病院で亡くなられてから葬儀までの流れ
人が最期を迎える場所として思いつくのは、病院ではないでしょうか。厚生労働省の統計(2017年)によれば、病院で亡くなる方は全体の約7割となっています。
病院で大切な方の死に直面したとき、どうしたら良いのかパニックになってしまう方もいます。 なかなか冷静に物事を考えるのは難しいときですが、病院で亡くなってから葬儀までの流れをあらかじめ知っておくことで、少しでも気持ちに余裕ができるものです。
この記事では、病院で亡くなられてから葬儀までの流れについて解説してまいります。
病院死亡から葬儀までの一連の流れ
まず、ご逝去から葬儀までの一連の流れを紹介いたします。その中でも、病院で息を引き取り、通夜当日を迎えるまでの流れについて、重点的に解説してまいります。
なお、宗教宗派や地域性などによって、多少異なる部分もありますが、ここで紹介する流れは仏式で葬儀を行うケースの一例です。
危篤、臨終
入院されていた方が危篤状態になりますと、病院から家族に連絡が入ります。そしてご臨終を迎えた際には、医師によって死亡の確認がされ、死亡診断書が発行されます。死亡診断書はご遺体の搬送や死亡届に必要なとても大切な書類です。紛失しないようしっかりと所持しておきましょう。
遺体搬送
故人を病院から自宅や葬儀社などの安置先に搬送する業者を手配します。葬儀を依頼する葬儀社か、遺体搬送の専門業者に連絡します。
依頼すべき業者が分からない場合、病院の提携葬儀社を紹介してもらうこともできます。ただしこの業者に搬送を依頼しても、葬儀の施行まで依頼する必要はありません。
葬儀社側としては成約につなげたいと、あれやこれやと話を持ちかけてくるかもしれませんが、葬儀社選びは慎重に行いましょう。寝台車が病院に到着したら、故人を車両に乗せて安置先に向けて出発します。
故人の安置
ご遺体は自宅や葬儀社の霊安室などに安置します。「安置」とは葬儀までの間故人を布団や保冷庫に寝かせることを意味します。 安置の作業は、基本的に葬儀社や遺体搬送専門業者が行いますが、故人の体格が大きい場合など、家族の方の手伝いを求められることもあります。
自宅安置の場合は、故人のために布団を一組用意しましょう。ご遺体にはドライアイスの手当をし、枕飾りと呼ばれる祭壇が設置されます。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社との打ち合わせでは、主に次の項目について確認、決定、案内が行われます。
- 葬儀スタイルや規模など葬儀に関する希望を葬儀社に伝える
- 参列者人数の予測
- 通夜式や葬儀告別式の日時の決定
- 葬儀を行う場所の決定
- 喪主や施主の決定
- 菩提寺の有無の確認(菩提寺が無い場合は、葬儀社に寺院の紹介を依頼することも可能)
- 祭壇、棺、骨壺、返礼品、料理など葬儀に必要な商品やサービスの決定
- 受付など手伝いの必要人数について確認
以下の記事で葬儀屋を手配する際のポイントについて取り上げていますのでぜひご覧ください。
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納棺
故人を棺に納める儀式を行います。
通夜式
お坊さんに読経をしていただき、参列者は焼香をします。式後は通夜ぶるまいと呼ばれる飲食の席が設けられます。
葬儀告別式
お坊さんに読経をしていただき、参列者は焼香をします。お坊さんによる読経後、故人と家族との最後のお別れを行い、火葬場へと出棺します。
火葬
火葬場にて火葬を行います。火葬後は骨上げとなり、家族や親族によって遺骨を骨壺に納めます。
初七日・忌中払い
初七日法要、忌中払いを行います。忌中払いは、精進落としとも呼ばれることのある飲食の席です。
病院で亡くなった時、自宅に遺体を搬送できるか
病院で亡くなった場合、その後自宅に搬送できるのでしょうか。ここでは病院からの搬送について、覚えておいた方が良いことを紹介いたします。
自宅安置の場合
条件を満たせば病院から自宅に搬送が可能です。主な条件は次のとおりです。
- 自宅に故人を安置出来る部屋がある。
- 安置する部屋まで故人を移動できる間取りになっている。
- 集合住宅の上階に自宅が有る場合、エレベーターにストレッチャーが乗せられる。
葬儀社に搬送を依頼する
葬儀社または遺体搬送専門業者に搬送を依頼するときに、自宅安置希望であればその旨を伝えます。
自宅安置のメリットデメリット
メリット
- いつでも故人の側にいることや線香を手向けることができる
- 寺院の枕経(故人の枕元で読まれる読経)を受けられる
- 親戚やご近所の人が弔問に来れる
デメリット
- 自宅に葬儀社スタッフや車両が出入りする
- 家族葬などで不幸を知られたくない場合、自宅安置にすることで隣近所の目に触れる
遺体安置施設を利用する場合
住宅事情で自宅安置が困難な場合、あるいは不幸があったことを近所にふせておきたいような場合は、自宅ではなくご遺体を預かってくれる施設に搬送するのが賢明でしょう。
遺体安置施設は、葬儀社や斎場、遺体保管専門業者が保有しています。
葬儀社に搬送を依頼する
葬儀社または専門業者に搬送を依頼するときに、安置先について相談しましょう。適切な施設を紹介してくれるでしょう。
遺体安置施設のメリットデメリット
メリット
- 保冷庫がある場合には、遺体の保全面で安心
デメリット
- 安置施設の使用料金が発生する
- 面会が不可能、あるいは面会時間などに制限が設定されている
近年の傾向
昔は病院から自宅に搬送することが一般的でしたが、近年は自宅に安置をせず、葬儀社や斎場の霊安室など遺体安置施設に安置をするケースが増えています。その理由は主に次の2つです。
- マンションやアパートに住む方が増え、遺体を安置するスペースの余裕がない
- 近所や周囲になるべく知られずに、家族だけで葬儀を済ませたいというニーズが増えた
亡くなった場所から安置場所への距離が離れている場合
遺体搬送料金は、基本的に走行距離に応じて増額していきます。したがいまして、亡くなった病院から安置場所が離れている場合、安置場所への搬送料金が高額になる傾向にあります。
こちらの記事でも長距離遺体搬送の流れや費用について詳しく解説しています。
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ご遺体を自宅に搬送する場合
故人を自宅に搬送・安置をする場合には自宅で故人を迎えるための準備が必要になります。
安置する場所を考える
まずは安置する場所を考えなければなりません。少なくとも布団を敷くことが出来て、枕飾りを設置し、家族が数人座れる程度の広さの部屋が必要です。
また故人を部屋に迎え入れるための経路を、余裕を持って確保できる部屋の方が良いでしょう。
寝具を整える
一般的には故人の使用していた布団を用意します。布団の色や柄に決まりがあるわけではありませんが、弔問客が訪れる場合には派手な布団カバーは避け、白系のものにした方が無難です。
なお、仏式の場合には北枕ということで、故人の頭は北方向に、足は南方向になるように布団に寝かせます。
末期の水
末期の水は、仏式葬儀での習わしで、お釈迦様が亡くなるときに水を求めたことに由来します。 本来は死に際に行うものですから、病室で行うべきことですが、自宅に安置してから行われることが多いようです。
箸の先に脱脂綿を巻いたものや、綿棒の先を水で湿らせて、故人の口元を潤します。末期の水は、家族で血縁の濃い方から順番に行います。
葬儀社や斎場の安置施設に搬送する場合
病院から葬儀社や斎場の霊安室など遺体安置施設に搬送する場合には、施設によって次のパターンがあります。
- 搬送の際に安置施設まで家族も同行する。安置後にお線香を手向けるなどして、今後の打ち合わせを行って家族は帰宅する。
- 搬送の際に家族は同行せず、時間を改めて施設の指定時間に面会に行く。
- 搬送の際に家族は同行せず、全て葬儀社に任せて保管してもらう(家族は面会にも行かない)。
最近は、24時間故人に付き添うことが出来る安置施設も見られるようになっています。安置施設の利用ルールは、施設ごとに異なりますので事前に確認しましょう。
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警察が介入する場合
病院で亡くなった場合、病院から死亡診断書を受け取って故人を引き取るという流れになるのですが、警察が介入するケースもあります。
病院で亡くなって警察が介入するのはどのようなケースか
警察が介入するのは、医師による診療がなく、すぐに死因が特定できない場合です。病院で亡くなった場合でも主に次のようなケースで警察が介入します。
- 救急車で病院に運ばれて亡くなったとき
- 担当医が死亡診断をした結果、診療中や治療中の傷病ではなく異状が見られるとき
- 自殺、医療事故、犯罪による死が疑われるとき
これらのケースは、通常死に対して異状死や変死と呼ばれます。
警察が介入する目的
警察が介入する目的は、まず死因や死亡日時の特定をすることと、犯罪の可能性の有無について確認をすることで、これらを「検案」と呼びます。検案の結果、犯罪の可能性が有ると判断された場合には解剖検査を行い、さらに詳細な調査が行われます。
死亡診断書と死体検案書
病院で診療中や治療中の傷病が原因の死については死亡診断書が発行されますが、警察が検案を行った場合においては死体検案書が発行されます。名称は異なりますが、書式自体は同じです。
警察が介入するケースの流れ
下記は、警察が介入した場合の臨終から自宅安置までの流れの一例です。
- 職場で倒れて救急車で病院に搬送されたものの、救命治療室で臨終
- 病院が警察や家族に連絡
- 病院から連絡を受けた家族も病院に到着
- 警察署員が病院に到着し、遺体の調査(検視)、関係者への聞き取り
- 遺体を警察署に移動
- 医師や監察医による検案(犯罪性が疑われる場合には、解剖が行われます)
- 死体検案書の発行
- 葬儀社か遺体搬送専門業者が警察署から自宅へ故人を搬送
- 自宅に安置
以上が臨終から自宅安置までの流れの一例ですが、警察が介入すると、解剖をしない場合でも故人が自宅に安置されるまで半日~1日程度を要することが一般的です。
この間、特に犯罪性がなければ家族が警察署に呼ばれることは稀で、故人が自宅に戻ってくるまで、家族は自宅などで待機をしていることになります。
また、通常死であれば看護師が故人の身体のエンゼルケア(死後処置)を行いますが、上記の場合には葬儀社か遺体搬送専門業者がエンゼルケアを行うことになります。 そのためエンゼルケアにかかる料金が葬儀代や搬送料金に加算される場合があります。
事故死の場合の葬式の流れについては以下の記事でも解説していますのでご参照ください。
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最後に
今回は、病院で亡くなられてから葬儀までの流れについて解説してまいりました。 病院で大切な方が亡くなれば、残された家族の方々は悲しみにくれているわけにもいかず、葬儀の手配などしなければならないことがたくさんあります。 そのようなときに、予め一連の流れを知っておくだけで気持ちに余裕が生まれるでしょう。
葬儀の費用を抑えるためのポイント
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ステップ2
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お客様からお伺いしたご希望を元に、条件に合った葬儀社をご紹介いたします(最大3社)。
もし急ぎで病院・警察からの移動を求められている場合は、すぐにお伺いして指定場所まで搬送することも可能です。※葬儀を行う地域や条件によっては複数社紹介が難しい場合もございます。
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ステップ3
葬儀社との打合せ/葬儀日程や内容の確定
葬儀社と葬儀について具体的な内容を話していきます。内容面、費用面など比較検討の上、条件に合う葬儀社が見つかりましたらお申し込みください。
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