葬儀をしないという選択はあり?葬式をしない火葬式についても紹介します
近年、家族葬などの比較的規模が小さい葬儀を行う方が増えています。
しかし、「葬式自体を行わない」という選択肢は、考えもしなかったという方がほとんどでしょう。そもそも葬式をしないという選択はあり得るのでしょうか。
この記事では、法律上の葬式の扱い、火葬式というスタイルやメリット・デメリット、費用相場などについて解説します。
葬式をしないことは法律上可能?
人が亡くなれば必ず葬式を行わなければならないのでしょうか。
結論としては、葬式には法的な義務はありません。
葬式を行うか行わないかは、故人の希望や遺族の考え、経済状況などに応じて決定するものなので、「葬式をしない」という選択肢もあり得ます。葬儀の形式によってその費用は大きく変わりますが、数十万円〜数百万円の費用が掛かるため、経済的に難しい場合や故人が遺言などで葬式をしないと希望していた場合などです。
ただし、それは儀式(多くの場合で宗教的儀式)としての葬式の話です。
火葬(地域によっては土葬)という「遺体の処理」は法律上必須です。実施に必要な手続き、火葬を実施する施設や埋葬が許可されている区域および施設、死後24時間以内の火葬または埋葬の禁止などについてが、法律で定められています(参考:「墓地、埋葬等に関する法律」)。
日本ではごく一部の地域に限られますが、土葬も可能です。
土葬できるのは、山梨県・茨城県・鳥取県・高知県・栃木県などの一部の地域で、土葬を行う場合は、土葬が可能な墓地の管理者に埋葬許可証を提出し土葬許可を得る必要があります。
一般的な葬式をしない火葬式(直葬)とは
祭壇の前で僧侶が読経し、参列者が焼香をするといった一般的な葬式(通夜・告別式)を行わず、火葬のみを行う「火葬式(直葬)」という葬儀スタイルもあります。
儀式的な内容は省くことがほとんどですが、僧侶などの宗教者を招いて読経(炉前の読経)などを行うことも可能ですが、短い時間に限られることが多く、また地域によっては炉前の読経が難しい場合もあるので、火葬場に確認するとよいでしょう。
なお、通夜を行わず火葬のみを行うといっても、亡くなってから24時間以内の火葬は法律で禁じられているので、最低24時間は遺体を安置する必要があります。
火葬式(直葬)が選ばれる理由の例
火葬式が選ばれる背景には、どういった理由があるのでしょうか。
故人が高齢などで参列者が少ない
故人が高齢であれば、きょうだいやいとこ、友人・知人などの多くが参列してもらうことが難しくなっている場合や、既に他界している場合もあり、必然的に参列者が少なくなります。
参列者数が見込めない場合、社会的な意味合いを持つ儀式としての葬儀の必要性は低いとして、火葬式が選ばれるケースがあります。
経済的な負担を減らしたい
葬儀の豪華さや規模の大きさ、参列者の人数の多さによっても、葬式に掛かる費用はかさみます。
ごく慎ましやかに営んだとしても、葬儀にはある程度のまとまった金額が必要となることが大半です。
そうした経済的な負担を軽減するため、必要最低限の要素で構成された火葬式を選ぶというケースもあります。
従来の葬儀形式にこだわらない
人の価値観はそれぞれ異なりますが、「葬儀において大切なのは故人を悼む心であり、花で飾り付けた豪華な祭壇や司会者を立てての進行といった一般的な葬儀形式にこだわる必要はない」という考え方の人もいます。特に信仰する宗教宗派がない人は、葬儀形式の選択肢の一つとして火葬式を選ぶこともあります。
喪主や遺族の負担を抑えられる
一般の葬儀では、参列者への対応などで、喪主や遺族に精神的・肉体的に負担がかかります。決めなくてはならないことも多岐にわたり、葬儀当日だけでなく打合せや準備にも多くの時間を割かなくてはなりません。
ですが、直葬の場合は身近な近親者のみの参列なので、喪主や遺族の負担を抑えることができます。
参列者の負担を減らしたい
葬儀を行う場合、葬儀会場から火葬場まで移動したり、通夜や告別式を行った場合は宿泊が必要になったりすることもあります。
そういった参列者の負担も火葬式の場合は必要ありません。
これらの考え方から、火葬式が選ばれることもあります。
火葬式のメリットとデメリットとは
火葬式のメリットとデメリットにはどういったものがあるでしょうか。
火葬式のメリット
1. 経済的な負担が少ない
参列人数に応じた広さの葬儀会場、祭壇や装飾花、参列者への会葬御礼品や食事の用意、一般的な通夜・告別式を営むために必要になる設備や備品、返礼などの費用が掛からない分、経済的な負担も少なくなります。
2. 遺族の負担が軽い
通夜や告別式を行う際には、決めなくてはならないことがたくさんあり、参列者への応対も含め、喪主や遺族には肉体的・精神的負担がかかります。
こういった葬儀に関する事前準備が少なく済んだり、ごく身近な近親者のみの参列のために弔問客の対応が軽くなる火葬式であれば、一般的な葬式にまつわる負荷の大半が発生せず、遺族の負担が減ります。
3.参列者の負担も抑えられる
故人が高齢の場合、そのきょうだいや知人も高齢の場合が多いです。
高齢者には、移動や宿泊、長時間の参列などには身体的な負担が多くかかりますが、そういった負担も抑えられます。
火葬式のデメリット
1. 周囲の理解が得られないことがある
現時点では一般的と言えない火葬式だけに、抵抗感を示す人も少なくはありません。
火葬式では、立ち会う人をごく身近な近親者のみにするケースが多く、お別れができなかった人が不満に感じる場合もあります。
そのため、事前に親族への充分な説明がないと、一般的な葬式を行わないことについて苦言を呈されるなど、トラブルとなる可能性もあります。
2. 葬儀後の弔問客の対応が負担となることがある
基本的に一般参列者を受け入れない火葬式の性質上、「お別れができなかったのでせめてお参りをしたい」という方が後日弔問に訪れることが想定されます。
自宅での弔問客対応が必要となり、後日でも受け取った香典などへのお返しの対応が必要なため、それを負担に感じることもあるでしょう。
また、火葬式を行う場合は、亡くなってから1~2週間以内に挨拶状を送るといいでしょう。挨拶状には火葬式で故人を送った旨と参列を案内できなかったことへの詫び、生前の付き合いに対するお礼を書きましょう。
3. 菩提寺への納骨が断られる可能性がある
寺院によっては、同寺院による葬儀を営んでいないと、寺院所有の墓地などへの納骨を認めないという方針である場合もあります。
菩提寺の墓地にある先祖代々の墓への納骨を考えているのであれば、火葬式を希望する旨を菩提寺に伝え、葬儀の形式について事前に相談する必要があります。
4.お別れまでの時間が短い
火葬式の場合、火葬炉の前で5分~10分くらいの短い時間しかお別れの時間としてとれない場合が多いです。実際に火葬式を経験して、「想像した以上にあっという間のお別れだった」と話す人もいます。
式の後にゆっくりお別れできなかったことを後悔する場合があることを認識しておく必要があります。
葬儀をしない場合の費用相場とは
通夜や告別式を執り行なわない火葬式の場合、費用の相場は全国平均で約19万円程度と言われています。
僧侶を招くか招かないかの違い、自治体によって異なる火葬料金などにより、費用は変動しますが、一般的な葬儀に掛かる費用の全国平均が約190万円と言われているのに比較すれば、大幅に安く抑えることができます。
ローンを利用したい場合は、ローンでの支払いが可能かどうかを葬儀社に確認します。
また健康保険から支給される給付金を利用することもできます。
故人が社会保険に加入している場合、埋葬料として一律5万円が支給され、国民健康保険に加入していた場合は、葬祭費として3万円~7万円が支給されます。
葬祭費の金額は市町村によって異なります。
埋葬料、葬祭費はいずれも申請をしなければ支給されません。埋葬料は死亡日から2年以内、葬祭費は葬儀を終えた日から2年以内という申請期限もあるので注意しましょう。
火葬費用
火葬場に支払う費用は公営と民営で金額の相場が異なります。
公営の火葬場は自治体が運営しているため、市民であれば無料~3万円が相場と言われていますが、該当地域に住民票がない場合は5万円~10万円が相場になると言われています。
民営の火葬場は葬儀会社など一般企業が運営している火葬場です。
そこに住んでいなくても誰でも利用することができます。
民営の場合は、炉前室や骨上げする部屋に種類がある場合もあり、3万円~15万円が相場と言われています。
火葬式(直葬)の費用相場や補助制度については以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
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火葬費用以外に掛かる費用
火葬場に支払う火葬費用以外に掛かる費用としては、次のようなものが挙げられます。
寝台車での遺体の搬送
病院や自宅などの亡くなった場所から安置場所までと、安置場所から火葬場までの遺体の搬送が必要です。
ご遺体搬送の費用や流れについては以下の記事に詳しく記載していますのであわせてご覧ください。
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遺体安置料・ドライアイス料金
自宅に安置できない場合は、葬儀会社の霊安室や民間の専用施設を借りることになるため、その利用料金が発生します。
自宅に安置する場合も遺体の保全のため、日数分のドライアイスが必要になります。
ご遺体安置の費用については以下の記事でより詳しく紹介しています。
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棺の代金
値の張る華美なものである必要はありませんが、安置したり火葬したりするに当たって遺体を収める棺が必要です。
遺体の処置、死化粧、死装束の費用
遺体の状態や容姿を整えるために施す処置や死化粧を行う場合や、死出の旅路のための死装束を用意する場合は、それらの費用が掛かります。
骨壺代金
火葬後のお骨を納めるための骨壺が必要です。
その他
火葬・埋葬を行うには死亡届を提出するなどの書類手続きが必要です。自身でも手続きは可能ですが、葬儀社に代行を依頼する場合その費用が発生することがあります。
また、故人を供養する際の依り代として位牌を作る場合は、その費用や火葬前の最期のお別れで棺に花を手向ける場合のお別れ花の費用などが必要になる場合があります。
最後に
葬式をしないという選択肢となる火葬式(直葬)を選ぶ人は、価値観の変化などによって徐々に増えつつあります。
ただし、まだ一般的であるとは言えないため、特に従来の通夜・告別式を行う一般的な葬儀を当然と考える人には事前に丁寧な説明が必要でしょう。
この記事を葬儀を考える際の参考にしてください。
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