死亡後の名義変更の行い方。それぞれを解説
大切な方を亡くした悲しみや戸惑いの中、無事に葬儀を終えたとしても、遺された家族には、まだまだやらなければならないことがあります。
故人が所有や契約していたものなどの名義変更の手続きも大変な作業です。
しかも多くの方にとっては、普段から慣れ親しんでいる手続きではありませんし、分からないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、死亡後の主な名義変更について解説します。
車の名義変更方法
自動車は相続財産の対象となり、名義の変更が必要になります。
車の名義変更については、まず車検証に記載されている所有者名を確認する必要があり、所有者名が故人の名前となっている場合には、変更手続きをしなければいけません。
相続における自動車の名義変更手続きは、法律上の義務ではありませんが、事由が生じたときから15日以内に行わなければならないと、道路運送車両法第十二条で定められており、そのままの状態にしておくとさまざまな不都合が生じるためです。
トラブルの具体例としては、何年も経ってから車を売却しようとした時に必要書類がそろわずに名義変更ができない、名義人が故人のままの車で事故を起こした場合に自賠責保険を超える金額は保証されない、などの事例があります。
普通自動車を相続する場合の名義変更は、新しい所有者の住所地(使用の本拠の位置)を管轄する運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会の窓口で書類を提出して手続きを行うことになります。
申請に必要な書類は、有効期限内の自動車検査証・故人の死亡を確認できる戸籍謄本・相続人全員が確認できる戸籍謄本・新所有者以外の相続人全員の譲渡証明書・印鑑証明や実印などです。
登録手数料を支払って運輸支局に書類を提出したら、名義変更された車検証が発行されるので受け取ります。
車検証を受け取った後、運輸支局に併設されている自動車税事務所で自動車税の申告を行いましょう。納税が必要でない場合も申告書の提出は必要になります。
その他相続とは関係なく、ローン支払い中やリース契約している車両などの所有者は、ディーラーやリース会社などとなっているものの、故人が車検証上の使用者として登録してあった自動車については、諸手続きが必要です。
必要な手続きは、契約内容などによって異なりますので、所有者への確認を行いましょう。
車の持ち主が死亡した際の名義変更の方法や必要書類については以下の記事で詳しく解説しています。
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不動産の名義変更方法
不動産とは、主に家屋と土地です。
名義人が亡くなったことで発生する不動産の名義変更のことを「相続登記」と言います。
まず家屋や土地について、法務局(支局や出張所含む)で不動産登記情報を取得し、所有名義を確認することが必要です。
故人名義の不動産は、名義人が亡くなった時点で相続の対象となります。そのため、まずは遺言や遺産分割協議によって不動産の新しい名義人を決め、それに基づいて、該当する不動産の地域を管轄する地方法務局で、名義変更の手続きを行います。
なお、不動産の住所によって手続き先となる法務局が変わってきますので、注意が必要です。
例えば、同じ神奈川県内であっても横浜地方法務局本局が管轄する地域もあれば、横浜地方法務局湘南支局が管轄する地域もあります。
不動産の名義変更自体には期限がありませんが、固定資産税の納付にも関係しますので、不動産を相続する人が確定したら、速やかに手続きを行うことが肝心です。
名義変更には権利を証明する登記事項証明書・相続人全員分の戸籍謄本や法務局に提出する死亡した名義人の除籍謄本・相続する人の住民票・印鑑などが必要になります。
また遺言書の有無によっても必要な書類は変わってきます。
現行の法律では、名義人が死亡した不動産の名義変更(=相続登記)は義務ではありません。しかし、2021年に可決された相続登記を義務化する法案により、現在は問題のない不動産でも法案の施行以降は罰則の対象になる可能性があります。
相続登記を怠ると、不動産が売却できない、次世代に負担が掛かるなど、さまざまなリスクが発生します。不動産の名義変更は必ず行いましょう。
不動産の名義変更の流れや必要書類については以下の記事でより詳しく紹介しています。
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預貯金の名義変更方法
銀行や信用金庫などの金融機関で、故人名義の口座に遺された預金も相続財産の対象です。
預金の相続人が決まり次第、各金融機関で預金口座の凍結解除、口座の名義変更または解約の手続きを行うことになります。
手続き方法は金融機関によって異なり、おおむね下記書類の提出を求められます。
- 相続手続依頼書(金融機関ごとの既定書式)
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡に至るまで)、除籍謄本、改製原戸籍謄本、または、法定相続情報証明制度に基づく証明書(法定相続証明)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(3カ月〜6カ月以内)
- 遺言書(遺されていた場合のみ)
- 遺産分割協議書(遺言書がない場合、または、相続人全員の合意のもと、遺言書と異なる内容で分割する場合)
- 手続き対象の預金口座の通帳、キャッシュカード
- 金融機関窓口を訪問される方の身分証明書
対象となる預金口座に関するもろもろの状況によって変わってきますが、金融機関によっては手続きに日数がかかる場合もあります。
なお、被相続人および相続人の戸籍謄本については、一般的に「法定相続証明」で代用することが可能です。
法定相続証明の交付は、まず必要書類を集めて法定相続情報一覧図を作成し、法務局に提出して申請すると無料で発行されます。
必要人数分の戸籍謄本を用意すると、相当なボリュームとなってしまう場合もありますが、法定相続証明であれば、戸籍謄本など一式を一度だけそろえて法務局へ提出すれば1枚で済み、戸籍謄本をまとめる負担が軽減されます。
株式の名義変更
故人名義の株式も相続財産の対象となります。
取引を行っている証券会社や、信託銀行などの口座で保有していた株式については、それぞれの口座がある証券会社などに名義変更の手続きを依頼します。
名義変更を行った株式は、同じ証券会社に相続人の口座がある場合はその口座に移し替えられ、口座がない場合は新規に口座を開設するか、他社の口座に移管することになります。
なお、非上場会社の場合には、それぞれの会社または株式の名簿管理会社で手続きを行うことになりますが、名簿管理会社が分からない場合はまず、対象の非上場会社に問い合わせすればよいでしょう。
なお、名義変更を行ってからでないと、株主の権利を行使することはできず、株式の売却を行うこともできません。また、名義変更だけでなく、受け取っていない配当金がある場合には、この受取りにも名義変更が必要です。
株式の名義変更で証券会社との手続きに必要な書類は、株式名義書換請求書・相続人全員の同意書・遺産分割協議書・戸籍謄本などです。
非上場株式の名義変更は会社によって異なるため、直接問い合わせるのが確実です。
一般的には遺産分割協議書を相続人全員で作成して署名捺印を行い、名義変更申請書とともに請求を行います。
電話の名義変更
故人名義で契約していた電話回線については、相続によって電話の権利を引き継ぐには、「承継」と呼ばれる名義変更手続きが必要です。
電話回線と言っても、固定電話や携帯電話があり、NTT以外にもさまざまな電話サービス提供会社があります。故人が契約していた企業に対して名義変更の依頼を行うことになります。
名義変更で必要となる書類は、死亡が確認できる書類の種類などによって異なってきますので、各電話サービス提供会社に問い合わせた方が間違いないでしょう。
手続きの流れとしては、例えば、NTTでは公式サイトから必要な書類(承継・改称届書など)をダウンロードして必要事項を記入、指示された書類を同封して郵送する形になります。
このときに新契約者の身分を証明する運転免許証や現契約者の死亡が確認できる書類(死亡診断書のコピーなど)などが必要です。
またレンタル機器を借りている場合など、回線の種類や契約条件によって方法が異なることがあります。
携帯電話の名義変更や解約をする場合、大手3大キャリアならば必要書類を持って店頭を訪れることで手続きが可能です。
格安スマホの場合は、店に足を運ぶことなく解約の手続きが可能です。利用しているキャリアのお客様センターに電話して死亡したことを伝えると、書面での手続き方法が案内されるので従いましょう。
ただし会社によって方法は異なるので、手続きの前に契約している会社に確認するのがお勧めです。
公共料金の名義変更
公共料金とは、主に電気、ガス、水道のことです。
これら公共料金を故人名義で契約していた場合で、遺された家族などが引き続き利用したい場合には、名義変更の手続きを行わなければなりません。
電気は、契約している電力会社に電話で連絡します。契約番号(支払番号)が分かれば、名義変更は電話のみで手続きが完了するところもあります。
ガスについては、所管の営業所かお客様センターなどに連絡を行い、名義変更の手続きを依頼します。
水道は、地域を管轄している水道局に連絡して名義変更の手続きを進めていきます。
これらの公共料金の名義変更に関連して、今まで故人の預金口座から振替による支払いをしていた場合など、支払いに関する変更手続きも忘れないようにしましょう。
故人の預金口座は使えないため、預金口座の変更をしなければ、引き落としができずに遅延金などが発生する場合があります。
各種公共料金の名義変更の手続きについては以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
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最後に
今回は死亡後の主な名義変更について解説しました。
この他にも、死亡に関連する手続きはさまざまで、よく分からない事柄も多くあると思います。
こういった死亡後の手続きは、アフターフォローがしっかりした葬儀社であれば、葬儀後の手続きもサポートしてくれるので安心です。
葬儀社に生前相談を行うときなどは、アフターフォローの有無や充実度についても確認しておくとよいでしょう。
死亡後の名義変更については、今回の内容を参考にしてください。
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