付に向けて渡します。
通夜や葬儀に出席できずに香典を他の参列者に託される方がいますが、どうしても手渡しを希望される方は四十九日までに渡せばよいでしょう。
香典の金額の相場
香典に包む金額ですが、故人との関係性や香典を渡す方の年齢によっても変わってきます。故人の近親者なら1万円~10万円程度です。
ただ近親者と言っても20代なら1万円、30代なら1万円~3万円程度を包みます。会社の関係者や友人なら5000円~1万円程度が相場です。
香典を持参するときは、袱紗に包んでいくのがマナーとされています。また、お札の入れる向きにも注意しましょう。封筒(中袋)の裏面にお札の表面が来て、更に顔は下になるようにいれます。お札を裏にするのは、あくまでお悔やみですので「顔」を伏せるという意味から「裏・下」と言われています。
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葬儀に参列時の持ち物や服装
遺族は正喪服か準喪服を着用
遺族や近親者、並びに葬儀委員長や世話役代表は、本式の喪服を着用します。洋装なら、男性の正喪服は黒のモーニングコートに、黒地にグレーのストライプの入ったズボン、白いシャツに黒無地のネクタイです。
ダブルかシングルを問わず、ブラックスーツの準喪服も一般的です。靴や靴下は黒でそろえて、金具などが目立たない靴を選びましょう。
女性の場合は、黒のスーツかワンピース、アンサンブルです。光沢がなく、肌の露出を控えたデザインにしましょう。ストッキングは黒で、靴も黒でそろえます。バッグも同様に、光沢のない黒いものを選びます。
アクセサリーは結婚指輪以外は身に着けず、派手なアクセサリーは外します。真珠や黒石のアクセサリーならばよいと言われますが、地域によってはそれらのアクセサリーもよくないこともあるので、身に着けないほうが無難です。
子供の服装
子供や学生は、制服を喪服として着用できます。もし制服がなければ、暗めで落ち着いた色合いの洋服を着て、右腕に腕章を巻くか胸に喪章か黒いリボンを着けるようにします。
服と同様に、靴も落ち着いた色味のものを選びます。赤や黄色といった明るい色味の靴は避けましょう。幼児用の歩くたびに音が鳴る靴はマナー違反です。
一般参列者の服装
一般参列者は略式の喪服でも構いません。男性ならダークカラーのスーツに白いワイシャツ、そして黒無地か黒の織り柄のネクタイを身に着けます。光沢のある素材の物は避けて、靴や靴下も黒で統一します。
女性の場合は、ダークカラーのワンピースやスーツであれば、ストライプなどの柄の入った洋服でも失礼に当たりません。
パンツスーツも略喪服として認められています。肌の露出を控えて、派手にならないように配慮します。
浄土宗の葬儀のお供え物の送り方
故人を悼み、故人や御仏に感謝の意を表すためにお供え物として「供物(くもつ)」や「供花(きょうか)」を送ります。
故人と親しかった方や親族、近親者などが送りますが、浄土宗特有の供物や供花の送り方はありません。そこで一般的な仏式の葬儀での供物・供花の送り方を紹介します。
供物の内容
供物は肉や魚などの生ものを避けるのが仏式に限らず葬儀でのマナーです。それ以外の物ならば基本的には供物として送ることができます。供物として一般的なものは、線香やろうそく、菓子、果物や缶詰などです。また、故人が好きだったものを供物として送ることもできます。
供花は、ユリや白菊、カーネーションなどが生花が一般的な供花ですが、ここでも故人の好きだった花を送ることができます。
供物・供花の辞退があったら受け入れる
葬儀の案内に「供物などはご辞退申し上げます」などと供物を遠慮する案内がされているときは、施主の意向を汲んで、供物や供花を送りません。その代わりとして香典を送ることができます。
香典と供物・供花は同じ意味になるので、供物を送れない場合は香典を送ることができます。
供物を並べる際の順番
供物や供花を並べる一般的な順番は、祭壇の脇から近親者、友人、知人、関係者の順で供物を飾ります。職場の社長など地位の高い順ではなく、あくまで故人との関係性によって供物を並べます。
供物を送るときの注意点
送られた供物や供花は葬儀場内の祭壇のそばに飾られるため、供物が大きい場合は、葬儀関係者に事前に供物を送ってもいいかどうかを確認します。その際、供花に関してだけは、送り主の名札だけを残し、祭壇にその供花を充当することも可能です。
また、葬儀に間に合うように供物が届けられるように手配し、のし紙は弔辞用のものを使います。
浄土宗の葬式費用の相場
仏式の葬儀の費用の相場は、約200万円程度と言われています。しかし葬儀の規模や参列者の数などで必要とされる費用は大きく変わります。
そこで葬儀費用の内訳や、浄土宗での葬儀費用として必要となるお布施について解説します。
葬儀費用の内訳
葬儀費用の内訳は、祭壇や棺を含む葬儀一式の費用、接待飲食費用、そして僧侶に渡すお布施などの謝礼費です。
葬儀一式費用の中でも、祭壇については白木か花祭壇にするかで、費用も大きく変わってきます。
接待飲食費用は参列者の数によって変わってきます。全国的な平均は、一人につき3000円~5万円と言われています。
また遠方に住んでいる方が参列する場合は、葬儀場への交通費や宿泊費も別途必要になります。
浄土宗のお布施の相場
お布施の相場
地域差もありますが、お布施の相場は15万円~20万円程度と言われています。戒名料はまた別で、その金額は10万円からはじまり、100万円を超えることもあります。
また、御車代として別途5000円~1万円を渡すこともあります。
お布施の渡し方
お布施袋には表書きに「御布施」と書き、葬儀式前の挨拶のときか、葬儀後のお見送りの際などのお礼を言うときに渡します。小さなお盆の上に袱紗を乗せて、その上にお布施を置いて渡します。
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浄土宗の葬儀に送る弔電
訃報を受けても弔問に訪れることができないときや、葬儀式に出席できないときなどに送られるのが弔電です。
弔電はインターネットや電話で申し込みできます。そこで、弔電を送る際の気を付けることから例文まで紹介します。
弔電は通夜や葬儀の前日までに送る
弔電は一般的に、通夜や葬儀の前日までに先方に着くように手配するのがマナーです。
宛名は喪主になりますが、企業や団体などが通夜や葬儀を手配する場合は、その葬儀責任者や主催者宛てに弔電を送ります。差出人名はフルネームにして、故人との関係を分かりやすく書きます。
また弔電は形式的なものですから、後日時間を作って改めて弔問するようにします。
弔電を打つ時の留意点
故人の名前は敬称を使う
故人への敬意を込めて、故人の名前には敬称を使います。
故人が受取人の実父ならば「ご尊父様(ごそんぷさま)」や「お父様」、実母なら「ご尊母様(ごそんぼさま)」や「お母様」です。
忌み言葉は使わない
忌み言葉(いみことば)とは、慶事や弔辞で避けるべき言葉です。「重ね重ね」など一つの言葉を連続して使う表現や、生死を表す言葉。また「四」や「九」など死を想起させるような言葉などです。これらの忌み言葉は、使わないようにします。
遺族に不快な思いをさせないように配慮しましょう。
浄土宗以外の宗教用語を入れない
浄土宗の教えにのっとった通夜や葬儀式に送られる弔辞に、別宗教の言葉が入っていては弔電を受け取る方に対して失礼です。
また、親族が知らないようなプライベートな話題を弔辞に盛り込むべきではありません。これは、後々トラブルになることを避けるためです。
弔電の例文
弔電に用いられる一般的な例文には下記のようなものがあります。故人との関係などから弔電の内容は変わりますので、参考として確認してください。
「謹んで哀悼の意を表します」
「○○様のご訃報の折、心からお悔やみ申し上げます」
「突然の訃報を受け、驚きのあまり言葉がありません。○○様には大変にお世話になり、痛惜の念を禁じえません。心よりお悔やみを申し上げ、安らかにお眠りになられることをお祈り申し上げます」
最後に
浄土宗の教え自体は、特別に厳しい修行などが必要ではなく、戒律や決まりごとも多くありません「南無阿弥陀仏」を唱えることで極楽浄土へ往生できるという教えです。
浄土宗の葬儀では、故人を懐かしみ、悼み、そして「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えて故人を極楽浄土へと導くために行われます。
「念仏一会」や「下炬引導」という特別な儀式を考慮をした上で、通夜や葬儀の準備を進めましょう。しかし通夜や葬儀の準備は、故人との別れの悲しみから、なかなか捗るものではありません。
そんなときは、親族や近親者へ相談したり、葬儀社に依頼する場合には、その担当者などに相談してみましょう。まずは慌てずに心の準備をすることが大切です。
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