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葬儀の知識

神道の帰家祭までの流れと準備方法を解説

神道の帰家祭までの流れと準備方法を解説

帰家祭(きかさい)を知っていますか?

帰家祭とは、神道の葬儀・神葬祭が無事に終了したことを報告する儀式です。

なじみがない方が多いかと思いますが、しっかりポイントを押さえていきましょう。

この記事では、「帰家祭とは何か?」から、必要となる準備や一連の流れなどについても紹介します。

神道の神葬祭に参加する予定の方は参考にしてください。

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帰家祭とは?

まず、帰家祭について解説します。

どのような儀式なのでしょうか。

「十日祭(とおかさい)」との違いについてもしっかり押さえていきましょう。

帰家祭とは

帰家祭とは、神道の神葬祭において、火葬または納骨を終えた喪主や遺族が家に帰り、霊前で葬儀が無事に終了したことを奉告する儀式です。

仏式においての「還骨勤行(かんこつごんぎょう)」に当たります。

しかし、最近ではこの儀式を省略することもあるので、必ず行われるものとは限りません。

なお、一連の流れがあるので、神道の神葬祭に参加する予定の方はポイントを押さえておくことが大切です。

十日祭との違いは

帰家祭と十日祭は、儀式の内容が違います。

帰家祭は無事に葬式が終わったことを神に報告するための儀式で、玉串奉奠(たまぐしほうてん)では、斎主、喪主、遺族の順番に行います。喪主と参列者が玉串を奉奠した後に、斎主による玉串奉奠が行われる場合もあります。

一方、十日祭は亡くなった日から十日ごとに行われる毎十日祭の一つで、仏式における「初七日」に該当します。

斎主による祭司奏上(さいしそうじょう)や玉串奉奠が行われます。

帰家祭までの流れ

次に、帰家祭の流れについて解説していきます。

どのような場面で行うものなのか、順番についてしっかり押さえることが大切です。

火葬・収骨を行う

まず、火葬祭(火葬・収骨)を行います。

収骨の際には、箸で骨を掴み骨壷の中に入れていきます。

本来は火葬後に埋葬祭を行い納骨する流れですが、現在は遺骨を持ち帰り、五十日祭に納骨する方が増えています。

火葬場から戻ってからお祓い・お清めをする

火葬場から戻った後は、斎場の外でお祓い・お清めを行います。

喪主・参列者一同で行うことになり、お祓い・お清めを済ませないと斎場の中に入ることができません。

お祓い・お清めは、手水で身を清めるために塩をかけてもらいます。

本来、塩は胸・背中・足元にかける必要がありますが、現代は足元のみに行われることが増えてきました。

なお、自宅でお祓い・お清めを行う場合は以下の通りです。

まず火葬場に行かずに家に残った人が、祭壇を片付けて、後払いの儀を行います。

喪主・参列者一同に向けて「帰家清祓の儀(きかきよはらいのぎ)」で使用する道具を玄関口に置き、帰った方からお祓い・お清めを順番に行い、家の中に入るという流れになります。

帰家祭を行う

お祓い・お清めの後に帰家祭を行います。

手順は以下の通りです。

  1. 火葬場から持ち帰った遺骨と霊璽を仮祭壇に安置する
  2. 遺影、灯明、神饌などの飾り付けをする
  3. 斎主が祭場、参列者などを祓い清め、献饌(食物を供すること)を行う
  4. 斎主が祭詞を奏上する
  5. 玉串奉奠を行う
  6. 斎主拝礼に合わせて一同拝礼する

帰家祭では「仮御霊舎(かりのみたまや)」という祭壇を作る必要があります。

霊璽を祖霊舎に合祀するまでの間、霊璽や遺骨はこの仮御霊舎に安置し、常饌(日常の食べ物)や生饌(水、塩、洗った米)をお供えします。

帰家祭では斎主が一連の流れを仕切ることが多くなるので、分からない点があったら周りの人の作法を参考にしてください。

併せて十日祭を行う場合もある

本来は帰家祭を行うと葬儀は終了となりますが、併せて十日祭を行う場合もあります。

十日祭は、亡くなった日から十日後に行う忌日祭の一つですが、現在では葬場祭(仏式でいう葬儀告別式)に続いて行うケースや帰家祭の後に行うケースも増えています。

なお、一度十日祭を行ったら、十日後に行う必要はありません。

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帰家祭の準備

続いて、帰家祭に必要な準備について解説していきます。

葬儀式場や自宅など、行う場所によっても違いがあるのでしっかり押さえていきましょう。

葬儀式場での準備

葬儀式場で帰家祭をする場合、準備は葬儀社スタッフが対応してくれます。

そのため、自宅で行うよりも簡単です。

分からない点や不安な部分がある場合、葬儀社スタッフに直接聞くことができます。

葬儀式場で準備をする場合は、帰家祭以外にも神道の神葬祭で必要なものを用意・代行をしてくれるプランもあります。

自宅での準備

自宅で帰家祭をする場合、後飾りの準備を行います。

祭壇を作る必要がありますが、「案」とよばれる白木八足の台、または白い布を敷いた棚を3段用意します。

祭壇には遺骨と霊璽を安置し、遺影を飾ります。その他に、神饌、榊、ろうそくなどを飾ります。

上段には「遺骨」「霊璽」「遺影」、中段には「榊」と「神饌」」、下段には「その他のもの」を飾ります。

自宅で帰家祭をする場合、一連の流れに沿って必要になるものを自分で用意することになります。

しかし、葬儀のプランやオプションによっては葬儀社が行ってくれるので、準備に不安がある方は確認してください。

帰家祭は自宅に入る前から儀式が行われるので、しっかりポイントを押さえておきたいところです。

帰家祭後の流れ

最後に、帰家祭後の流れについて解説していきます。

直会

直会(なおらい)は、葬儀が終わった後、関係者に対して感謝の気持ちを込めて宴席を設けることです。

葬儀を通してお世話になった、さまざまな方に簡単な食事を振舞います。

仏式では「精進落とし」に当たります。

お酒や料理の内容は仏式と変わりがありません。

また、本来の直会の意味は、祭壇に備えたものを下げ、みんなでいただくことを指しますが、現在においては、労いや感謝の意を表すおもてなしの意味を込めて、みんなで食事をすることとして捉えられるようになりました。

直会を経て、神葬祭に関連した儀式がすべて終わることになります。

毎十日祭

毎十日祭(まいとうかさい)は、命日から十日ごとに行う霊前祭です。

忌明けとなる五十日祭まで合計5回行われることになります。

なお、亡くなった日から20日後の場合には「二十日祭」と日数により、呼び名も変わります。

毎十日祭の中でも特に重きをおかれるのが五十日祭です。

五十日祭を終えるまで神棚封じを行い、神社への参拝はできるだけ控えるようにしてください。

五十日祭

五十日祭は仏教では四十九日法要に当たる霊前祭です。

神道では、亡くなった人の霊魂を家の守り神として自宅の祖霊舎にお迎えする儀式です。

五十日祭では、以下の儀礼を行うことがあります。

  • 合祀祭
  • 献饌
  • 祝詞奏上
  • 玉串奉奠
  • 直会
  • 納骨
  • 清祓いの儀

合祀祭は、本来は五十日祭を終えた後の百日祭までの間に行うものとされる、仮御霊舎から祖霊舎に故人の霊を移す儀式です。

故人にお供えものをする「献饌」、神に祭文を申し上げる儀式「祝詞奏上」、榊に紙垂と呼ばれる紙を結う「玉串奉奠」を行います。直会は、参列者にお礼の気持ちを込めて宴席を設けることです。

五十日祭を終えて清祓いの儀が済むと、神棚封じが解かれ、神社への参拝も普段通り行うことができるようになります。

また、地域によっても儀礼の内容は変わることがあるので、この流れは、参考程度に考えてください。

五十日祭が終わると忌明けになりますが、その後は、百日祭、一年祭などの霊祭が続きます。

埋葬祭

埋葬祭は、墓地に遺骨を埋葬する儀式です。

仏式での「納骨式」に当たります。

神職の立会いのもとに祭壇を作ることになりますが、神饌や故人が好きだったものを一緒にお供えすることができます。

その後、神職がお祓いし祝詞(のりと)を奏上し、玉串を奉奠することになります。

故人への哀悼の意を捧げた後、儀式は終了し、最後に、食事会が催されることになります。

埋葬祭に参加する上で服装に関して決まりはありませんが、あまり派手すぎる格好は避けるようにしてください。

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まとめ

帰家祭は、神道の神葬祭で行われる、無事に葬儀が終了したことを神に報告するための儀式です。

仏式の「還骨勤行」に当たります。

一連の流れとしては、初めに火葬・収骨を行い、火葬場から戻ってお祓い・お清めをした後に、帰家祭を行います。

帰家祭で分からないことがあったら、周りの人の作法を参考にしてください。

なお、帰家祭に併せて十日祭りを行う場合もあります。

また、帰家祭を葬儀式場、自宅で行う場合、それぞれで準備が必要です。

葬儀式場での準備は葬儀社に全て任せることができますが、自宅の場合は、遺骨・遺影・霊璽・神饌・榊・玉串・ろうそくを自分で用意して適切な位置に飾る必要があります。

自宅で帰家祭を行う場合でも、葬儀プランによっては、葬儀社が必要なものを手配してくれます。

帰家祭後の霊祭には、毎十日祭、五十日祭、一年祭があります。また、納骨に際しては埋葬祭が行われます。

初めて神道の神葬式に参加する予定の方は、一連の流れをしっかり押さえていきましょう。

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