無宗教の葬儀 やり方からマナーまで解説

故人の人柄にふさわしい葬儀にしたい、自由な形式で葬儀がしたいと考えるとき、最近は無宗教の葬儀を検討する人は少なくありません。

宗教やしきたりに捉われずに葬儀を行うことができ、個性的な葬儀を営むことも可能です。

しかし、決まりごとがないだけに、どのような内容にすればいいのか、費用はどれくらい掛かるのかなど、不安に思うことが多いのも現実です。

この記事では、無宗教の葬儀を検討している方のために、知っておきたいこと、注意したいことなどをまとめました。

無宗教の葬儀

無宗教の葬儀とは

無宗教の葬儀とは、特定の宗教・宗派の教えに基づかず、自由な形式や作法で行われる葬儀のことです。逆に特定の宗教や宗派で葬儀を行う場合は、必ずといっていいほど、それぞれの宗教や宗派の作法やルールに添って行わなければいけません。故人様が生前に希望されていたことや、ご家族の希望など、なるべく自由に葬儀をするのであれば無宗教の葬儀にする必要があるかもしれません。

ただし、無宗教の葬儀だからといって、喪主や家族、親族が必ずしも無宗教だとは限りません。むしろ無宗教の方は少ないかもしれませんので気を付ける必要があります。

確かに日本には、キリスト教徒やイスラム教徒の多い国や地域のように、日常的に信仰を意識している人がそれほど多いわけではありません。

信仰意識が高い国や地域では、毎週末に教会に出かけたり、一日に何度も祈りをささげたりするのが日常的な光景ですが、日本では信仰のために日常で何かを行う機会は少ないでしょう。

それでも、正月やお盆といった行事などの際は、寺院や神社にお参りします。また、葬儀や法要は家の宗教・宗派に従って形式で行われることが多く、実際には無宗教の人はほとんどいません。

神仏の存在をまったく否定しているという人は、実際にはそれほど多くはないのです。自分自身では、あまり気が付きませんが「八百万の神」のように大昔から日本人の中に染み付いている信仰心があるのかもしれません。

そのため、無宗教の葬儀は無宗教主義の人のための葬儀というよりも、宗教的に中立的な立場で行う葬儀との説明の方が、現在行われている無宗教の葬儀の実情に近いと言えます。

無宗教のお葬式の特徴

宗教的な束縛や規律がない無宗教の葬儀は「自由葬」と呼ばれることもあります。

通常の葬儀は、宗教関係者による読経や説教など、これまで綿々と伝え継がれてきた宗教的な儀式を軸にして構成されています。故人を送るために、さまざまな宗教儀礼が順序立てて行えるように、葬儀の式次第が作られているのです。

これに対して無宗教の葬儀は、宗教関係者を招くことがなく、読経や説教、焼香もありません。

無宗教の葬儀では、仏式でよく行われる僧侶による読経がなく、その代わりに全員で黙祷を行います。

また焼香の代わりには、献花を行うことが主流です。献花に使う花は、菊やカーネーションを使うことが多いですが、故人が好きだった花が使われることもあります。

宗教的な手順を踏む必要がないので、故人が好きだった音楽を奏でる、献花を行うなど、自由な構成が可能です。

他にも生前の故人の映った映像を流したり、友人からのメッセージ映像を流したりする場合もあります。

プログラムの構成やそれぞれにかける時間も、自由に設定することができるため、故人や遺族の意志に完全に沿った葬儀が行えます。

このように決まりがないことが無宗教葬儀の特徴ですが、ここで注意したいのは、自由であるがゆえに難しい一面もあることです。

無宗教の葬儀は、故人や遺族の意志により自由な式次第が選択できる一方で、基本的なプログラムや一般的な進行マニュアルもありません。

制約がまったくないだけに、何をすればいいのか分からなかったり、どんな構成にしようか迷ってしまったりすることも考えられます。

遺族が葬儀の意向をしっかりと持ち、無宗教の葬儀のことをよく知っている業者に依頼しなければ、満足できる葬儀が行えない恐れがあります。

式を円滑に進めるためには、故人の遺志や遺族の思いを受け止め、それを心に残るセレモニーとして形にするノウハウが必要なのです。

無宗教の葬儀の司会

無宗教の葬儀を行う場合、自宅を会場とするのなら、手作り感覚の葬儀にするのも一つの方法です。

しかし、会場を借り、参列者を招いて無宗教の葬儀を行う場合には、きちんとした式次第を用意するとともに、式をスムーズに信仰させる司会者の役割が重要です。

とりわけ無宗教の葬儀は、参列者にとっても初めてというケースが多いのが現状です。

仏式の葬儀なら、式がどう進行するのか、経験上ある程度は分かります。慣れている人になると、焼香のマナーなども心得ていて、進行が滞るという心配はありません。

しかし、これまでにない形式で営まれる無宗教の葬儀の場合、適切なタイミングで司会者の誘導がないと戸惑う人が現れ、式が円滑に進行できません。参列者に不便や迷惑を掛けることも考えられます。

また、知人などに司会進行を依頼しても、会場の様子などを確認しながら、適切なタイミングで案内をするのは至難の業です。

こうしたことを考えると、無宗教の葬儀を行う場合には、次のような方に司会を依頼することをお勧めします。

葬儀社スタッフに依頼する

司会者の依頼は、葬儀を任せる葬儀社に相談するという方法が、間違いがなく、安心です。

プロの司会、ナレーションを依頼する

自由な葬儀の形式にも柔軟に対応できるプロの司会者に依頼する方法もあります。

できることなら無宗教の葬儀司会の経験豊富な司会者に依頼されることをお勧めします。

司会を専業とする人のホームページなどをチェックするのもよいでしょう。プロの司会者を紹介しているホームページには、ナレーションのサンプル（紹介動画）が用意されている場合が多いので、実際の声を聞いてから自分たちに合った司会者を選ぶようにするとよいでしょう。

また当日のナレーションをスタジオで収録した保存版CDとして贈ってくれる会社もあるので、記念に残すこともできます。

宗教者（僧侶）に司会を依頼することもできる

実は、宗教者（僧侶）に司会を依頼することもできます。宗教関係に親しい人がいるなら、一度打診してみてもよいでしょう。

儀式の司会に慣れている人が多く、故人のことをよく知っている人なら心のこもった司会が可能です。

ただし、宗教上の立場から無宗教の葬儀の司会を引き受けることが難しい場合もあるので、決して無理なお願いにならないように注意してください。

無宗教の葬儀の流れ

無宗教の葬儀は「自由葬」ともいわれるように、決まった式次第や進行手順はありません。それが無宗教の葬儀の個性とも言えます。

しかし、従来の葬儀の流れは、長い年月をかけて洗練され、固定化したもので、故人を送る葬儀や告別式の目的によく合っています。

また、いくら自由にやりたいと思っても、従来の流れをまったく無視して、完全オリジナルに進行することは難しいのが現状です。場合によっては、式がスムーズに進行できず、参列者の混乱を招く恐れがあるでしょう。

このため、無宗教の葬儀の式次第は、従来の葬儀の式次第をベースにして作る方法が一般的です。大きな流れは伝統的な式次第に沿いながら、そこに無宗教の葬儀らしい進行を盛り込んだり、宗教色を廃したりするのです。

ここでは、従来の基本的な葬儀の流れを活かした無宗教の葬儀の流れを紹介します。

1.参列者入場

葬儀に参列する人が会場に入場します。会場の入り口で、着席位置などの案内を行うことでスムーズに席に着くことができ、時間通りに葬儀がスタートできます。

2.開式の辞

司会者によって開式が宣言されます。無宗教の葬儀の場合は、無宗教という方式を選んだ思いなどを、開式のメッセージとして司会者に読み上げてもらってもよいでしょう。

3.黙祷

通常の葬儀では僧侶など宗教関係者が入場（入堂）して読経が始まりますが、無宗教の葬儀では、読経の代わりに参列者が黙祷をささげることがあります。

4.献奏

故人や遺族が音楽好きの場合、このタイミングで、故人の好きだった曲や思い出の曲を流したり、オーケストラやバンドによる生演奏を行ったりすることもあります。なお、献奏はスライドやビデオ上映と同じタイミングで行うパターンもあります。

5.故人の紹介

故人の経歴が司会者によって紹介されます。エンディングノートなどの資料が準備されていた場合には、故人から遺族や友人に宛てたメッセージが紹介されることもあります。

また、故人の紹介に合わせて思い出の曲を流したり、生演奏が行われたりすることもあるようです。

6.スライド、ビデオ上映

故人との思い出が偲ばれるスライドやビデオが上映されます。故人の紹介と一緒に上映されるケースもあるようです。

7.別れの言葉

通常の葬儀では弔辞に当たるものです。参列者が故人との思い出や故人への思いを託したメッセージを読み上げます。

8.献花

通常の葬儀では焼香のタイミングですが、無宗教の葬儀では故人に花をささげる献花を行うことが多いようです。

もちろん、焼香を行っても構いませんが、宗教的な意味合いを持たせることなく、あくまで故人を送るために行いましょう。

9.閉式の言葉

喪主が参列者にお礼を述べます。

10.出棺

葬儀が終わると棺が会場から出され、火葬場へと向かいます。

11.会食

参列者に感謝の思いを伝え、遺族や葬儀の準備を手伝ってくれた方の労をねぎらうために、会食の場が持たれることもあります。

このように無宗教の葬儀では、献奏・弔電の紹介・思い出の映像・メッセージビデオ上映などを行い故人を偲びます。

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無宗教の葬儀の作法

無宗教の葬儀には宗教的なしきたりや儀礼はありません。しかし、故人の死去を悼み、弔うという気持ちは葬儀式のスタイルによって変わるものではないでしょう。

献花の作法

無宗教の葬儀では宗教的な意味合いが強い焼香を行わないケースが多く、焼香の代わりに献花として花をささげます。献花をする際は、基本的には儀礼に従う必要はありませんが、一般的な作法をご紹介します。

1. 遺族に一礼して、スタッフから花を受け取る
2. 花を右手側、茎を左手側に持つ
3. 故人の遺影に一礼する
4. 花の根元が祭壇側に向くように、献花台に置く
5. 故人の遺影に再度一礼して、黙祷する
6. 遺族に一礼して席に戻る

一方、式次第の中に焼香が盛り込まれ、宗教的な儀礼にのっとらない形式的な方法で線香をささげることもあります。こうした場合も、特に決まりはありません。

自分の番が来たら一礼して焼香台に進み、通常の葬儀の場合と同じように焼香を行ってください。額に押しいただくかどうか、合掌するかどうかはこだわらなくてよいでしょう。

また、無宗教の葬儀なので数珠は使わない方が、葬儀の趣旨に合っています。とはいえ、使ってはいけないというわけではありません。

香典の作法

喪家が辞退の意志を示していない限り、無宗教の葬儀にも香典は必要です。通常の葬儀と同様に、不祝儀袋や白い封筒に入れて持参してください。

表書きは通常の宗教と同じ「御霊前」「御香典」や「御花料」が一般的ですが、無宗教の場合は、御霊前や御香典など汎用性の高い表書きを使うようにします。

金額も一般の葬儀と差はなく、年齢や社会的な立場、故人や遺族との関係の深さによって決まります。

名前の記入方法

香典の名前を書く場所は、基本的には外袋の水引の真下の中央部分です。人数や関係によって書き方が変わってきますので紹介していきます。

個人で書く場合は、そのまま水引の真下の中央部分に書きます。夫婦で書く場合は、夫の名前をフルネームで記載し、妻の名前を名字なしで左横に書きましょう。

会社の関係者や友人同士で一緒に香典を渡す場合は、3名までの連名で出す場合は目上の人から右から順に書くのがマナーです。

4人以上で出す場合は、書くスペースも狭くなるため代表者の名前を水引の真下の中央部分に記載し、その左横に「他3名」などと書きます。

他にも会社や団体で出す場合は、水引の真下の中央部分に会社名や団体名に加えて一同と書きます。ただし部署単位で出す場合には、「◯◯部一同」と書き、その右側に会社名を添えましょう。

香典袋の中袋の書き方

香典袋には外袋と中袋がある場合があります。中袋には現金を包み外袋はその中袋を包みます。そして中袋にも記入しなければならないことがあります。

まず中袋の表面には金額を書きますが、その際は旧漢数字を使って縦書きで書くのがマナーです。また金額の頭には「金」をつけて書きます。

裏面には郵便番号・住所・氏名を書きましょう。

近隣の人が亡くなった場合は、約5000円〜1万円が相場と言われています。仕事関係の場合、20代なら約1万円、30代なら約1万円〜3万円を目安にするとよいでしょう。

• 香典の金額の相場
  └「亡くなった人との関係性」、「現在の自身の年齢と立場」によって決まる
  └20代なら1万円
  └30代なら1万円～3万円

香典の金額は奇数の数字に合わせるのがマナーです。偶数がマナー違反になる理由は、偶数は「割り切れる」ことから、故人とのつながりを切るとことを連想させてしまうからです。

割り切れる数字は悪いイメージを与えてしまうため、香典では控えるようにしましょう。

また、奇数でも「９」という数字が「苦」と同じ発音で連想させてしまうため、こちらも香典として包む金額にはふさわしくないとされてます。

香典袋へのお金の入れ方

香典袋にお札を入れるときは、お札の裏面となる人物が映っていない方が香典袋の表になる向きで入れます。また、中に入れるお札は新札を使うのは避けましょう。

遺族にとっては、突然訪れた大切な人との悲しい別れです。新札を入れると故人の死を予想していた、早々に準備をしていたと受け取られることがあります。

そのようなことを連想させないためにも新札を使うのは避けましょう。

もしどうしても新札しか用意できない場合は、あらかじめ折り目を付けてから入れるようにします。

ただし、新札ではなくても、あまりにもシワシワのお札を入れるのも失礼に当たるので注意が必要です。

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持ち物や服装の作法

持ち物や服装についても、無宗教の葬儀だからといって特に決まりがあるわけではありませんが、葬儀の場に合ったものをお勧めします。

男性の服装は、遺族や親族の場合はモーニングまたはブラックスーツ、一般の参列者はブラックスーツに白いワイシャツ、黒いネクタイ、黒の革靴と靴下を着用します。

女性の服装は、遺族や親族の場合は、黒のワンピースやアンサンブル、スーツ、一般の参列者は黒のワンピースやスーツなどを着用します。光るアクセサリーは外しておきましょう。

「平服でお越しください」という案内がある場合、男性は黒、紺、ダークグレーのスーツを着用しても問題ありませんが、ブラックスーツを着るのが一般的です。

パンツの裾はシングルのものを選びます。ズボンの裾を折り返すダブル仕上げの場合、「繰り返す」という意味を持ち失礼にあたるため、注意が必要です。

ワイシャツは白色の無地のものを選び、ボタンダウンはカジュアルな印象を与えてしまうので避けましょう。それ以外の靴・靴下・ベルト・ネクタイも黒でそろえます。

アクセサリーは結婚指輪以外は極力外すようにします。結婚指輪もゴールドなど派手なものであれば外すほうがよいでしょう。腕時計は着用しても問題ないですが、色やデザインが派手なものであれば外します。

そしてハンカチは白色の無地が基本ですが、同色の刺繍が施されたデザイン程度であれば問題ありません。

女性の場合、基本的に葬儀の際はブラックフォーマルと言われる、控えめな色のワンピースやアンサンブル、スーツなどの地味な洋服を着用するのが礼儀です。

肌をあまり露出しないようにスカート丈は短すぎず長すぎない、ふくらはぎ〜ひざ下くらいまでのものが理想です。

またパンツスーツは状況によっては着用してもマナー違反になりませんが、特別な理由がない限り、一般的にはあまり受け入れられてないので、避けたほうがよいでしょう。

アクセサリーはパールのネックレスが一般的で、一連のものを付けます。二連や三連のネックレスは「重なる」という意味から、「不幸が重なる」とされているため避けましょう。

バッグの色は黒が基本で、光沢のないものや飾りがないものを選びます。また殺生を連想させる革製品は避けるようにし、布製のものなどを選びます。手荷物がいっぱいになる可能性があるのでサブバックを持っておくと便利ですが、その際も華美でない黒色のものを選びましょう。

そして靴は光沢のない黒色を選びます。また葬儀中は長時間立ちっぱなしのこともあるので、3〜5cmほどのヒールが低いパンプスにします。履き慣れないなど不安がある場合は、ヒールがないものを選んでも構いません。ピンヒールや足音の出てしまう靴は避けます。

ストッキングの色も黒色で光沢のないものを選びます。やや肌が透ける程度の30デニールくらいの薄さのものを着用します。冬場もストッキングの方がよいですが、タイツにする場合は60デニール以下のものを選びます。

葬儀では片化粧と言われるメイクをします。片化粧とは控えめで色素が薄いメイクを指しますが、かといってメイクをしないのはマナー違反になります。

チークや口紅はラメ感のないものを使用し、鮮やかな色も避けましょう。口紅は、ツヤ感のあるものも控えます。

髪型は、ロングヘアの場合は耳より下でまとめましょう。耳より上でまとめるのは、慶事の意味を持つので注意します。前髪が長く顔にかかる場合は、ヘアピンでとめたり、ワックスを付けて固定しますが、ワックスは無香料のものを選びます。

ネイルをしている場合には、華美でないベージュなどの場合はそのままでも大丈夫です。ただし華美なネイルをしている場合は、外せるのであれば外しましょう。

どうしても外せない場合には、喪服用の黒い手袋を着用しますが、焼香のときに着脱しなければなりません。

子供の服装は、大人ほど細かな決まりはありません。赤ちゃんの場合は、黒やグレー、白系の淡い色の服が無難です。ピンクや赤の服やフリルやレースが付いたものも避けるようにします。

学生で制服がある場合は制服を着用します。もし制服がない場合は、黒か落ち着いた色合いの服を選びます。靴下も黒や白を着用します。

また靴は学生らしいスニーカーやローファーなどでも失礼には当たりません。ただしあまりにも汚れていたり、派手な色のものは控えます。

持ち物について

服装以外の持ち物で注意が必要なものがあるのでいくつか紹介します。

まずは香典を包むための袱紗の色です。袱紗の色はどんなシーンで使うかによって色が変わり、弔事では寒色系を選びます。暖色系は、慶事に使われる色なので注意しましょう。紫色はシーンを問わずに慶弔どちらにも使えるので、一つ持っていると便利です。

他にも親族の葬式に参列する場合は、台所の手伝いを頼まれることがあるため、エプロンや割烹着を持っていくとよいです。エプロンは黒色が多く見られますが、白でも失礼には当たりません。

葬儀が雨の日で傘が必要な時は、黒やグレーで落ち着いた色のものを選びます。どうしても用意できない場合には、透明のビニール傘を使用するとよいでしょう。

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無宗教の葬式の費用

無宗教の葬儀は「自由葬」とも呼ばれるほど、葬儀の内容や規模がさまざまです。このため、平均的な葬儀費用を算出するのが難しく、相場も基本的には存在しません。

しかし、無宗教の葬儀を検討している人のために、参考までに一般的な費用を見てみましょう。

無宗教の葬儀では、寺院へのお布施など宗教関係への支出がないので、大がかりな演出などを行わず、少人数の参列者で式を営めば約40〜50万円で済ませることも可能と言われています。

式場のレンタル料やスタッフの人件費、飲食にかかる費用や香典返しの購入費用などは、一般的な葬儀と違いはありません。

会場が大きくなり、参列者が多くなると、当然費用も高額になります。場合によっては100万円を超えることも珍しくないので、無宗教の葬儀だからといって費用を抑えられると考えるのは間違いです。

もっとも、葬儀のさまざまな支出のうち、寺院など宗教関係者への支払いは大きなウェイトを占めています。それだけに、工夫次第で葬儀費用を抑えることも可能と考えてよいでしょう。

無宗教の葬式の費用の内訳

無宗教の葬式に掛かる費用は決まりがないため、どのようなお葬式を行うかによって変わります。具体的には以下の費用が掛かります。

• 葬式場の使用料
• 火葬場の使用料
• 搬送料
• 祭壇費
• 会食費用
• 遺影写真作成費
• お花や供物代
• 司会者などの人件費
• 霊柩車などの車両費 など

葬儀社によっては無宗教葬儀のプランがありますが、「こんな葬儀にしたい」などとこだわりたい場合には、オプションで追加する必要があるので事前に確認が必要です。

無宗教の葬儀のメリット・デメリット

無宗教の葬儀にはどのような利点があるのか、どういった点に注意すればよいのかを見ていきましょう。

無宗教の葬儀のメリット

無宗教の葬儀の最大のメリットは、宗教的なしきたりに縛られることなく、故人や遺族の意志で葬儀の内容を自由に決められることです。

エンディングノートなどにあらかじめ葬儀についての希望を記しておけば、故人の遺志に沿った葬儀を行うことも可能となります。葬儀の内容を決められる自由度が高いため、納得いくまで故人の意思を反映できるでしょう。

また、一般的な葬儀費用の少なくない割合を占める宗教関係への支払いが必要ないことも無宗教の葬儀の利点です。

同じ規模の葬儀を行っても、無宗教の葬儀なら通常の仏式の葬儀よりも安く費用を抑えることができるでしょう。

読経のために僧侶を呼ぶ必要がないのでお布施代が掛からず、仏式ではないため戒名料・法名料も掛かりません。これだけでも葬儀費用を抑えることができます。

さらに費用が割安になるのは、葬儀だけではありません。通常の仏式葬儀を行うと、葬儀の後には、初七日から始まって四十九日、一周忌、三回忌、七回忌と定期的に法要を行います。

また、命日や春と秋の彼岸、お盆に僧侶が読経を行うこともあるでしょう。しかし、無宗教の葬儀を行うと、こうした行事や節目の法要に掛かる費用のうち、寺院への支払い費用を抑えることができます。

一つずつ見れば葬儀のときのような大きな節約にはなりませんが、何年もの期間にわたって積み重なると相当な金額になるはずです。

他にも宗教的な縛りがないので、お寺とのやり取りが少なくて済み、面倒な手間も省くことができます。また宗教の縛りがないことで、他の宗派の人でも遠慮することなく出席してもらうこともできます。

先祖代々のお墓や菩提寺がなくても葬儀が行えるのもメリットと言えるでしょう。

無宗教の葬儀のデメリット

無宗教の葬儀を行う場合、親族や周囲の同意を得ることが難しい場合があります。宗教に帰依している人や高齢者の中には、戒名がなく、僧侶の読経もない葬儀に、不安を覚える人がいるかもしれません。

親族でも理解を得られない場合があるので、無宗教での葬儀を行いたい場合には、事前に親族間で相談しましょう。

参列者にとっても慣れない無宗教の葬儀への出席に、戸惑いを感じる人がいると考えられます。

また、喪主の段取りが悪いと式の内容が物足りないものになってしまいます。自由度が高い葬儀のため、打ち合わせの段階でしっかりと内容を決めておくようにしましょう。

こうした不安や戸惑いをできる限り少なくするためには、事前に親族間でしっかりとした話し合いを行うことが大切です。

さらに葬儀の際にも、無宗教で葬儀を行う思いなどを、丁寧に参列者に伝えるとともに、作法に迷ったりしないように司会者などによる適切なアドバイスが必要です。

他にも、菩提寺がある方が相談せずに無宗教の葬儀を行った場合、菩提寺のお墓への納骨を断られてしまう可能性もあります。お世話になっている菩提寺がある場合は、トラブルを避けるため、必ず事前に相談しましょう。

さらに、宗教の教えに従った法要も行わず、家庭に仏壇を置くこともないので、故人を供養するという点で物足りなさや、心のよりどころがないという気持ちを抱いてしまう可能性があります。

こうした事態を防ぐためには、命日に故人を偲ぶ会を開いたり、自宅に供養のためのスペースを設けたりすることを、検討してみてください。

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最後に

無宗教の葬儀は、故人や遺族の希望に沿った葬儀を実現できる新しい葬儀の形です。戒名や読経に対する支払いがなく、費用の面でも営みやすいスタイルと言えます。

しかし、まだあまり前例がないだけに、葬儀のプランニングや実施が難しいのが現状です。また、周囲の反対を受けたり、誤解を招いたりする恐れもあります。

無宗教の葬儀を希望する場合は、家族や親族で葬儀についての考えを話し合うとともに、無宗教の葬儀に理解があり、実績を持った業者をしっかりと見定めるようにしましょう。

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2. ステップ2

   ご希望の葬儀内容に合った葬儀社をご紹介

   お客様からお伺いしたご希望を元に、条件に合った葬儀社をご紹介いたします（最大3社）。
   もし急ぎで病院・警察からの移動を求められている場合は、すぐにお伺いして指定場所まで搬送することも可能です。

   ※葬儀を行う地域や条件によっては複数社紹介が難しい場合もございます。

3. ステップ3

   葬儀社との打合せ/葬儀日程や内容の確定

   葬儀社と葬儀について具体的な内容を話していきます。内容面、費用面など比較検討の上、条件に合う葬儀社が見つかりましたらお申し込みください。

   ※万が一ご紹介した葬儀社が合わない場合、他の葬儀社のご紹介も可能ですので遠慮なくお申し付けください

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