遺族が勤務先などから受け取れる死亡弔慰金とは?弔慰金を渡す際のマナーも紹介します
亡くなった故人が会社員であった場合には、勤め先から支給される「死亡弔慰金」があることを知っていますか。
本記事では、死亡弔慰金とは何か、その相場や課税方式などについて解説します。
死亡弔慰金とは
死亡弔慰金とは、会社の福利厚生の中の慶弔見舞金の一種として、会社の役員や従業員が亡くなった際にその勤務先の企業が遺族に渡すお見舞い金です。従業員本人だけでなく、その家族が亡くなった際にも死亡弔慰金が支給される場合もあります。
亡くなったのが社員本人である場合、故人への功労金の意味合いもあります。
法律で義務として定められている制度ではないため、全ての会社が死亡弔慰金の制度を導入しているわけではありませんが、およそ9割の会社で死亡弔慰金が支給されていると言われています。
死亡弔慰金を受け取る人は、社員本人が亡くなった場合にはその配偶者や子供、両親などの家族、社員の家族が亡くなった場合には社員本人となります。
社会通念上で相当(社会一般の常識)と認められる慶弔見舞金などの場合は、課税対象にならないので企業からの源泉徴収はされません。
死亡退職金との違いとは
死亡弔慰金と似たものに死亡退職金がありますが、どちらも会社から支給されるお金に変わりはなく、受け取る側としては同じようなものに感じられます。
ただし、死亡弔慰金が社員の家族が亡くなった場合にも支給されることが多い一方で、死亡退職金は社員本人が亡くなった場合にのみ支給されるという点が異なります。
そしてもう一つ、被相続人が死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金は、みなし相続財産として相続税の課税対象になりますが、死亡弔慰金は、実質上の退職手当金や功労金などに該当すると認められる部分を除き、原則として非課税であるという点も大きな違いと言えます(金額によっては課税対象となるケースがあります。詳細は後述)。
そのため、会社側によって死亡弔慰金を死亡退職金としてまとめて会計処理されてしまった場合、死亡弔慰金も死亡退職金とみなされて課税対象となってしまう可能性がありますので注意が必要です。
死亡弔慰金の相場は
死亡弔慰金の制度はあくまで会社の判断により導入されるものであり、決まった支給金額というものはありません。
そのため、各会社から支給される死亡弔慰金の金額にはかなり幅があり、相場はいくら程度と一概に言うことはできません。
ただし、相続税法で定められている死亡弔慰金相当額(後述)の範囲を超えた部分については課税対象となるため、同範囲を超えないよう配慮された金額であることがほとんどです。
したがって、相続税法上の死亡弔慰金相当額(後述)が上限の目安であると考えてよいでしょう。
また、死亡弔慰金の金額が大きく変動するいくつかの要素として、以下のようなものがあります。
業務中の死亡か、業務外の死亡か
業務中や業務に関連する時間(出張中や通勤中など)に亡くなったケースでは、業務外の時間に亡くなったケースよりも高額の死亡弔慰金が支給されることが一般的です。
団体保険への加入の有無
社員を被保険者とし、会社が契約者・受取人となり団体保険に加入している場合があります。これは、比較的規模の大きい会社が加入しているケースが多い傾向です。
こうした団体保険の死亡保険金が死亡弔慰金に充てられるため、通常は加入していない場合より高額になります。
勤続年数
「功労に報いる」という意味合いを重視する会社では、一律ではなく勤続年数に応じた金額が設定されている場合があります。
勤続年数が長いほど死亡弔慰金も多く支給されます。
死亡弔慰金が非課税となる範囲は
前述したように、死亡弔慰金の課税対象となる金額は、死亡退職金とは異なります。
相続税法で定められた死亡弔慰金相当額を超過した部分については、死亡弔慰金ではなく「退職手当金など」であるとみなされ、別途相続税の課税対象となってしまいます。
死亡弔慰金の非課税限度額は次の通りです。
■被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき
被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額
(死亡当時年収が600万円だった場合、最大1800万円まで非課税)
■被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき
被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額
(死亡当時年収が600万円だった場合、最大300万円まで非課税)
弔慰金の名目で受け取ったものであっても、上記非課税額を超える部分については、実質上退職手当金などに該当すると認められ、相続税の課税対象となる点に注意が必要です。
弔慰金と死亡退職金を両方受け取った場合
故人が社員本人であれば、勤め先の規定にもよりますが、死亡弔慰金と死亡退職金の両方を受け取ることになるでしょう。
死亡弔慰金と死亡退職金それぞれの非課税枠は異なるため、そのケースにおける相続税の計算では、死亡弔慰金と死亡退職金を別々に処理します。
まず、死亡弔慰金が上記の死亡弔慰金相当額の範囲内であることを確認します。万一超過していた場合は、超過分が課税対象となります。
被相続人が死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金については「500万円×法定相続人数」の金額が非課税となりますので、その額を超過した部分がみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
※法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人に含むことができる養子の数は、実子がいる場合は一人、実子がいない場合は二人までとなります。
なお、法定相続人の中に相続を放棄した人がいたとしても、法定相続人の人数には含めて計算します。また、相続人以外が受け取る場合には相続ではないため、非課税枠が適用されない点に注意が必要です。
例えば、死亡退職金が1200万円で法定相続人が2名いた場合、500万円×2人=1000万円までは非課税ですが、残りの200万円については課税対象となります。
税率は金額により変わってきます。詳細は国税庁のウェブサイトなどで確認しましょう。
相続税について詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
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弔慰金を渡す際の会社側のマナー
死亡弔慰金を社員やその家族に渡す際に、会社側として気を付けたい点には次のようなものがあります。
基本的には葬儀後に渡す
社員やその家族が亡くなった場合、会社からも香典を出すことが一般的ですが、死亡弔慰金はいわば福利厚生の一環として支給されるものであり、香典とは性質が異なります。
そのため、葬儀の際に渡すよりも、葬儀を終えて一段落したころを見計らって渡すことが適切と考えられるでしょう(ただし、会社ごとの考え方が異なりますので、葬儀の際に渡すという会社もあります)。
葬儀に持参する場合は香典同様のマナーで
葬儀に参列する社員が死亡弔慰金を持参する場合は「新札は避けるか、折り目をつける」「袱紗に包んで持参する」といった香典のマナーに準じます。
現金で渡す場合には、白無地の封筒や不祝儀袋を使用し、お札と目録を入れて渡します。目録には弔慰金の金額、会社名、部署名、亡くなった方の名前を記載します。
基本的には薄墨で書きますが、不祝儀袋の素材(和紙など)によっては滲んでしまう場合などは普通の墨で書いても構いません。
表書きは「弔慰金」と書きます。香典ではないため、御香典や御霊前は使用しないようにしましょう。
中袋には金額を記入しますが、旧字体の漢数字を使います。
また直接ではなく振り込みの場合は現金を入れずに、目録だけが入った封筒だけを渡します。
上包みの表書きは「目録」と書きます。
目録の中入れには一番右端に弔慰金、真ん中には旧漢数字で金額と振り込み日、一番左端には差出人の会社名と弔慰金を送る方(亡くなった方)の名前を書きましょう。
こちらの記事でも香典の正しい包み方について解説していますのであわせてご覧ください。
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まとめ
死亡弔慰金とは、社員本人やその家族が亡くなった際に会社から支給されるお見舞金のことで、法的な定めはなく会社が任意に導入している制度であるため、会社によりその金額には幅があります。
そして、死亡弔慰金は死亡退職金とは別物です。会社から支給されるお金である点は同じですが、死亡弔慰金は基本的に全額非課税(非課税限度額の範囲内で支給されることが多い)であるのに対し、死亡退職金は一定の控除額を超える部分がみなし相続財産として相続税の課税対象となっています。
死亡弔慰金は香典とは性質が異なるため、葬儀当日ではなく後日渡すという対応で問題はありませんし、むしろそのほうが適切と考えられることも多くなっています。人生で多く経験できる訳ではない死亡弔慰金ですから、確かな知識を備えて、いざというときに間違いのない対応ができるように、今回の記事を参考にしてください。
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