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葬儀の知識

臨終を告げられた際の心構えと備え

臨終を告げられた際の心構えと備え

身近な人との別れはいつか必ず訪れるものであり、臨終の場に立ち会う可能性は誰にもあります。

大切な家族の臨終を告げられたとき、悲しみに耐える中で何をどのようにすべきなのでしょうか。

本記事では、臨終に立ち会う際の心構え、臨終前後の流れ、家族が亡くなった際にすべきことなどについて解説します。

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臨終とは?

臨終(りんじゅう)とは、仏教の言葉にある人の命が終わるときを意味する「臨命終時」の略語で、人が亡くなる間際、または亡くなることを指します。

臨終の「臨」の字は「臨む(のぞむ)」という使われ方もされ、「何らかの事態に直面する」「何事かに向き合うこと」を意味しています。

つまり、臨終とは生命の終わり(=死)を迎えること、息を引き取る間際、あるいはその瞬間のことで、死を迎えた状態のことではなく、死を迎えるまさにそのときを意味する言葉です。

臨終前後の流れ

入院中の家族が亡くなるケースを例として、臨終前後の流れを確認しましょう。

危篤

身体の状態が悪化し、いつ亡くなってもおかしくない状態を危篤(きとく)と呼びます。

「危篤状態にある」と医師より告げられたり、その旨の連絡を受けたら、自分自身や家族が入院先に駆け付けるのはもちろんですが、親戚や親しい人たちにも連絡しましょう。

医師が危篤を告げるのは、遺族が心の準備をできるようにということもありますが、近しい人たちに来てもらう時間を確保するためでもあります。

臨終・死亡確認

臨終を迎えると、確かに死亡しているかを医師が確認・判定します。(死亡確認)

死亡確認後、医師は死亡の事実と死亡日時を家族に宣告し、死亡診断書を発行します。この死亡診断書は公的な書類であり、役所へ死亡届を提出する際などに必要となってくる重要な書類です。受け取ったら大切に保管します。

末期の水・エンゼルケア

死亡確認がなされたら、「末期の水(死に水)」をとります。

末期の水は、お釈迦様が亡くなる際に水を所望され、喉の渇きを癒して安らかに息を引き取ったという話に由来すると言われています。また、死にゆく人の蘇生を願う民族的な儀礼であったという説もあり、近しい人々が故人に別れを告げる大切な儀礼の一つです。

古くは臨終直前に行われていましたが、今日では臨終後に行われることが一般的です。

脱脂綿に水を含ませたり樒(しきみ)に水をつけたりしたもので故人の唇を潤すようにします。順番としては、最初に配偶者が行い、その後は血縁の濃い順に行います。

また、エンゼルケア(湯灌:ゆかん・死化粧・死装束などへの着替えといった遺体の処置全般)も行います。

伝統的には遺族の手で行うものでしたが、今日では入院先の病院や葬儀会社主導で行われることが一般的です。

末期の水をとる手順については以下の記事でより詳しく紹介しています。

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臨終に立ち会う際の心構え

臨終に立ち会う際の心構えにはどういったものがあるでしょうか。

悔いの残ることのない最後の別れとする

危篤を知らせる先としてまず、家族・親戚が挙げられます。

3親等までに連絡するのが一般的で、連絡先が多い場合は手分けして連絡し、連絡漏れがないようにしましょう。

連絡では、連絡者(自分)の名前と続柄、連絡先・危篤状態になった人の名前と現在の状況・場所(医療機関名、住所、病室など)を伝え、来てもらうことが可能かどうか確認します。いざというときのために、連絡する優先順位を決め、事前にリストと連絡票を作っておくのがお勧めです。

また、本人が最期に会っておきたいであろう人たちに来てもらうことが大事なので、身内であるかどうかにこだわらず、普段から親しい付き合いのあった人には連絡するとよいでしょう。

声は届いていると信じ、最後まで声掛けを

意識のない状態であっても、声は聞こえているとも言われます。

たとえ昏睡状態にあるとしても、息を引き取る最期のときまで傍にいることを伝え、感謝の言葉や安心させられるような温かな声掛けを続けましょう。

後で後悔しないように最後の時まで思いを伝えるとよいでしょう。

ただし、少なくとも危篤状態にある本人の耳に入れたくない話(葬儀や相続の話など)は慎むようにします。

家族が亡くなったらやるべきこと

いざ臨終となれば、悲しみに暮れてばかりもいられないのが現実です。家族が亡くなったときに早急にすべきことにはどういったものがあるでしょうか。

搬送の手配

病院や施設で亡くなり処置を受けた後は、霊安室などに居られる時間には限りがあるのが一般的で、その場に長く留まることはできません。遺族は深い悲しみの中でも、まずは車の手配をして故人を安置場所へ移動させることを考えなければなりません。

故人を移動させるための車の手配は、葬儀社に依頼するのが一般的です。搬送料金が葬儀費用のプランに含まれていることもあるので、葬儀を依頼する葬儀社が決まっていればその会社へ連絡しましょう。安置する場所は、自宅や葬儀社などが管理する安置施設を利用する場合もあります。

葬儀の手配

葬儀は、基本的には死後あまり日を空けずに行うものです。

葬儀会場や火葬場の混雑状況なども日程に影響しますので、すみやかに葬儀の手配を進めましょう。

葬儀屋を手配する際のポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。

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遺言書やエンディングノートの確認

遺言書というと遺産関係の内容をイメージしますが、葬儀スタイルや葬儀に呼んでほしい人についてなど、葬儀への故人の希望が書かれていることも考えられます。

また最近では、遺言書よりももっと手軽な方法として、エンディングノートに自分の希望を記す人が増えています。

遺言書やエンディングノートが遺されていないか、心当たりを探してみましょう。

公的手続きと申請すべき給付金の確認

医師発行の死亡診断書を持参の上、役所にて死亡届を提出します。

この届出は、火葬や埋葬を行うために必要な手続きですが、葬儀を依頼する葬儀会社が代行してくれる場合も多いようです。

また、故人の加入していた健康保険や自治体などから「埋葬料」「葬祭費」などの給付金が受けられますので、必要な手続きを確認し、状況に応じて進めましょう。

死亡診断書の発行方法や提出方法については以下の記事でより詳しく紹介しています。

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各種ライフラインの停止や名義変更

水道・電気・ガスなどのライフラインが故人の名義の場合、使用しなくなる場合は利用停止、そのまま使う場合は名義変更の手続きを行います。

また固定電話・携帯電話・インターネット・クレジットカード・運転免許証・パスポート・新聞や雑誌の定期購読などの解約も忘れずに行いましょう。

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最後に

人の死は予期できるものではなく、臨終に立ち会えないことも珍しくありません。

望んだからといって叶えられるとは限らないからこそ、大切な家族の最期の瞬間に立ち会えるということは幸運であるとも言えるでしょう。

ある程度の流れを把握しておくことで、いざというときに心に余裕を持てます。最後の別れにまっすぐに向き合い、悔いのないものとしましょう。

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