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葬儀の知識

死産した赤ちゃんの葬儀はどんな流れ?費用相場や服装についても解説

死産した赤ちゃんの葬儀はどんな流れ?費用相場や服装についても解説

本記事のポイント

  • 妊娠12~22週未満で死産した場合は、死産届の提出が必要。妊娠22週以降は出生したかによって提出書類が異なる
  • 死産した赤ちゃんの葬儀は家族のみで行うか、火葬のみの葬儀が多い傾向にある
  • 葬儀の費用相場は火葬のみなら数万円程度、セレモニーを行うなら10~15万円とされている
  • 火葬炉やご遺体の大きさによっては、ご遺骨が残らない可能性がある

誕生を心待ちにしていた赤ちゃんを亡くすことは、両親や家族にとって大きな悲しみです。そのような心情の中で、役所への手続きや火葬などを進めていかなければなりません。

お母さんやお父さんにとっては望んでもいなかったことですから、何をどのようにすればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、死産となった赤ちゃんをどのように見送ればよいのか、必要な手続きや火葬、葬儀などを中心にご紹介します。わずかながらでもその一助となれるよう、祈りを込めて解説していきます。

※参照:流産・死産等を経験された方へ - こども家庭庁

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死産した赤ちゃんを火葬するまでの流れ

死産した赤ちゃんの葬儀はどのようにして行えばよいのでしょうか。とくに早期で死産した場合は葬儀や火葬をするべきか悩む方もおられるでしょう。

妊娠12週未満で死産となった赤ちゃんは、法律上の死産届や火葬の義務はありません。そのため、多くは病院側で「胞衣(えな)物」として丁重に処理されます。

そのため、ここでは12週以降で死産した赤ちゃんの死産届の提出から葬儀、火葬を行う際の流れを解説していきます。

死産届を​提出

妊娠12週以降で赤ちゃんを死産した場合には、「死産届」の提出が必要です。

ただ、妊娠の週数によっては提出書類やフローが多少異なります。各周期ごとに適切な手順を踏んでいきましょう。

妊娠12〜22週未満の​死産の​場合

妊娠12〜22週未満で死産した場合は「死産届」を提出します。出生届は必要なく、戸籍にも記載されません。
死産届は病院にて受け取るのが一般的です。医師が立ち会っていない場合は、死胎検案書が発行されます。

書類に必要事項を記入したら、各自治体の役所に提出して火葬許可証を受け取ります。死産届の提出期限は死産から7日以内とされているため、速やかに提出しましょう。

妊娠22週以降の​死産の​場合

妊娠22週以降は医学的には死産とされますが、法律上の手続きは赤ちゃんが出生したか、一度でも心拍などが確認されたかどうかで大きく異なります。

出生前の場合は妊娠12〜22週未満の際と同様、「死産届」を各自治体の役所に提出します。

一方、出生後は「死児の分娩」ではなく「新生児の早産」と解釈されるため、死産届ではなく死亡届を提出します。さらに死亡届を出すには、前提となる出生届も提出しなくてはなりません。

出生届を提出するにあたって、赤ちゃんの命名も必要となり戸籍にも記載されます。その上で死亡届が受理されて除籍されるといった流れになるのです。

出生したと判断されれば、出生届と死亡届を同時に提出するという心情的につらい状況となってしまいますが、これは法律上必要な手続きなのです。

なお、赤ちゃんが出生したのか、それとも死産だったのかについては、医師が判断します。

※参照:死産の届出に関する規程(◆昭和21年09月30日厚生省令第42号)-厚生労働省

葬儀を​行う​

死産後の葬儀は家族のみで行うか、火葬のみ行うことが多い傾向にありますが、どの形式で行うかは両親の気持ち次第です。

選択できる主な葬儀形式は以下の通りです。

一般葬通夜と告別式を参列者を制限せずに行う
家族葬家族や親族などの近親者のみで行う
一日葬通夜を行わず告別式のみで執り行う
直葬通夜・告別式などセレモニーを行わずに火葬のみで見届ける

もし家に代々お世話になっている菩提寺があれば、まずはそのお寺に相談してみてもいいかもしれません。その場合、火葬後の供養も引き受けてくれるのが一般的です。

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火葬

「墓地、埋葬等に関する法律」により、妊娠12週目以降に死産した赤ちゃんは火葬をする決まりがあります。

ただし、墓地、埋葬等に関する法律に基づき、妊娠24週以降の死産では火葬前に24時間の安置が必要となります。母親の退院までは病院で安置されるのが一般的ですが、退院後は主に自宅か葬儀社の安置室に搬送します。

また、赤ちゃん用の小さな棺は、基本的には葬儀社もしくは病院に用意してもらいます。骨壺に関しても葬儀社から購入するのが一般的ですが、好みに応じて仏具店やオンラインストアで探すことも可能です。

※参照:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)-厚生労働省

死産した赤ちゃんの葬儀の費用相場

死産した赤ちゃんの葬儀にかかる費用相場は、火葬だけであれば数万円程度で行えますが、セレモニーを設ける場合は追加で10~15万円程度を用意しておくといいとされています。

内訳は、火葬料金、お棺、搬送費、ドライアイスなどが挙げられます。

搬送費

赤ちゃんのご遺体は身体が小さいため、自家用車で搬送することも可能です。その場合は搬送費用は発生しません。

葬儀社に依頼する際は搬送距離に応じて料金が発生します。10km以内の場合は一般的に約2万円が相場とされています。

火葬​費

赤ちゃんの火葬費用は大人よりも安価な傾向にあります。ただ、火葬場の手配方法によっても費用にバラつきがあります。

葬儀社を通じて火葬場に依頼する際は5万円程度が相場とされています。一方、公営の火葬場を両親が自ら手配する場合は無料~数千円と見ておくといいでしょう。

棺費用

赤ちゃんのご遺体は専用の小さな棺に納めます。

基本的には葬儀社のプランに含まれていますが、単体で購入したい場合は別途で3千~2万円程度がかかります。

お布施

僧侶に読経をお願いする際には、お礼としてお布施を渡すのが通例です。

金額は地域や宗派によって様々ですが、一般的には5~10万円が相場とされています。不安であれば葬儀社や菩提寺に聞いてみてもいいでしょう。

ドライアイス費用

赤ちゃんのご遺体を保全するためにドライアイスを用います。

費用相場は8千~1万円とされています。

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葬儀当日の服装

家族葬など葬儀を行う場合は喪服に準ずるフォーマルウェアを着用します。火葬場での服装もブラックまたはダークスーツが基本です。

男性

男性の主な服装は以下を参考にしてみてください。

ジーンズやスニーカーなどカジュアルな服装はマナー違反です。フォーマルな見栄えになるよう意識しましょう。

服装・黒や紺、グレーなどダークカラーのスーツ
・白無地のワイシャツ
・冬はコートやジャケットを着用可
足元・黒い革靴もしくはビジネス用シューズ
・黒い靴下
・華美なものは避ける
小物・ネクタイやベルトは黒を着用
・アクセサリーは結婚指輪のみにする
・時計は装飾の少ないシンプルなものを付ける

女性

女性も男性同様、控えめな配色やデザインの服装を心がけます。また、女性の場合は化粧の濃さにも気を付ける必要があります。

服装・黒や紺、グレーなどダークカラーのワンピースもしくはスーツ
・スカートでもパンツスタイルのどちらでもマナー違反にはあたらない
・露出が多い服は避ける
足元・黒のパンプスや革靴
・ストッキングも黒にする
小物・アクセサリーは結婚指輪以外にも、パールであれば一連のネックレスやピアスの着用が可能
化粧・ラメが入ったアイシャドウや濃いチークなどは利用せず、ナチュラルな化粧に留める

火葬後の供養

妊娠12週以降の赤ちゃんが死産した際は、ご遺骨とみなされるため「墓地、埋葬等に関する法律」に則り納骨するのが一般的です。
ご遺骨である以上、埋葬地は「墓地」と定められた場所と法律で決められています。どの場所でも納骨してよいわけではありませんので注意が必要です。

納骨先は主に以下が挙げられます。

納骨先の種類特徴
菩提寺先祖代々引き継いでいるお墓
公営墓地や民間墓地自治体や民営の企業が運営しているお墓
合祀墓血縁のない複数人の遺骨が埋葬されたお墓
納骨堂ご遺骨を建物内で安置するための施設
散骨粉末状にした遺骨を海や山に撒く供養方法

ただ、心境的に今すぐ納骨ができない場合は、手元供養といってご遺骨を自宅に保管する形をとっても構いません。

火葬後のご遺骨はお墓へ納骨するのが一般的であるものの、義務ではありません。全てのご遺骨を納骨するのに迷いがあれば、もうひとつ骨壺を用意するか専用のペンダントを購入して分骨することも可能です。

また、流産や死産で亡くなってしまった赤ちゃんの冥福を祈る意味合いで、「水子供養」という弔いもできます。こちらも義務ではありませんが、気になる方は菩提寺や水子供養に対応しているお寺に相談してみてください。

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死産した赤ちゃんの葬儀における注意点

死産した赤ちゃんの葬儀は前提知識として入れておきたいことや、通常の葬儀と異なる点がいくつかあります。

行う際にはどんなことに注意が必要なのかみていきましょう。

宗教的な儀式を​必ず​行う​必要は​ない​

死産した赤ちゃんの葬儀において、宗教的な儀式は必ずしも行う必要はありません。大人が亡くなった場合も変わりはありません。

家族だけで小さな儀式を行う方もいれば、火葬だけで済ませる方もおり人それぞれです。大切なのは両親や家族の気持ちです。どうしたら後悔がないか話し合って結論を出しましょう。

遺骨が​残らない​可能性が​ある​

火葬炉やご遺体の大きさによっては、ご遺骨が燃え残らず灰になってしまうケースもみられます。成人のご遺体と比較して、胎児のご遺体は骨自体が小さく多くの場合未熟なためです。

朝一番のタイミングで火葬をすれば、火葬炉の温度がまだ上がりきっていないことから、ご遺骨が残る可能性が多少は高まるといわれています。

それでも、死産のご遺体の火葬には大変高度な技術が必要だと言われており、熟練の火葬士であっても、必ずきれいに遺骨を残せるとは言い切れません。 そのため、拾えるお骨が残らないこともあるということも、事前に認識しておきましょう。

どうしても残したいという方は、赤ちゃん専用の火葬炉を持つ火葬場に依頼することも可能です。ただ、通常の火葬よりも高額になる傾向があるため、費用についても事前に問い合わせておくと安心です。

赤ちゃんの​葬儀に​対応した​葬儀社を​選ぶ

葬儀社によっては、死産した赤ちゃんの葬儀に対応していない業者もみられます。対応の有無を軸に葬儀社探しを行った方がスムーズに進められるでしょう。

できれば、複数社の見積もりを取って費用やプランに含まれる内容を比較できると理想です。

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まとめ

死産のケースでは、赤ちゃんがおなかにいた期間に応じて、手続きの方法が異なります。しかし、葬儀や供養に関しては絶対にこれをしなければならないというものはありません。むしろご両親の気持ちを最優先にして、少しでも納得できる方法を選んでいけばよいでしょう。

生きて会えなかった赤ちゃんへの想いをどのようにして伝えたいか、親として納得の行くお見送りや供養とはどういったものか、気持ちが動転する上で、分からないことばかりだと思います。

あまり他人に話したくないことかもしれませんが、少しでも納得いく供養を滞りなく行うためには、お寺や葬儀社に相談して力を借りてみることも大切です。

安心葬儀では葬儀社探しを通じて、死産した赤ちゃんの葬儀をサポートしています。「こんな葬儀を行いたい」「予算内に納めたい」など家族の希望に沿って、適切な葬儀社を最大3社まで無料紹介が可能です。お困りの方はお気軽にご利用ください。

監修者コメント

どんなに小さくても、命あるものとして生を受けたら尊厳をもって送り出したいものです。骨壺をずっと納骨できずに手元においておく方もいます。火葬や納骨等の一連の作業、弔いを通じて、私たちは命の重みを知ることができます。


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